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「お母さん」なら分かるのか?

ある日の朝、息子にこんなことを言われた。
「お母さんなら分かるのかと思った。」

「お母さんはエスパーじゃないから、分かるわけないじゃん。」と、私はアッサリ答えた。

このやり取りには、「母子関係」というものに関する深い「何か」がある気がしたので、私なりの考えを書こうと思った。

ことの発端

そもそも私は、子供と毎日一緒にいるわけではない。しかし、ここ最近は一緒にいたという状況だった。

学生を謳歌している息子は、食べ盛りである。
たとえば昨日は、昼ご飯にカレーを1人前。それから、おむすび・ホットドック・アイス・バケットなどを食べた。そして、晩御飯もモリッと食べた。

だから、朝ごはんもしっかり食べるのだろうと思った。ここ数日、相当な量食べるのを見ていたから。

問題になった日の朝ご飯は、昨晩の肉じゃがを定食の一人前程度の量で用意した。

そうしたら

「多くない?こんなには、おなかに入らない気がする。最近、僕は朝ごはんはほとんど食べないんだよ。」

と言われたのだ。

その15分前に、肉じゃがをお皿に次ぎ分ける量については本人に聞いた。「自分でつぐ?お母さんがつぐ?」
「量は適当でいいの?」
その時、彼は「お母さんがついで。」と答えた。
布団の上でゴロゴロしながら。

その後、彼はダイニングに出てきて、普通の定食1人前ほどの肉じゃがを見て、先ほどのセリフを言った。

母という幻想

つまるところ、言葉で伝えなくたって「お母さんは自分のことを分かってくれている」と思っているんじゃないか?と私は思った。

正直なことを言うと、全幅の信頼が寄せられているようで嬉しい気持ちがないわけでもない。

だけど子供も私も、大人と子供というべったりの親子関係から、自立した大人の関係になる方が健全な年ごろだと思った。

だから私はこんなことを言った。

「お母さん(私)がおばあちゃんになって、あなたがもっと大人になって年に1回うちに帰省するようになった時とか。好きなものを用意してあげたいけど、その時その時のあなたの好きなものを伝えないと、いつまでもスティックパンを用意しちゃうよ。伝えないと、情報が更新されないんだから。」

※スティックパンは、子供が幼児期に好きだったもの

すると、彼はこういった。

「そうなんだ。お母さんなら(何でも)分かるのかと思った。」

買い言葉に売り言葉の可能性もある。だけど、「ふ~ん、そうなんだ」という感じで彼は反応していたから、多分文字通りのことを思っていたのではないかと思う。

親子関係と夫婦関係

私は夫婦関係の話をよく耳にするし、よく考えるので、夫婦関係にも当てはめて考えてみた。

するとやっぱり
「長く一緒にいるんだから言わなくても分かる」
「見ればわかる」
「言わなくても妻(夫)は俺(私)のことを分かってくれている」
という”幻想”が、夫婦のすれ違いの大元にあるんだよな、という考えが湧いてきた。

やっぱり人は根っこで、「誰かに自分を無条件に受け止めてほしい」という思いがある、ということを改めて思い出し、そのまま河合隼雄先生のおっしゃるグレートマザーを思い出した。

※グレートマザーとは、多くの人が無意識に持つ「母なるもの」のイメージです(ユング心理学の言葉で、私はそう理解しています)
※女性だけがもつ性質や女性に限る話ではありません

グレートマザーには以下の大きな2つの意味合いがある。

  • 全てを受け入れ、産み、育むという面

  • 子(相手)を束縛し、自分の元から離れるのを許さず、全てをのみこんでしまうという面

この2つからも、「自分のことを無条件にわかってもらえる」安心や信頼が感じられることは喜びだけど、それを求めすぎることには闇があると分かる。

こうやって地に足をつけて考えると、「自分のことを伝えなくても分かってもらえる」ことを相手に勝手に求めるのは、自分の幻想を人に押し付けている、ということも分かり、目が覚める思いがする。

夫婦関係に必要なもの

私は、こういうことを知識として知っているだけでも、夫婦関係は良くなると思っている。

「自分は無条件の信頼を求めているんだな」と自己理解ができるだけでも、自分を認めることができる。

そうすると、やみくもに求めていたものが何かが分かって、心が冷静というか、穏やかになれる。

すると、相手に「なんで認めてくれないの!」というセリフを言っていたとしてもその温度感や伝え方を、本当に自分が求めるものを得られる表現に変えていくことができる。

次第に、相手も”攻撃(と感じるもの)”から必要以上に身を守らなくて良くなるので、相手も変わっていったりする。

私にできること

だから、そのスタートとなる知識はすごく大事。

だけど、知識は知識。たくさんの人や物事の経験値を抽象化したものでしかない。

今の自分に必要な知識を見つけてきて、自分のために使う(知識を知った上で、自分に落とし込む)ことの方が、遥かに必要なことだと私は思っている。

ただ、特に悩んだとき。私たちは悩みを乗り越えるための必要な知識や、自分に使う方法を知らないとも思う。なぜなら、学校でも習わないし、親も教えてくれないから。

これが私が倒れてから約20年、キャリアコンサルタントになって15年くらい、人間を探求し続けた私が行きついた一つの答え。だから、私は人が悩んだときに必要な知識や、使い方を伝えたいと思っている。

必要な知識を自分に落とし込む(使えるようになる)と、何年もいた暗いトンネルの中から、光が見いだせるくらいの変化が訪れる。

そのすごさを感じているからこそ、私は1時間でもそれが体験できる自己理解のお手伝いをしているんだ、と改めて思った。

かなり嬉しい感想をもらえています。もう少しモニター価格を続けるので、よかったら、あなたが自分で悩みを解決するために役立つアイテムとして見てみてください。


2024年8月限定
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みお
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