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今日が終わるたび胸を撫で下ろすなんて、やめなくていい。


毎度の話ですが、
勤務校で教える日は
5時半に起き
朝ごはんを作り、お弁当を詰めて
急いでご飯を食べて支度。

喘息なので10分薬を吸入してから
7時にバタバタ家を出ます。

満員電車に揺られて1時間以上、
勤務校に着いたら
3台しかないPCを取り合い
プリントアウト。

1日に4クラス教えるけれど
プリントは1クラスにつき
1枚以上あることが多いので、
1クラスに48人程度いるその日分の
プリントコピーを
終える頃には8時半過ぎになっています。

その日のレポートの
記入可能なところを事前に入力しておき、
代講のプリントなどを途中まで
作成したら、もう9時。


直前にメヌエール病の薬を飲んでから
教室に行って支度し
ここからはあっという間です。

「授業中に食べないでください!」

「15分以上教室にいなかったら
 欠席ですよ!」

「喧嘩しないで!」

「叩かない!」

「蹴るなぁ!」

「キャベツが高い?本当ですよ!」

「恋人が3人?お金持ちですね!」

「ホストのアルバイトを始めたい?
 ビザ取消になりますよ!」


「えっ、◯◯さん神様なんですか?
 知りませんでした!
 人間に見えますよ!」

※俺は本当は神様です、と言われました。

「飛行機になりたい?
 そんな人に初めて会いました」


「おばあさんの恋人が欲しい?
 駅前にたくさんいますよ、
 頑張って!」

※全て授業中の話のため
 もはやヤケ。



この学校の入試倍率が
5倍だろうが10倍だろうが
如何に精鋭の集まりだか知りませんが、
相手は外国人の
血気盛んな若者たちです。

大人しく授業に参加するなんて
まずあり得ません。


疲れてハイになってくると私は
こうなります。

「はいそこ、エガナガンネ!
 (シンハラ語で「勉強して」)

 シェハンさん、ナギティンヌ!
 (シンハラ語で「起きて」)」

「わはは!先生、分かりました〜!」

「陳さんは加油!
 (中国語で「頑張って」)」

「はい先生!楽しい勉強!」
 ※私の口癖を真似されました。

「先生、終わりました!」

「カルナさんはデレチット!
(ネパール語で「とてもはやい」)
 素晴らしい!」


たまに何語が何語だったか
混乱します。

ギャーギャー!ワーワー!の
90分×4コマに付き合って
毎回汗水垂らして
あちこち動き回りながら教え、
休憩はお昼ご飯をかっこむ
約10分のみ。

3コマ目には
声がガラガラになって
4コマ目で少し復活します。


私が重度喘息なの、分かるでしょう?

※教師は喘息持ちが多い。



「私、1日4コマは絶対できない!」

と、仰る非常にたくさんの同僚を尻目に


「私はそれをやらないとチビが
 保育園も学童保育も入れなかった
 時代なのよ〜」


と、さっさと帰ります。


何せ、子供を産んでからの方が
産む前よりたくさん働かないと
サービスを利用出来ない時代
でしたからね。

もう今の保育園生のママは
保育園が増えたので違うんでしょうね。
そのうち学童保育も
数が追いついて来るでしょうから
本当に来年度の小1生くらいまで
かもしれませんね、こんな時代は。


早足で駅に急ぎ
ぎゅうぎゅうの満員電車に乗って
18時までに間に合うように
チビを学童保育に
お迎えに行く頃には、

本っっっっ当にね、
足が毎回、棒のように
バリバリなんです。

喉はガラガラで
眠すぎて目が開けていられない
時もあります。

辛いよ、疲れたよ、って
毎回思いながら
チビを連れて帰ります。


だってお昼休憩
10分程度しかないんですぜ。

※しつこい。

座っている時間なんて
全然ないんですぜ。


夕食は本当は
買って帰りたいなって
思うんです。


毎回。


だけど、うちのチビ、
添加物過敏なんです。

出来合いのものに弱いんです。
血がね、出るんですよ。
または、熱を出すんです。
吐くときもあります。
それ以前に
においで嫌がります。


だから、家に帰って
チビに勉強させている間、
夕食を作るんです。
うとうとしながら。


時々呼ばれて
勉強を教えて、終わったら採点して、
間違ったところは
やり直させて。


チビがまだ1歳程度の頃は
時おり無添加のお弁当を
頼んでいましたが、
ああいうのはすごく高額な割に
量がとても少なくて無理でした。


在宅介護業界勤務と非常勤講師の夫婦には
余計にストレスが溜まってしまいます。
旦那もチビもよく食べる方ですし。


ふらふらしながら
今日は
もういいや、
豚こまと白菜のミルフィーユだ。

簡単だから。

野菜が白菜だけだと
栄養が足りなそうなので、
にんじんの千切りと
エリンギを入れて、
自家製の柚子を搾ります。


お味噌汁を作って、
りんごを剥いて、
あとは、もう嫌だ。
作り置きの蒸かし芋と
納豆でも出しておこう。


こんなだけどチビに
「美味しい!」って
言ってもらえました。

ご飯は作る時間を
長めにすると
今度はチビの寝る時間が
減ってしまうので、
焦って作ります。


そうやって毎回毎回、
無事にご飯が出来たら
胸を撫で下ろすんです。

今日も何とか
ご飯が作れた、って。

私、これを否定されたら
やっていけません。


こうやって何年も
自分を騙し騙し
生きてきたもの。


誰も褒めてくれないから
自分で自分を褒めてあげつつ。


教師の離職率が高いの
分かるわ。

私あの悪ガキ
頑張っている留学生たちを
1クラスにつき48人も
面倒みてるんですぜ。

小学生よりもよほど
うるさくて力も強くて喧嘩っぱやくて
ウロウロする人たちですぜ。


子どもの数が激減しているのも
分かるわ。



そうだ、学童保育も
利用決定通知が来るたびに
胸を撫で下ろしていましたわ。


いつもこの
昔流行った歌を思い出しながら、
私、また
今日が終わるたび
胸を撫で下ろしてるな、って
思うんです。


これって、いけないことなのかなって
思う時もありましたが、
そんなことさえダメだしされたら
やっていけなくなるから
最近は開き直っているんです。

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みおいち@着物で日本語教師のワーママ
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