0640.いつでも名もなきひとに惹かれる

SASUKE2021、観戦中。もう、18時から見続けていてすでに5時間以上が経過していて胸がいっぱい。そしてたったいま見終わりました。まさかの....。
いや、これ以上書くと録画していてあとで楽しみに観るんだい！という方々へのネタバレとなってしまうので書けないけど....。

といってもわたしのまわりでSASUKEを毎年楽しみにしているひとってあまり会ったことないので、無用な心配かもしれない（笑）。

年々、タレント・芸人さん枠、アイドル枠、名のあるアスリート枠が増えてきていて、「名もなきアスリートたちの祭典」というコンセプトが浸食されているかなあ、という気がしていたけれど、今回の結果をみてわたしはすごく嬉しかった。

3rdステージの舞台に立っていたひとたち。
配管工、塾講師、教員、電気屋さん店長、県庁職員といった選手たち。名のあるアスリートのみんなもすごくかっこいいし、同じSASUKEでがんばる仲間なのはもちろんわかっているけれど、彼らにとってはSASUKEでの成功はそのままタレント活動での成功につながっていく。
SASUKEでのチャレンジは目的であると同時に、手段の面もあるのだ。

けれど、そうじゃないごく普通の暮らしを送る市井のひとびとである選手にとってはただSASUKEは純粋に目的であって、手段になるとしたらそれはおまけみたいなものだ。

そりゃあわたしだって近所にキタガワ電気があったらそこで家電はぜんぶ買うだろうと思うもん。エアコンの設置に日置さんがきてくれたら、バッチメイクでお出迎えしてサインと写真をせびると思うもん。
近所の栄光ゼミナールに山本さんがいたら、娘を送り込むと思うし、配管整備だって又地さんにお願いしたい。

でもそれくらいだろう。目的が、純粋に目的のまま。という純度の高さに心を打たれて胸がいっぱいになるのだと思う。
わたしから見ると、そういうひとたちは「透明」に見える。なにも色がついていないひとたち。

時代小説がすきだった時期、藤沢周平の作品をたくさん読んだ。
時代小説とか大河小説って、当たり前だけど英雄を題材にしたものが多い。坂本龍馬だったり、宮本武蔵だったり、新撰組。中国だったら三国志で、曹操とか劉備とか、主役はいつでも伝説の英雄たちだ。

けれど藤沢周平の時代小説はそうではなくて、市井のひとが書かれていた。彼らの日々の営みと人生の哀切が描かれていて、わたしはそっちのほうが好きだった。いつでも名もなきひとに惹かれる。SASUKEがそうだ。

今回、3rdはガラリと面子が変わっていたけれど、それもすごく良かった。このひとたちの3rdがずっとずっと観たかった...！というひとたちを観ることができて、逆に3rdやファイナル常連のひとたちは序盤で脱落していたけれど、自分はダメでも一緒に練習した仲間たちが、去年の自分の記録を超えていくところを見て、自分のことのように、それ以上に、飛び上がって大喜びしているところを観ることができてほんとうによかった。

もう5年連続でここで池に落ちちゃってるよな、このひと。もうあきらめちゃうかな。もう来年は出場していなくて、彼が毎年出ていたことすら忘れちゃうのかな、と心配になっても、彼らはすぐに顔をあげて「もっと強くなって、また来年帰ってきたい」というので、その言葉を聞いてホッと胸を撫で下ろすのもまた、毎年のことなのだ。

また来年も楽しみにしているし、ちゃんと放送も無事に終了したので明日からはまた漆原さんのYouTubeチャンネルで、各選手ごとの「第39回大会反省会」と銘打ったインタビュー動画が配信されるのがいまから楽しみ。

それにしてもここ数年は新エリアにあそこまで大胆にバージョンアップしていなかったはず。今回ちょっとひどかった。「これはこんなふうに攻略します」って運営側が模擬プレイを見せて、その場で選手たちが「おお〜....え〜？？」みたいにハテナマーク浮かべながら対応してたもんなあ。

来年はさすがに今回の仕様のまま変わらないと思うので、みんながどう攻略してくるか楽しみだし、ついさっき「今回ちょっとひどかった」と新エリア増設について書いたけど、そうやって難易度を上げることについてわたしは「ひどいなあ、前のバージョンのままで、みんなをファイナリストにしてあげたいじゃん」と感じるけど、きっと選手のみんなは「うお〜！ムッズ！！エグ！！！これいくらなんでも無理じゃね？」となったのち「........オラ、ワクワクすっぞ！！！！」という神経回路につながる方々だと思うので、ハードルが高ければ高いほどアドレナリンが出るのでしょうね。
わがままで難攻不落な高嶺の花がモテるのと同じ原理ですね。
彼らはいつでも自分の人生を捧げられるほどの「上玉」を求めているのだから（身体的チャレンジであれ、恋愛であれ）。

今年もめっちゃ楽しかったです。さて、paraviでファンミーティング観ようっと！あんにょん！

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