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私は、その男の写真を三葉、見たことがある。

際どいことを言われたら、どう反応するのが正解なのだろう。
笑ってごまかす?無視をする?はっきりとした拒絶を示す?

きっとその場の状況によって正解は違うのだと思う。
わたしはそのことに気がつくのに時間がかかってしまったので、いつも同じ対応をしてしまっていた。
そうするとどんどん内容が過激になっていくということに、ようやっと気がついたのだ。馬鹿だった。

1ヶ月ほど前に
「同級生のセクハラ発言がひどい。しかも、わたしにだけしてきて困っている。わたしには対応しきれないので、一緒にやめさせてくれないか」
といった相談を、とある人にした。
返ってきた答えは
「もっときつく言わなきゃ!あなたは優しすぎるんだよ!」
だった。

わたしは彼にセクハラ発言をされるたびに「気持ち悪い!」と顔を顰めて強めに言っていたし、嫌だということは全力で伝えていた。
いや、つもりだったのかもしれない。伝わっていなかったら意味がないのか。
全力で拒絶しても、それに快感を覚えていたらそれこそもう手に負えないが。

体調を崩しかけていたせいもあり、自責思考になっていたそのときのわたしは「もっときつく言わなきゃ!」と言われたことに対して
「セクハラ発言は、される側が悪いのか。もっときつく言えなかったわたしのせいで今こうなっているのか。」と捉えてしまった。
そして「あなたは優しすぎるんだよ!」の部分に責められているニュアンスを感じて、相談したことを少し悔やんだ。

優しさは、ときに損をする ということは今年に入ってあらためて感じていることだ。
優しさは搾取される。でも、誰かがその役をやらなければならないときもある。
絶対に見ていてくれる人がいるから、なんて言葉は気休め程度にしかならない。
身を削って動いたって、誰の目にも触れていないことなんてよくあることだ。

わたしの優しさは本当の優しさではない、と思う。
結局、ただのエゴのようなものである。
みんなに優しいわたし にしか自身の存在価値を見出せていないのかもしれない。

伝わっていなかったら、それは何もしていないのと同じなのだろうか。
届いていない言葉は、言っていないのと変わらないのだろうか。

とか言っている間に、また例の彼からdmが来た。
通知で確認しただけだが、どうやらご飯に誘われているようだ。
こういう瞬間、女でいることをやめたくなる。
ああでも、いま流行りのジェンダー的な観点からすると性別で括らない方が良いか。セクハラ発言で悩んでいる男性もいるだろうし。

今年の6月は思っていたよりもずっとずっと最悪だったな。
周りの大好きで大切な人たちが離れてしまってもおかしくないような、めんどくさい女ムーブしかしていなかった。
日記を読み返してみても、めんどくさかった。めんどくさすぎて消えたくなるくらい。
これを読んでくれているわたしの大好きで大切な人たち。本当にごめんね。

やはり来世は人間以外がいいな。願わくば、クラゲになりたい。死んだら海に溶けていなくなるクラゲになりたい。
7月を終える頃のわたしが、どうかこのnoteを笑い飛ばしていますように。


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