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咳をしても一人

風邪をひいたとき特有のにおいとともに、後頭部にズキンという痛みが走る。
この頭痛をわたしは初めて経験している。少し怖い。
死ぬのかなあ。早いなあ。早すぎるよなあ。
「我が生涯に一片の悔いなし」って言っていたラオウすごいなあ。
わたしはまだ言えない。だから、死ねない。

かれこれ2週間ほど微熱っぽくて、昨日と今日の体温は38度。
発熱ではなく、高熱ラインになってしまった。

ふと、わたしが先に死んでも、彼氏には別の人を見つけて幸せになってもらいたいな〜なんて考えていたけど、そんなの本心じゃないのかも。
想像して涙が出てきたからだ。
勝手に想像して泣いてしまう。ああなんて可愛げのある女でしょう。
世間ではこれをめんどくさい女、あるいは重い女とも呼ぶらしい。

心の底から別の人との幸せを願えていないかもしれないが、わたしが死んだ後の世界のことを、わたしはどうあがいても見ることはできないから、やきもちを妬きようがないから、どうか彼氏が素敵な人を見つけて幸せになってくれることを願う。
でも恋愛だけが幸せの要素ではないか。
いやどっちでも良いけど、とにかく彼が最終的に幸せでいてくれたらなって思う。

だけど、もっと一緒に生きたいよわたしは。

体調のせいで、ネガティブになっているのだろうか。
それとも、普段なるべくポジティブでいようとしているツケが回ってきているのだろうか。
はたまたその両方か。

起こってもいないことを考えても…と思ったが、そもそもわたしが死んでしまったら、あとのことを考えられる脳みそも、複雑な気持ちになる心もなくなるわけで、生きているうちにしか考えられない。
だから許してほしい。

わたしは、明日が来ることを当たり前だと思っている。
明日が来ない可能性をこれっぽっちも考えていない。
当然のように明日のこと、それよりももっと未来のことを考えては、悩んだり楽しみになったりしている。
13年前の冬、急にどこかへ行ってしまったわたしの大切な人も、明日を信じて疑わなかったはずだ。
突然の出来事だったし、まさか死ぬなんて思っていなかっただろうな。

わたしがもし急に死んでしまったら、この文章って誰かの目に触れるのかな。
いままで書いてきた日記って、誰かが読むのかな。
蜻蛉日記とか紫式部日記みたいに数千年後の人にまで読まれて品詞分解とかされて、受験生を苦しめるのかな。
いやそれはないか。平々凡々な大学生だし。
見てほしいような、見られたくないような。
あまりにも正直に綴りすぎているから、やっぱり見られたくないかも。
見られても良い箇所だけ綺麗にまとめておこうかな。
そんな面倒なことしないけど。

今日の日記は体が元気になったら彼氏に言ってみようかな。
あれ、わたしって本当に元気になれる??
2週間も熱が続いているのってどう考えても異常だ。
元気に戻れるといいな。


ここまで文章は、6月19日の日記から一部抜粋し、人の目に触れても大丈夫にしたものだ。
こんなことを言っていたけどわたしは今日も、当然のように明日のこと、それよりももっともっと未来のことを考えては、悩んだり楽しみになったりしている。

1ヶ月と少し前のわたし、まだ生きてるし元気に戻れたから安心して寝込んでください。

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