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小さくなった母の背中
近所に住む母を自宅に呼んで、一緒に夕食を食べました。
先日の蠍座新月のパワーウィッシュで、Keiko先生の例文の中に、「これまで私たちを愛し育ててくれた母によい思いをさせたい」というものがあったけれど、私は、別に母のことは書かなくてもいいかなぁ、と、その時は、ノートを閉じました。
わが家は、母子家庭ということもあり、母はとても私たち子供を愛し育て上げてくれました。
でも、ずっと息苦しさを感じ、大学で心理学を学んではじめて、その言葉にならない苦しさの一因を知り、20代半ばできっちりと「境界線」を引き、就職をいいきっかけにして家も出ました。
そこから付かず離れず、で数十年なんですけど、気を抜くと彼女はいとも簡単に「境界線」を超えて来ようとするので、その度に、きっちり「ここまで。これ以上は入ってくれるな」と伝えてきました。
時には、びしっと。
時には、優しい嘘をついて。
私は私の人生を生きると決めているので、親だからといって容赦はしない。
そんな母も80を越え、知人が詐欺に遭ったとか、相次ぐ押し込み強盗事件に不安の色が隠せない様子。
ちょっとは優しくしてやるか、と思い直し、朝起きて、まだパワーウィッシュ有効の時間だったので、結局
「母に親孝行を」的なことを書いたのです。
そして、ついつい夕食に誘っちゃいました。いつもは「お好み焼き」なんて重い食事は即断ってくるのに、今日は「一緒に食べたい」なんて。
1つはシーフード入り、1つは餅明太チーズで、どちらも母は「コレステロール値が上がる」と言って敬遠しているものだったのですが、美味しいといってペロリと食べて帰りました。
いつもの毒舌もなく。
ちょっと、調子狂うじゃないのぉ。
帰り道を送って行きましたが、幼い頃、いろんなものから私たち姉妹を守ってくれて大きく見えた母の背中が、丸く小さくなっちゃって。
ずっと続くわけじゃない。
限られた時間、後悔しないよう、優しく接することにしよう。