【FE聖戦】受け継がれるのは、光か? 闇か?
前書き
地上最凶のトラウマゲーム(私的に)
今回は、私がこの長いゲーマー人生の中でも、最も印象に残っているゲーム。『ファイアーエムブレム聖戦の系譜』について語る。ちなみにタイトルは、当時のキャッチコピーをお借りしました。
※ネタバレも含むので、未プレイで知りたくない方はご注意下さい。最後の方は、特にストーリーの核心部分に触れております。
『聖戦の系譜』は、発売から30年近く経った今でもシリーズ内屈指の絶大な人気を誇るゲームだ。当時、二次的なアンソロジーコミックも数多く発刊され(私も買った) 熱狂的なファンを生み出した結果、リメイクを待ち望んでいる古参のファンも多いと聞く。
冒頭のトラウマはひとまず横に置いておいて、まずは、このゲームの魅力を掘り下げていく。
このゲームの魅力
一筋縄ではいかないキャラクター達
ファイアーエムブレム(以下FE)というシリーズは、魅力的なキャラクターが多い。もちろん、イケメン、美女という容姿的な魅力もあるが、それぞれの生き様、性格など、内面も良く描かれている。後述するが、この聖戦の系譜で初めて導入された『恋愛システム』は、このキャラクター達の魅力を更に引き出すのに、打って付けなシステムだ。
そして、このゲームは恋愛以外にも、敵味方問わず、肉親関係の愛憎も多く描かれている。敵も単純な善悪では括れない深い事情を背負っているキャラが多い。
奥深いストーリー
聖戦の系譜には、十二聖戦士という伝説の大英雄がいて、この聖戦士の末裔達は神器という武器を継承出来る。聖戦士の末裔達は、それぞれ世界における支配階級の家系となった。主人公シグルドも、聖戦士バルドの末裔である。
このシグルドが、蛮族に攫われた幼なじみのエーディンを助けに行く所から物語が始まる。王道なシチュエーションなら、この幼なじみとやらがヒロインになると思うのだが、このゲームには別に固定ヒロインがいる。簡潔に書くと、このゲームの前半は、お人好しのシグルドが人助けをしているうちに、あれよあれよという間に世界を揺るがす大きな戦乱の渦に巻き込まれて、最終的には……(以下後述)
壮大な世界観、かつ愛憎渦巻く奥深い戦記物が好きな人には、たまらないだろう。
恋愛システム
このゲームの最大のウリで、人気なのはこの恋愛システム。俗に言う『カップリング』が作れる。お気に入りのキャラ同士をくっ付けるも良し、後半に出てくる子供達の為に、政略結婚……ならぬスキル能力結婚するも良し。このカップリングのお陰で二次創作も爆発的に増えて、今までシミュレーションRPGをプレイした事がない層にまで人気が広がったと思われる。
素晴らしいBGM
これに関しては、あまり説明もいらないとは思うが、とにかくこの切なくも悲しい戦乱にBGMがマッチしている。暗く鬱屈とした前半から、後半に移り子供達の登場と共に希望が芽生えるような明るいBGMが特に印章的だった。
衝撃的な前半ラスト
前記したが、物語冒頭、蛮族に攫われた幼なじみエーディンを助ける所から始まる。
主人公シグルドは、エーディンを助ける為に、ヴェルダン王国を侵攻中に、ディアドラと運命の出逢いを果たす。電光石火の如く結婚した(呆れるくらい早かったよ、本当に)
次は、親友エルトシャンの大事な妹であるラケシスを助ける。最初は、身内のトラブルを解決していく感覚が、徐々に事は大きくなっていき、最終的には戦乱に巻き込まれていく形になる。
そんなある日、ディアドラは突然、何者かに攫われて、姿を消してしまう(目の前で見ていて、まだ力無い子供故に何も出来なかったシャナンは後々トラウマになる)
ディアドラが攫われた後も、グランベルのクルト王子暗殺の濡れ衣を着せられたり、様々な苦難がシグルドを容赦なく襲う(彼はお人好し故に、ただ人助けをしていただけなのに) 善良で誇り高き騎士であるシグルドは、後にRPG史上、類を見ない不幸な主人公と呼ばれるように。
ここから先の顛末は、長くなるし、もう、私も悲しくて書けないので(本末転倒) 以下のリンクからどうぞ。
前半のシナリオ書いた奴、出てこい!!!
と、今なら息巻いて言えるのだが、当時はこの前半ラストを見た時、あまりの衝撃でしばらく呆然として、落ち着いた頃、家内にいた年の離れた弟にわざわざ伝えに行った。
このゲームをプレイしたのは1996年。ちょうど日本でインターネットが普及し始めた黎明期。当然、SNSもなく、この誰かに言わないと気が収まらないという感情は、身近な人に言う事でしか収まらなかった(もし、今だったらSNSで炎上していたかもしれない)
後遺症、後々までも
茫然自失のまま、後に『バーハラの悲劇』と呼ばれる第5章を終えて、第6章を迎え、子世代と呼ばれる後半も順調に進めて、ラスボスまで倒して、
めでたくハッピーエンド……になるかい!!(心情的に)
『バーハラの悲劇』が、今までにプレイしてきたどのゲームよりも、悽惨で酷過ぎて、いやー親の無念を子供達が頑張って晴らして良かったねーチャンチャンとは単純に喜べず(もちろん、頑張った子供達に罪は無いけれど)
そして、それから20年経ったある時、3DSのバーチャルコンソールで、『聖戦の系譜』がプレイ出来る事を知り、早速DLしてみた。
懐かしいーと思いながら、当時出来なかったラケシス最強計画(序盤、ラケシスをマスターナイトまで爆速育成)を実行したり、それなりに前半を楽しんでいた。
しかし、第3章、運命の場面が訪れる。そう、あのディアドラの誘拐事件。過去のトラウマが蘇ってきた。
ここから先は、どうあがいても地獄しか待っていない。
そう思ったら、急にやる気が失速して、先に進む気がしなくなった。ゲーム終了をして……、
それから一切プレイする事はなかった(マジで)
終わりに
ここまで書いておいて、少し矛盾するかもしれないが、『聖戦の系譜』は不朽の名作だと思う。これだけ感情を揺さぶられて、長い期間、心に深く残るゲームはそうはないだろう。トラウマだろうが、ユーザーに強いインパクトを与えた時点で、ゲームを作った側の勝ちである。もしリメイクが出たら、とりあえず手には取ってみるとは思う。
最後まで読んで下さり、本当にありがとうございました。
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