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嫌いなものを好きになる心理

好きだったのが嫌いになるといえば、誰しもあるでしょう。ブランドとか、遊び場とか、恋人とか……。

今日はその逆。嫌いだったのに好きになったものについて、分析してみようと思います。

その前に。私こと作曲ピアニストのmintは、優柔不断。他人に影響されやすいです。近しい女子高生ちゃんが「きら〜い」と言っているのを聞いて、大好きだったナッツ類が一切食べられなくなったことも……。

なので、一般論では全然ありませんので、悪しからず!


好きな人がそれを好きだった

’70年代にブレイクした”ラズベリーズ”というアメリカのバンドのファンだったので、ラズベリーが大好物。酸っぱいフルーツが好きじゃなかったことは忘れました。NYだといつでも生で食べられます。

それと、大嫌いだったクラシック音楽も、好きな男性がクラシックの演奏家だったので、好きになりました。

やかましいシンフォニーやオペラばかり大音量でかかっている家で育ち、「クラシック以外は音楽ではない」という父にポピュラー音楽を禁止されて……。

クラシックを憎んでいたのに、女心は現金なもの。現在、mintのアルバムはクラシックのレーベルからリリースされてるって、どういうことなんでしょう?!

関連のものに親しんだ影響で

アメリカの巨大きゅうり、渡米当時は食べられませんでした。まるでプラスティックを噛んでいるよう。日本のみずみずしく香り高いきゅうりと同じ名を名乗るとは、けしからん。

以前よくルームメイトとSubwayのサンドウィッチを買いに行っていて、彼女は「お野菜ぜんぶ入れ」とオーダー。私は「きゅうりだけ抜いてぜんぶ入れ」。

それがいつの間にか、お野菜で1番ぐらい好物に。サラダに入ってくると、真っ先に手づかみで食べちゃうほどです。

原因を探ると、昨年まで2年以上一時帰国している間に、悪いイメージがリセットされたよう。やっと戻れたNYの「この気候が好き!」と深呼吸したら、そこで育った朴訥きゅうりも愛しくなりました。今までゴメンね。

条件が変わって好感度が上がった

飲み会が苦手でした。学生時代はまだサワー類など飲みやすいお酒は一般的でなく、クラスの飲み会で出るのはビールとあまったるい日本酒。好みでないお酒は苦役でした。

バンド時代は練習やライブ後にメンバーと飲みに行ったけど、ビジネスミーティング寄りで、娯楽ではなかったです。

時代は変わり、子育てが一段落した頃にピアノを習い始めました。最初の発表会の打ち上げで、酒癖が良くない他クラスの男性たちに囲まれてしまい、飲み会イメージは更に下落。発表会の度に、打ち上げを断わる言い訳に四苦八苦していました。

ところがある冬、「クリスマスソングを作って、クリスマスパーティーで弾いてみない?」という先生からの提案に心が動きました。 

グランドピアノがあるレストランを借り切ってのパーティーなので、飲み会はセット。恐々出かけたところ、飲み上手なクラスメイトたちと飲み放題を満喫できて素敵なひとときでした。 
(その時に作った曲はこちら”Lonely White Christmas”)

これがきっかけで、クラス有志の飲みサークル誕生。神楽坂などのおしゃれでグルメなお店で、定期的に飲み会を開催していました。

渡米が決まった折には、銀座の日本酒バーで壮行会。「アメリカで辛いことがあったら、この美味しさを思い出して頑張って!」

はい! 今でもすごいエネルギー源になってます!

単に好みが変わった

餃子は何がお好みですか? mintは若い頃、揚げ餃子1択。焼き餃子は「まだ許せる」って感じでした。

前述のバンドのライブが横浜であった夜、マネージャーが「打ち上げに中華街に行こう」と言いました。美味しい餃子のお店があるから、って。

「わーい!」と喜んで行ってみたら、出てきたのは水餃子。明らかにトーンダウンした私にみんなが気づいて、「どうしたの?」と気遣ってくれましたが……。

「揚げか焼き餃子がよかったのに〜」とは言えませんでした。ただでさえワガママ女と思われていたので……。

それが今では、「揚げ」は勘弁。年齢のせいでしょう。アメリカで大人気のエア・フライヤーを導入し、油分控えめフライドポテトなどを自作しています。

チリ・オニオンフレーバーがお気に入り

あの頃の私が見たら、さぞトーンダウンするだろうな。

真価に気づいた

二十歳の記念に祖母が振袖を誂えてくれた時に思いました。「あーあ、これの代わりに、お洋服が20着ぐらい欲しかった」。

その後、女の子が生まれたので、ふと着付けを習ってみる気になりました。常々、折に触れ自分でサッと着物を着る母をカッコいいと思っていたので。

着付け練習会的な活動で、ママたちがお嬢さんの成人式の着付けを練習するのを見て、「私も」と目標が決まりました。

5年かけて練習を積んだ結果がこちらです。

祖母からいただいた私の振袖のお古です

娘の中学から大学にかけての卒業式や謝恩会には、ぜんぶ着物で参列しました。大汗をかいて二重太鼓(最高礼装帯結び)を結ぶ度、「盛装の意味は、晴れの日までをご指導くださった皆さまと運命とに敬意を払うため」と気づかされました。

NYにいるから余計に思います。高いドレスを買うお金があるなら、和服を買ったほうがバエるな。

まとめ〜人生が良くなる即効リスト

嫌いなものが好きになる代表といえば、うちの犬(2007年没)のケース。mintの夫は、娘のリクエストでしぶしぶ犬を飼ったものの、当初は「獣」と呼んで、室内で飼うことに反対していました。

mintが「駐車場で飼うなら、私も一緒に駐車場で寝る」と言ったので、仕方なく寝室階で飼うことは黙認。

その夫がいつのまにか、気がつくとリビングのちっちゃなソファーで犬とくっついているのです。娘がそれを見て、「1番嫌いだったのが、1番好きになっちゃった」。

犬種は、今朝のTVニュースで報道があった「行いが悪いワースト5」の2位、ビーグル。5千人の飼い主、250の犬種についての調査結果だそうです。(冒頭写真)。

全くその通り。食いしん坊できかん気で。とはいえ、なんで写真が1位のハスキーでなく、ビーグルなんでしょう? ひどいじゃないですか?!(やっぱりカワイイからでしょうか? 嬉しい!!)

お行儀のいい犬も飼いやすいでしょうけど……。目を離したスキに人のカフェラテを飲んでしまうイタズラ犬も楽しいもの。行いが悪いからって嫌ってたら、面白くありません。

嫌いなものが多いと、生きにくいです。例えば最初に書いたように、私はナッツが食べられません。トロピカル系のフルーツもダメなので、時々悲惨なことになります。

「わっ、美味しそう」と入ったお店で、買えるスイーツがひとつもないことがあるのです。

年齢を重ねると、セロリとか、ウドとか、香りの強いお野菜が食べられるようになったりしませんか? 私はパクチーがまるでダメだったのが、今では大好き。ココナツ味も食べられるようになり、ずいぶん助かっています。

たまには、嫌いから好きになったものを数えてみると、「人生、良くなってきてるな」と実感できるかもしれません!