0506.きらいな言葉は？「がんばらなくていいのよ」
突然さむくなってみるとあのうだるような暑さが恋しい。ていうかそもそもわたしは夏が好きなんだってば。けどこれからいくら残暑という形で暑さが戻ってきても、空はぐんぐんと秋の気配になっていくのだろうな。そのうち金木犀の香りなんてしてきちゃったりしてさ。金木犀の香りだって大好きなんだけどさ。
きのうの宣言どおり、かんくん（小5息子）は朝6時半にセットしたアラームで飛び起きて、おとうさんのためにたまごとベーコンを焼いてあげていた。えらいなあ。お料理がブームになっているらしく、夜ごはんもおれがつくるから！とはりきっていたので、焼きそばを作ってもらうことにした。
今日はまあまあ仕事をした、と思う。
午前にビジネス・コーチングが1件、あと期限を過ぎちゃってて待っていてもらっていた企画書をひとつ送って、別名義でやっているメディアの記事を一本上げた。ほんとうは今月から来月にかけてオファーをいただいた新規事業用のWEBサイト構築サポート、みたいな案件の見積書を作成したかったのだけれど、子どもたちの買い物やら、焼きそばの作り方講座やらで、できなかった。
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タイトルの、『きらいな言葉は？「がんばらなくていいのよ」』は、わたしのセリフではない。出典は、『獣の奏者』だ。作者である上橋菜穂子さんへの50の質問というのが、1巻の”闘蛇編”と2巻の”王獣編”にそれぞれ半分ずつ収められていて、その中にあったものだった。
Ｑ１２きらいな言葉は？
Ａ「がんばらなくていいのよ。」
上橋菜穂子. 獣の奏者 全５冊合本版(Kindle の位置No.3460-3461). Kindle 版.
ちまたには「がんばらなくていい」とうたうコンテンツがいっぱいあって、きっとがんばりすぎてボロボロになっているひとにはほんとうに救いになっていると思う。わたしも、セッションとかでやっぱり言うことはある。「もうじゅうぶんがんばってますよね」と。「だから、もうがんばらなくていいですよ」と。
でもそれは、逆説的ではあるけれど、ボロボロの心と身体をしっかり休めて、英気を養って良い状態になって、そしてまた「自分なりの喜びが溢れる”がんばり”へと、羽ばたいていけるとよいね」という願いを込めての、それなのだ。
わたしがカウンセリングを提供せず、コーチングという形をとっているのは、がんばるひとが好きだからだ。生まれて初めて今年は「オリンピックっていいものだな」と思えた。それまでは、スポーツが好きじゃなかったし、勝ち負けに一生懸命になる気持ちがわからなかったし、ナショナルチームに肩入れするという趣味を持たないので、心の底からたいくつだった。
けれど、今年突然「いいものをたくさん見せてもらった」という気持ちになった。それってなぜだろう、なにがちがうんだろう、と考えて、（当たり前だけど）オリンピックが変わったのではなく、わたしが変わったのだ、と気づいた。
わたしが、ここ500日間くらい（笑）、生まれてはじめて「毎日いっしょうけんめいに何かを必死でがんばる」「崩れ落ちそうになってもギリギリのところで喰らい付く」みたいな綱渡りをnoteでやっていて、なんとこれが人生初めてと言えるくらいの”継続的ながんばりっぷり”なので、そこでやっと「がんばって自分のいのちを燃やしているひとたちと、その祭典」であるオリンピックというものに感情移入できたのだと思う。
こないだ、久しぶりになみちゃんと話したときに、彼女が出会ったという言葉を聞いた。
「人生ってなんだと思う？」という問いと、答えのセットの会話だった。
「人生ってなんだと思う？」って聞かれたの。となみちゃんがいうので、わたしも自然に思いを巡らせた。人生ってなんだろう。わたしにとって人生ってなんだろう、と。なにかむつかしいことを答えとして追い求めていたわたしの思考をさえぎって、なみちゃんは続けた。
「人生って、毎日のことだよ。って」と。
今日の一日が、明日の一日が、毎日つづく目の前の、この毎日が、人生なんだよ。
わたしはこれまでの人生で、こんなにも自分を信じて、自分という存在にくつろいで、そして自分に満足している日々ってあっただろうか、と思うほど、ここ数年の毎日に意味を感じている。なにかした日も、なにもしない日も、同じくらいに意味を感じている。
それは、自分に「がんばらなくていいよ」って言わなくなった日々だからだと思う。わたしは自分に「がんばって！」と毎日エールを送っている。あの熱いオリンピックの日々に、みんながテレビの向こうにいるアスリートたちを見つめながら祈るように放った「がんばって。あと少し。どうかがんばって」というきれいなエール。
そのきらきらしたエールを自分で放って自分で受け取って、そしてそれを糧にまた「がんばろう。だってがんばりたいから」と思って今日もがんばれること。明日もきっとがんばる自分に会えること。そうして毎日が人生になっていくという日々だから。
だから、わたしはこれからも癒すひとにはなれないけど、がんばるひとのがんばる毎日に祈りとエールを送りつづけるひとでありたいな、と思ってる。
「がんばらなくていいよ」、がちょっとつまんなくなってきたら、なんか自分の刃の切れ味がにぶってきたな？と思ったら、そういうときは毎日いっこだけ、なにかがんばってみるといいと思うよ。
その、いっこがんばる毎日が、あなたらしい人生になっていくんだと思うよ。
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