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韓国ドラマからみるキャラクターアーク (ミセン・梨泰院クラス・アルハンブラ宮殿の思い出)

脚本(シナリオ)の勉強をしていたのは20代の頃。
もう随分前のこと。
当時、青山にあるシナリオセンターに通っていた。

数ヶ月前、断捨離をしていたら当時書いていたシナリオが出てきた。

久々に読んでみて「なかなか悪くない」と思うものもあれば、恥ずかしくなるような稚拙なものもあった。いずれにしても、それらのシナリオには、当時考えていたことやその頃の「気分」が如実に現れていて、過去の自分を振り返る良い機会だった。

それと同時に、シナリオの基礎的なことを忘れてしまっていることに軽いショックを受けた。
シナリオを書いていたのはかなり昔のことなので、当然といえば当然なのだけど。


しかし、再びシナリオを書こうと思っている私としては、「ショックだった」では終われない。そこで、基礎的な復習のために手に取ったのがこの本。

キャラクターアークから作る物語創作再入門(K・M・ワイランド著)」


ここでは、本書に書かれている「キャラクターアーク」について、最近ハマっている韓国ドラマを例に考えてみたい。


1. キャラクターアークとは

さて、キャラクターアークとは何か。

本書では「キャラクターアークとは人物が辿る変化の軌跡」と位置付けている。

ちなみに、物語における人物の辿る軌跡は以下の通り。(本文より引用)

1.主人公がある状態で登場する
2.主人公が物語の中で何かを学ぶ
3.主人公が(おそらく)前よりもよりよい状況になる

当たり前といえば当たり前だが、主人公の変化こそが物語を作るのだ。


そして、キャラクターアークには3つパターンが存在することが説明される。
(以下、本文より引用)

1. ポジティブな変化のアーク(ポジティブなアーク)
何かに対して不満や否定的な考えを描く主人公が困難に出会い、自分の中のネガティブな側面を克服。(中略)主人公がポジティブな変化を遂げ、ストーリーが終わります。
2. フラットなアーク
初めから主人公のあり方がほぼ完成されているアーク。(中略)アークはフラット(平坦)であり固定的。むしろヒーローに触発された脇役たちが成長し、周囲をとりまく世界が変化します。
3. ネガティブな変化のアーク(ネガティブなアーク)
基本的には「ポジティブなアークの逆」で人物が転落します。(中略)ネガティブなアークの人物は最初よりも悪い状態になって終わります。





また、ストーリーについては以下のように説明されている。(以下、本文より引用)

ストーリーは三つの幕に分けられる。
(1)ヒーローが行動を決意する(2)その行動をする(3)行動の結果がでる
の三段階だ(「神話の法則」クリストファー・ボグラー)


シナリオを書くにあたり、(1)の「ヒーローが行動を決意する」部分を軽く考えてはいけない。これもかつてシナリオセンターで学んだこと。
物語の序盤であるこの部分で「舞台設定」を完了させなければならず、その為にもキャラクター設定、キャラクターアークのスタートを速やかに行う必要があるからだ。つまりは、この「舞台設定」が物語の行く末を左右する。


と言うことで、これら3つのアークに対し、今年鑑賞した以下のドラマを例として選び、これらの物語の最初の一幕(三幕の最初の幕)にあたる舞台設定について分析してみようと思う。

ポジティブなアーク=「ミセン-未生」
フラットなアーク=「梨泰院クラス」
ネガティブなアーク=「アルハンブラ宮殿の思い出」

(以下、それぞれのドラマのストーリーに言及していますので、ご注意ください)



2. 「ミセン-未生」からみるポジティブなアーク

「ポジティブなアーク」において、必要な要素として本書で挙げられているのがこの5つ。(以下、本文より引用)

1.人物が信じ込んでいる「嘘」(その裏には「真実」が存在する)
 →【1. 嘘】
2.人物の「WANT」と「NEED」(「表面的な欲望」と「本当に必要なもの」)
 →【2. WANT】【2. NEED】
3.人物の「ゴースト」(主人公の暗い過去)
 →【3. ゴースト】
4.人物の特徴が現れる瞬間(主人公を観る側に印象付ける最初のチャンス)
 →【4. 人物の特徴が現れる瞬間】
5.「普通の世界」(物語の始まりにおける舞台であり、主人公にとって日常)
 →【5. 普通の世界】

*以下【】内の表記で記載


これらは、物語を進めるためにも、また、主人公を魅力的なキャラクターにするためにも必要不可欠な要素だ。そしてここに挙げられた要素の多くは他のアークでも必要とされるものだ。



さて、「ポジティブなアーク」として分析するドラマ「ミセン-未完」は囲碁のプロ棋士になること諦めた主人公チャン・グレが、失敗を繰り返しながらも会社員として成長していく姿を描く物語だ。


まずは、ポジティブに変化する「前の状態」、すなわちチャン・グレの【5. 普通の世界】がどんな世界であるか確認する。(ポジティブなアークの主人公が抱える「困難や否定的な考え」も含む)

