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幸せに生きるためには、つらかった思い出がとても大切


秋らしくなってきてとても過ごしやすい今日この頃。
みなさんお元気ですか?

って、最近はじまった新サービス「BE ME」がおもしろすぎて楽しすぎて、その影響を受けてか文体がお手紙調になっております。


すごい……このサービスめっちゃ楽しい……そして奥深い……。
みんなやればいいのに……!と、ふつふつと思っている。


わたしの「みんなやればいいのに」は、提供者としての「みんな、このメールセッションを受ければいいのに」という意味ではなくて、だれもができるあたたかいサービスとして、人を幸せにするサービスとして、”お手紙屋さん”というサービスを、もっとたくさんの人がやればいいのに!!

の、意味なのですね。

わたしはこうして簡単に「やればいいのにっ」って思いますけど、「べつに興味ねー」という人は置いておいて、「え、やってみたいな。けど……」という、「…………」のところにその人なりのやらない理由、できない理由、というものが入ると思うので、そういう部分を汲み取って、やりたい人がやれるようなベースラインまで、底上げしてみたいな、と思ったりしている。



ひとにとって、大切な思い出というものはどんな思い出か、という興味深い話を聞いた。
ふつうに考えたら「良い思い出」だと思う。
楽しかったこと、嬉しかったこと、感動したこと、うまくいったこと。

そう思いながら聞いていたら、「人間がよりよく幸せに生きるためには、つらかった思い出というものがとても大切なんだ」という答えだった。
なぜなら、”つらかったあの時”があったからこそ、”今の幸せ”を初めて感じることができるのだと。

苦労したこと、うまくいかなかったこと、どん底ですべてを失ったとたしかに感じた”あの時”があるから、ああ、今、心から幸せだなあと感じられるっていう話だった。

わたしは最近、かんくんが野球のクラブチームを休部しているから、土日がぽかっと空いてしまう日々を過ごしていた。6月からだから、かれこれ5ヶ月近くも「息子の野球ロス」を経験しているわけだ。
当の本人は心ゆくまでゴロゴロしたり、テニスをしたり、友達とカラオケに出かけたりと自由をまんきつしているのだが、わたしの心はどうしても、どうしても野球少年だった頃の彼の影を追い求めてしまうところが消えないのだった。


そんな折、ハチ(旦那さん)は「君のロスを、おれが楽しくしてやろう」とばかりにいろんなおでかけに誘ってくれるようになり、映画を観に行ったりラーメンを食べにいったり温泉までドライブしたりと、かなーり夫婦の時間が増えるようになった。

そんな時間を過ごしながら、わたしはしみじみと心の底から「こうしてハチと一緒に、おしゃべりして笑って美味しいものを食べながら過ごせて、ほんとうに幸せだなあ!」と素直に思っていた。
ハチがいてくれてうれしい、ハチと仲良しでうれしい。
わたしの人生で、いちばんよかったことは、このひとと結婚したことだ、と。


なぜこんなにも、当たり前に夫婦が仲良くいられることをここまで幸せに感じられるのかっていうと、たぶん、わたしたちが過去あまりにも不仲で、憎しみあって、家族がバラバラだった時期を経験していたからなんだと思うのです。

あの頃こそがわたしの地獄だったし、まだ30代で元気で若かったけれども、いつも心の中は重苦しく深刻で、眉間には深い皺が刻まれていて、目つきは剣呑で、笑顔でいても目は笑っていなくって、景色なんか目には入らなくて入ったとしても真っ黒だった。
わたしは産休から育休という時期で給与は数割減だったし、あわや左遷みたいな扱いだったし、ハチはハチでパニック障害と鬱ではたらけない状態で、お金だってなかった。

そのときの「つらかった思い出」がわたしの胸に深く刻まれているので、だからこそ隣でおだやかな顔で笑っているハチを見て、そして「あれもこれも子どもたちに買って帰ろう」と、楽しく欲しいものを気持ちよく買っている今の自分たちを見て、

なんっっっっっっっってことだ!!
なんっっっっっっっっっっっっって幸せなんだろう!!!

と、呆然としてぽたぽた涙が出るくらいだった。ハチはギョッとしていた。ちなみに、彼にはあまりその頃の記憶がないそうだ。投薬もしていたし、ぼんやりしていることも多かったし、思い出すにはつらすぎるからかもしれない。


なにかの事故だったのか工事のせいだったか、マンションの水が出ない日が数日あった。
出ないってわかっていても、ついくせで蛇口をひねっては「あ、出ないんだった」と思い直して、ペットボトルの水でいろいろやり過ごしていた。
お風呂も入れず、シャワーもでなくて、みんなで濡らしたタオルをレンジであたためて身体を拭いたりした。

その後無事に復旧し、蛇口からざーっとお水が流れてきたときの気持ちったら。

水がでるうううううううううう。
あ、あ、あ、ありがてえええええ。
ありがたすぎるうううううううう。

ってなったよね 笑。

おいしいお食事においての一番のスパイスは空腹、ってよくいうけど、幸せな人生においての一番のスパイスは、実は喪失ということなんだろう。

失ってから気づくんだよね。でも、一度気づいたら、きっと失わなくても、目の前のことを、人を、日々を、大切にしていけるんだと思う。







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さめじまみお
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