たとえ明日がひっくり返ってもみんなドーナツだから大丈夫。

もし、

明日、

あなたの人生がまるっとひっくり返ったらどうしますか？

驚き、戸惑い、息が止まるような瞬間。

“え、まさか？”

“本当に？”

“嘘でしょ！”

でも、どうか安心してください。

もし、全てを失ったとしても——

あなたは生きていけます。

なぜなら、あなたはドーナツだから。

そう、あなたは柔らかくて丸くて、 時に凹みながらも凸がある。 甘く、優しく、誰かをほっとさせる存在。

人生がぐるりと回っても、 その形の中でどうにかこうにかやっていけるのです。

アリたちが女王を囲んでへこへこしたり、 羽をつけて空を舞ったり、 せっせと汗をかいて働くように、 人間だって寿命が尽きるその日まで、 色んな形で生き続けます。

裕福な人の心にだって、 影はある。

華やかな日々の裏側に、 孤独や恐れが隠れていることもある。

貧しい人だって、 カップヌードルをすすりながら、 意外なほど長命で、 時代を超えて未来を見届けるかもしれない。

味わうものが違うだけ。

有名なレジェンドも、 知られざる影を抱えている。

ニュースには出ない、 金で揉み消された真実もあるかもしれない。

それでも、人は彼らを羨む。 その輝きに目を奪われてしまう。

でもその数字や名声にしがみつくのは、 失う恐怖があるからかもしれない。

あなたが知らない部分、 見せない部分がある。

だから、そんなに驚かなくてもいい。

人間なんて、みんな同じ。

みんなドーナツ。

だって、トイレに行くでしょう？ トイレットペーパーをガラガラ。 歯磨きをして、グジュグジュペー。

あの人だって、今頃同じことをしてる。

生活が苦しくても、豊かでも、 その違いはただ、 見ている景色。

味わっている空間。

漂う部屋の匂い。

それだけです。

もし、明日がひっくり返ったら？

年収1000万円の人が無職になれば、 その落差に心が震えるでしょう。

でも、年収100万円の人が無職になっても、 その振れ幅は案外小さいかもしれない。

素敵な奥さんが急にいなくなったら、 それは胸を裂くような痛みでしょう。

でも、妄想の中だけにいた奥さんなら、 夢は味わえても、失う恐怖はない。

子どもがいれば、 無償の愛情が日々を彩る。

でも、いないなら、 自由と贅沢を手にすることができる。

どんな状況であっても、 人は強く生きていけるのです。

憧れのあの人も、 その裏側を知れば、 思ったよりあなたと変わらない。

味が違うだけ。

フレーバーが違うだけ。

でも、どのドーナツも美味しい。

だから、何も恐れることはない。

誰にわかってもらえなくても、 落ち込む必要はない。

もし、明日地球がひっくり返ったら？

あなたもぐるっと回転して、 またドーナツになって立ち上がるだけ。

それでいい。

それで十分なんです。