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脊柱管狭窄症とは?やってはいけない姿勢や動作時の注意点を解説

脊柱管狭窄症は、年齢を重ねるにつれて発症リスクが高まる疾患です。
長年の負荷が積み重なり、脊柱管を狭くして神経を圧迫し、痛みやしびれが現れます。

苦痛により日常生活動作が制限されないように、脊柱管狭窄症の症状管理に必要な知識を覚えておくことが大切です。

この記事では、脊柱管狭窄症の症状や原因だけでなく、やってはいけない姿勢についても解説します。
痛みやしびれを抱えた生活に悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。

脊柱管狭窄症とは

脊柱管狭窄症は、首や背中・腰などにある神経の管が狭窄し、しびれや痛みを起こす疾患です。
悪化すると日常生活に支障をきたすため、以下3つの知識を持っておくことが大切です。

  1. 症状

  2. 原因

  3. 治療

それぞれ詳しくみていきましょう。

症状

脊柱管狭窄症の症状は多岐にわたり、日常生活に大きな影響を与えます。
症状は、以下のとおりです。

  • お尻や太もも裏・ふくらはぎのしびれや痛み

  • 足のしびれや灼熱感や締め付け感

  • 間欠性跛行

  • 四肢の運動障害

  • 筋力低下 など

間欠性跛行とは、少し歩くと足が痛くなったりしびれたりしても休むとまた歩けるようになる状態です。

脊柱管狭窄症に特徴的な症状で、歩くと脊柱管が狭窄して神経が圧迫されるため起こります。
しかし、前かがみでは軽減することから無理をしてしまい、重症化するケースも少なくありません。

病状が進行すると、排尿や排便に影響する可能性もでてきます。
痛みで日常生活に支障がある際は、一時的に改善することがあっても、整形外科を受診するようにしましょう。

原因

脊柱管狭窄症の主な原因は、加齢による影響です。
60代以降に多くみられるこの疾患は、年齢を重ねるにつれて脊柱管が慢性的かつ進行的に狭まることで発症します。

症状が起こる理由は、長年の負荷と加齢に伴う骨や靭帯の変形にあります。
腰椎に多い傾向にあるのは、仕事や日常生活の姿勢により負担がかかりやすい部位であるためです。

たとえば、日頃運動不足の場合は、体感の筋肉が弱くなり反り腰の姿勢になりやすい状態です。
脊柱管が、より狭くなる危険性は高いといえるでしょう。

重要な点は、日常的な負荷の積み重ねが発症の要因となり得ることです。
転倒などがきっかけとなり急激に悪化するケースもあるため、注意が必要です。

適度な運動で脊柱管を支える筋肉の強化と柔軟性を向上すれば、病状の悪化防止につながります。

治療法

脊柱管狭窄症の治療は、症状の程度や状態に応じて選択されます。
治療法は、以下のとおりです。

  • コルセット装着

  • 硬膜外ブロックや神経根ブロックなどの注射

  • 痛みや炎症を抑える薬の内服

  • 牽引・電気などの物理的治療

  • 手術 など

コルセットの装着や薬物療法など、症状の緩和を図る治療が目的となり、保存的治療に属します。
しかし、保存的治療で効果が得られない場合や神経症状の進行がみられる際は、手術療法が検討されます。

治療法の選択は病状の進行度や基礎疾患によって変わるため、医師と相談しながら、日常生活におけるベストな方法を探すことが重要です。

脊柱管狭窄症でやってはいけないこと

脊柱管狭窄症と診断された場合、日常生活においてやってはいけないことがあります。
以下2点について覚えておけば、症状管理につなげられるでしょう。

  1. 良くない姿勢

  2. 動作時の注意点

それぞれ詳しく解説します。

良くない姿勢

脊柱管狭窄症では、正しい姿勢を保つことが症状の管理に極めて重要です。
以下のような良くない姿勢によって、症状の悪化につながる恐れがあるためです。

  • 過度に腰を反る姿勢

  • 猫背や背中がもたれる姿勢

腰を反る姿勢は、背骨にずれが生じて脊柱管を狭めてしまいます。
神経をより強く圧迫してしまうため、注意が必要です。
同様に、猫背や背中がもたれる姿勢は背骨全体のバランスを崩します。

長期的には脊柱管狭窄症の悪化を招く可能性があります。
しかし、長時間正しい姿勢を保つには、お腹や腰回りの筋肉がないと維持できません。

同じ姿勢で長時間とらないように、定期的に立ち上がったりストレッチをしたりして、筋肉の緊張を和らげることが必要です。
脊柱管狭窄症の症状悪化を防げるように、正しい姿勢の維持と定期的な体勢変更を意識しましょう。

