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パリに「住みたいのに、住めない私」と「住みたくないのに、住むあなた」

ワーホリのビザが今年の2月に切れた。
私はビザの期限ギリギリまでパリで勤務していた。
ヨーロッパ旅行でもしなよ、と何度も言われてしまうくらい1年間ずっとパリにしがみついていた。

私の職場にはフランス人をパートナーに持ち、
結婚をきっかけにパリに移住している女性が何人かいた。

彼女たちはよく、「日本に帰りたい、この国は最低だ」
「せめてパリではなく、フランスの田舎に行きたい。」と言っている。
移民にとって異国での子育ては、かなり壮絶な戦いなのだ。
(話をたくさん聞くが、本当に本当に本当に大変)

そんな彼女たちの前で、
「パリ大好き!アムール!ルーブル、モンマルトル、映画館いっぱい!展示いっぱい!歩きタバコアペロミッドナイトインパリ!」
などパリがいかに素晴らしい街なのかを、熱弁しても聞く耳を持つわけがない。
ただただ、「道にうんこが落ちている街の、どこがいいの?変な人」
と言われて会話終了。

その度に「あなたが帰りたいと思っている日本場所の道に、
うんこが落ちていても気にしないでしょ?」
という言葉が何度、喉仏のここまで出かかっただろう。

パリが大好きな私は、これからパリには住み続けることができず、
日本に帰りたい彼女たちは、パリに住まなければいけない。
そんな私たちの欲のネジレをぼんやり眺めている。

とか言いつつ、私はどの場所でも楽しむことができるタイプの人間なので
フランスから帰国して2週間、日本での新しい生活をしっかり楽しでいるのだった。
住む場所なんて関係ない、基本的に毎日ハッピーに過ごしている。

でもフランスに帰りたい気持ちは忘れてはいないよ。

パリの地下鉄。縦と横の組み合わせ。

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