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【企画参加】いつか「ずっといっしょ」じゃ、なくなるけれど。

私に子どもが出来るとは
思ってもいませんでした。


救急車常連で、
就職してからは
日常的に薬漬け。
長期寝たきりも、
珍しくない。



結婚できたのが奇跡です。

ダンナ姓に変わってからは
喘息が酷く、
メニエール病も酷く、
心臓病も、というかこれが一番
心配でしたが、
薬を体内に入れない日なんて、
それもステロイドの強いのを
使わない日なんて、
珍しかったのです。

自分の足で歩けて
症状が出ない日があることが
たまらなく嬉しいくらいでした。


だから別にこれ以上の
幸せを求めようと
思っていませんでした。


ダンナと二人きりの
DINKS生活は
気ままで楽しかったし、
親も姉2人が子どもを
たくさん産んでくれていたので、
病弱な私には
何も言いませんでした。


義親も
私の身体のことを知っていて、
「2人が幸せなら
 それでいい」と
言ってくれていました。


ぽっかりと突然
体調の良い日が何日も続いて、
喘息もメニエール病も
出なかった奇跡的な年に、
私はチビを授かりました。


産院で
「貴女には産めないから
 堕ろしなさい」と
言われたのは、
どこかで書きましたが、
それで、大学病院で産みました。


私は妊娠中、
10ヶ月も薬を飲まないで
生きていけるのか、
恐怖でした。

大人になってから
1週間も薬を
飲まなかったことは
無いような人でしたから。


それが、
母体ってすごいんですね。
つわりは妊娠1ヶ月目から
酷かったですが、
他の病気は
私からなくなったかのように
ピタリと出なくなりました。


私は子どもを無事に
産むことが出来ました。


今はもう
珍しくもないでしょうが、
高年出産というヤツです。


私は自称24歳ですが。
(まだ言うかって?)


体調のこともあり、
仕事柄、高齢者の最期に
立ち会うこともよくあった私は、
20代前半から
「死」をいつだって意識して
生きていました。



後悔のない様に
何でもやりました。


たくさん海外旅行をして、
イギリスで働いて、
一人暮らしして、
恋もして、
仕事が如何に多忙でも
バレエや社会人大学に通って、
着付も習って、
つまり、
産前にじゅうぶんに満足するほど
仕事も遊びも勉強もしていました。


だから、
世の中を何でも
知っている気になっていました。


子どもを持って思います。
全然違うね。
まさに、無知の知が、無い。


私は妊娠中、
先輩教師に
こんなことを言ったことが
ありました。


「私は学生が
 可愛くてたまりませんが、
 お腹の中のこの子を
 学生以上に
 可愛がれるか不安です」



あ〜ほ〜‼︎



そんな心配は
子どもが生まれてから
ガラガラ〜!と音を立てて
崩れ去りましたよ、もちろん。


ごめんね、学生たちよ。
あなたたちもじゅうぶん
可愛いけど、
我が子には負けるわ。



でもね、私は
妊娠以前は
お年寄りは大好きでも
子どもなんて全く
興味なかったのです。



皆が他人の赤ちゃんを見て
「可愛い💕」と言うのは
社交辞令だと思っていました。
演技ですよ、演技。


私は風のようだ、と
よく言われていましたが、
病気があっても
国内外関係なく
好きな時に好きなところへ
行ってしまう人間でした。


ダンナと私の両方の知り合いには
「すぐ離婚して
  海外に行っちゃうんでしょ?」
なんて言われました。


子どもがいることは
足かせだ、とも
思っていました。



そんな私のところに
子どもが出来てから
やってきた、この一冊。

小さい赤ちゃんに
読み聞かせするような
文字数の少ない絵本です。


俵万智さんの翻訳が
すっと心に入ってきて
気持ち良い。


この本を私は
一度も泣かずに
読めたことがありません。


チビに読み聞かせしても
最後は声が震えてしまうので、
そんな私を
まだもっと小さかった彼は
不思議そうにじっと
見つめていました。


親はこんな思いで
子どもを育てているんだ。
いつしかその手は
離れてしまうのに、
それでも愛情を
注ぎ続けるんだ。



まるで自分の力だけで
成長して来たかのように
知った顔をして生きて来た
自分をとても
幼く、恥ずかしく感じました。



この本を読むと
思い出す曲があります。


Kiroroの「未来へ」。
この曲も私は聴くと
号泣してしまいます。
歌うなんて、もってのほかです。


あの時はまだ幼くて意味など知らない


「本当の」意味が分かるのは
親になってから、かもしれない。


私はあまり良い親じゃない。


忙しくて土曜も仕事だし、
たまに休みだと思ったらすぐ寝込んで、
家事も溜まりっぱなしだし、
疲れてイライラして怒鳴って、
それで落ち込んで、の
負のループの繰り返し。


だけど、
子どもが子どもとして
いてくれる時間は貴重で、
いつかは社会に彼を
返さなければいけない。


だから、
心が疲れてイライラしている時は
この本を開いて、そして
Kiroroの歌も思い出すのです。



相互フォローさせて頂いている
ともきちさんの企画に
参加しました。

miwaさんとのコラボ企画だそうです。

ともきちさん、miwaさん、
素敵な企画を
ありがとうございます✨



#note大学音楽読書コンテスト




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