地球と呼吸を合わせるということ

2025年1月27日 16:34

先週のこと。一泊で鎌倉へ。
泊まったホテルはかねてより「いいなあ」と思っていた鎌倉プリンスホテルで、これがもうほんとうに、よかった。

七里ヶ浜駅からちょっと歩く。というか送迎のシャトルバスが出ているほどにはまあまあ歩く。なぜなら海岸を見晴らせる高台にあるからなのでした。お部屋は全室オーシャンビューで、特にやることもなかったわたしにとっては部屋でお茶を飲んだり本を読んだりゴロゴロしているだけで、途方もなく癒された。

海ってすごい。わたし自身はよく「みおさんてホントに山が好きだよね！」といろんなひとに言われるほどに山派だと信じて疑っていなかったけれど、今回はさすがに疑念がわいた。俺、海派じゃね？と。
理想はなんといっても、つうりさんの暮らしだろう。おうちは湘南の海沿いにあって、そして山梨の富士山のふもとでお寺の仕事をするっていう。めちゃめちゃ忙しそうだけど。

1月は体調崩したり元気になったり、と思ったらインフルになってぶっ倒れてすべての予定をキャンセルして元気になったと思ったら旅、みたいなよくわからない日々だったけど、海に行ってつじつまが合ったように思う。

呼吸の質を高める、ということも今年のテーマとして頭の片隅にあって、それには人工物に囲まれているだけだとむつかしい。
kan.さんの著書に「海に行って、寄せてはかえす波を見ていると、自然に呼吸がととのってくる」と書かれた一文をたよりに、今回はただただ海を見にいったのだと思う。

メトロノームがその振動によってレゾナンスが起こり、複数のメトロノームが次第に同期していく現象がわたしは好きなのだけど、きっと海（波）でも同じことが起こるのだろう。
地球の呼吸と、わたしの呼吸を合わせにいってきたわけです。
すごく良かった。1月で極寒期だから空いていると思いきや、七里ヶ浜はたくさんのひとでにぎわっていた。
お金持ちたちが逗子や葉山に住むのわかるよ。いいよね、海。

わたしは関東平野と縁が深いと思うので、きっと海辺の街に住むことはない気がするけども、ちょくちょく訪れよう、と思った。

その日の夜は、鎌倉在住で「ジャイロトニックKAMAKURA」を経営しているやまもとゆきえさんとごはん。
鎌倉でぼっちごはんだったはずのわたしを気遣ってくれたとにかくやさしいゆきえさん。
「そのやさしさ大丈夫？親切すぎて心配です！」って言いたくなるほどにやさしいゆきえさんが、由比ヶ浜にある超～すてきなお店「松原庵」を予約してくれて、ふたりでスパークリングを1本空けて楽しく飲み明かしたのでした。

ここでもわたしはびっくりしたんだけれど、「気の置けない友人と、おいしいお酒とおつまみを楽しみながら語らう喜び」みたいなこと、すげー！好きじゃん！と思った。
ゆきえさんと本当に楽しく大笑いしながら過ごしていて、お店の方にまで「とっても楽しそうでしたね」って声をかけてもらうほどに、すてきな時間だった。
そしてゆきえさんは、日本国内だけでなくドイツやギリシャまでをまたにかけるグローバルなマスタートレーナーなわけで、こういう大人の社交というものを、いつでも心から楽しんでいる人生なんだな、と彼女を見ていてしみじみ思った。

わたしがこういう時間をふだんなかなか楽しめないのは、都内でおいしいお店で夜飲んでも、帰りが満員電車で疲れてしまうこと。さらに、家に帰ったらたぶん翌日のお弁当のことが気になったり、実際に次の日にはちゃんと家族とともに暮らす朝がやってくるわけで。

なんというか、「さあ友と語らおう！夜を楽しもう！」だけでは終わらない後工程によって、無意識にブレーキをかけていたんだな、と思った。
実際、その日はどうせホテルまでは電車で数駅足らずで、もちろん満員電車なわけもない。
部屋に帰ったらただただベッドが待っていて、翌朝もなにも気にすることなく好きなだけ眠っていればいい、という条件が揃っていたのがやっぱりもうずいぶんと久しぶりで、自分って小さく小さく無意識に安全な選択をしていたんだなと思ったりした。

小さく狭めた安全な選択肢を、正当化するみたいなこと。
「わたしは夜は眠いし、あまりだれかと飲んだりするのもすきじゃないなあ。そういうタイプ」みたいに決めつけちゃうのってつまらないな、と思った。

楽しい機会を増やしてみよう。あまりいろいろ考えすぎずに。

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