動作時の注意点

脊柱管狭窄症による症状の悪化を防ぐには、日常生活における動作時の意識が重要です。
とくに、腰への負担を軽減して脊柱管を狭めない姿勢の保持に努める必要があります。

不適切な動作は、脊柱管をさらに狭め神経への圧迫を増加させる恐れがあるためです。
動作時には、以下の注意点を意識しましょう。

  • 物をひろうときは反り腰に注意する

  • 高いところは踏み台を利用する

  • 椅子に座るときは深く腰掛けて、背もたれにしっかりと背中をつける

  • 床から物をもち上げるときは腰をおろす

  • 立位での作業時は片足を台に乗せる

  • 重いものは体に近づけて持ち腰に負担をかけない など

脊柱管狭窄症によるしびれや痛みの緩和には、前かがみの姿勢が効果的です。
自転車に乗るときは、前かがみになる分比較的痛みを感じにくくなります。

座るときは、坐骨に体重がしっかりと乗るように意識し、骨盤を適切な位置に保つことが重要です。
日常生活の中で、脊柱管狭窄症の症状管理を可能にできるよう、姿勢を意識して動くようにしましょう。

脊柱管狭窄症に有効なリハビリ

脊柱管狭窄症では、症状管理にリハビリが有効です。
腰や背筋群などの筋力を強化すれば、姿勢が矯正されるうえに筋緊張も緩和できるためです。

脊柱管狭窄症の症状管理に有効なリハビリとして、以下の3つを解説します。

  1. 腰回りの柔軟性を高める

  2. 股関節の柔軟性を高める

  3. 足先の血流を改善する

それぞれ詳しくみていきましょう。

痛みの強い場合には、無理なリハビリが症状の悪化につながります。
整形外科を受診して、リハビリが問題ないかを確認してから行うことが大切です。

脊柱管狭窄症の症状管理を目的として運動する際は、ウォーキングや水泳といった低負荷の運動がおすすめです。
緊張をほぐしながら筋力の低下を防ぐ意識で、無理なく実施してください。

腰回りの柔軟性を高める

脊柱管狭窄症は、普段から負荷がかかり続けている腰部に発症するケースが多い傾向にあります。
腰回りの柔軟性を高めれば、筋肉の緊張がほぐれて痛みの緩和につながります。

方法
仰向けに寝て、両膝を抱え込むように腰を曲げて20秒数える

無理して抱え込む必要はなく、軽く膝を持つ程度でもかまいません。
両膝を抱え込むときに痛みがあれば、中止してください。

気持ちいいと感じられる状態を意識し、リラックスしてゆっくりと呼吸することが大切です。
症状が落ち着いているようならば、腹筋も鍛えると効果的です。

腹筋によって正しい姿勢が保持できます。
柔軟性の向上と筋力強化が、脊柱管狭窄症の症状管理には大切です。

股関節の柔軟性を高める

股関節は、歩くときに大きな役割を担います。
関節が硬いと血流が悪くなるうえ転倒のリスクも高まるため、柔軟性を高めることが大切です。

方法
片足ずつ膝を抱えて30秒間伸ばす

股関節の柔軟性が高まり、脊柱管をひろげて筋肉の伸展に効果的です。
血流が良くなる分、痛みやしびれの軽減にもつながります。

お尻の筋肉がほぐれて足を大きく動かす力もつき、歩行する際の姿勢にも影響します。
高齢者は筋力の低下によって転倒する危険が高くなり、日頃から注意が必要です。

脊柱管狭窄症の症状管理だけでなく、今後のリスク低減を図る目的にもリハビリは有効といえるでしょう。

足先の血流を改善する

血のめぐりが悪いと手や足先が冷え、痛みやしびれに直結するため、血流改善は症状管理において重要です。

方法
寝たまま両足を伸ばして足先を左右にパタパタ動かす
足先を前後にパタパタ動かす

動作の際に、足先に意識を向けることはあまり多くないでしょう。
脊柱管狭窄症の人は、足の指が地面にしっかりついておらず、重心が安定しません。

腰や背中へ負担がかかる姿勢になってしまうため、足先へ意識を向ける点が重要です。
足指を1本ずつ伸ばす運動も効果があり、デスクワークの途中でも行えます。
できる範囲で少しずつ実施することが、症状の緩和につながります。

まとめ

脊柱管狭窄症は、痛みやしびれを伴い、重症化すれば日常生活動作を行えなくなる疾患です。
症状が出現したら、整形外科を受診しましょう。

日常生活の中で、できる範囲のリハビリをして、症状の管理に努めることが重要です。
体は長年の負荷に悲鳴を上げています。
無理をせずに、少しずつ姿勢矯正や運動を取り入れるようにしてください。

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