▪︎プロ棋士になることを諦めアルバイトを掛け持ちして生活している
▪︎棋院研究生時代のコネで大手総合商社のインターンとして採用されることになる(同期は皆、熾烈な争いを経てインターンの座を勝ち取っている)
▪︎最終学歴は高校認定試験による高卒(エリートが集まる大手総合商社では彼の学歴は周囲と比べて大きく見劣りする)
▪︎会社員としてのスキルが皆無(26歳になるまで経歴らしきものが何もない)
▪︎自分に自信がない


思慮深く、口下手なチャン・グレは、自分の考えや気持ちを表現する術を知らない。そのことで、彼は周りから軽く扱われ、またバカにされている。

そんな彼が信じている【1. 嘘】は、「自分は何もできない。自分の努力が足りないから物事がうまくいかない」ということ。

彼は家庭の事情から囲碁だけに集中できず、アルバイトをしながら棋院研究生として囲碁の腕を磨いていた。そしてプロ試験に落ち続ける。

彼がプロになれなかったことは恵まれない環境のせいでもあるのだが、彼はそうは考えていない。原因はひとえに自分の努力不足であると思い込んでいる。つまり、自己肯定感が極めて低い。


【1. 嘘】【2. WANT】と【2. NEED】の相違を生む。
チャン・グレが欲する表面的なゴールであり解決したい【2. WANT】「正社員になりたい」「自分の居場所が欲しい」ということ。会社の同期たちが持っているもの(学歴やスキル)がないチャン・グレには居場所がなく、それが彼を萎縮させている。

だが、彼にとって本当に必要なもの、つまりは真実【2. NEED】「自分に自信を持って前に進むこと」だ。チャン・グレは失敗を繰り返し、葛藤し、経験を積み、徐々に前に進んでいく。
その過程では、彼が幼い頃から囲碁によって培ってきた緻密な戦略的思考や洞察力、勝負師的な性質が役に立つ。そう、彼は「何もできない男」ではないのだ。
そして、最終的では自分の【2. NEED】が何であるのかを知る。


物語の枷でもある【3. ゴースト】は、「才能があったにも関わらず、プロ棋士への道を挫折したこと」。このことがチャン・グレの自己肯定感を毀損しており、彼はなかなか自分の殻から抜け出せない。

さて、チャン・グレにとっての【4. 人物の特徴が現れる瞬間】は、同期全員が工場で作業を任された際、自分だけ上司からの指示(作業中止で撤収になったこと)を知らされず、置き去りにされた事件に端を発する。その事件に対しチャン・グレが「片をつける」と固く決意した時がまさにその瞬間。

これによって、チャン・グレの芯の強さや意志が明確に視聴者に提示された。しかし、彼はここでも【1. 嘘】を頑なに信じている。つまりは、キャラクターアークのセオリー通り。

僕が必死だって? いや、これは手を抜いた結果だ
僕は手を抜いたから捨てられたんだ


彼の信じる【1. 嘘】は、決して彼を甘やかさない。
それはある意味彼にとって良い影響をもたらした。チャン・グレの「必死さ」が会社の同僚の心を動かしたのだ。あとは彼が本当に必要なこと、【2. NEED】「自分に自信を持って前に進むこと」を自覚すればいい。


ちなみに、このドラマでは「変化後の主人公」が活躍する場面で始まる。
その後、場面は数年前に戻り、冒頭の状況に至るまでのチャン・グレの軌跡を辿る。
なので、ラストシーンで再び冒頭のシーンの続きが描かれるスタイル。
シナリオでいうところの「サンドイッチ型」の構成だ。

物語が「変化を観せるもの」であるならば、オープニングとラストにおける主人公の変化の度合いは物語のカギであるはず。

「ミセン-未生」では、物語の初めにそのカギ、「主人公の変化の大きさ」を視聴者に提示している。
つまり、視聴者は、冒頭に颯爽と現れる成功した(であろう)主人公を知っている。なので、不器用な新入社員であるチャン・グレに大きな変化が訪れることを前提に、彼に降りかかる困難や葛藤を安心して鑑賞、そして共感できるのだと思う。


もうひとつ、このドラマでは冒頭で、伝えたいテーマを明確に提示している。
それは、主人公チャン・グレのナレーションで紹介される。

道というのは歩くのではなく、前に進むためにある
前に進めない道は道ではない

道は皆に開かれているが 皆が持てるわけではない


この言葉は劇中繰り返し呟かれる。つまりはチャン・グレの心の声。
初めは彼が自身に言い聞かせていた言葉だが、ラストでは彼にとっての確信となり、信念になっている。
つまり、彼は無事にゴールを達成し、また、更に前進していくことを示唆しながらラストを迎えるという展開。

「ミセン-未生」は典型的な主人公の成長物語であり、チャン・グレの変化の大きさがそれを物語る。
まさに「ポジティブなアーク」を体現している物語だと言える。



3.「梨泰院クラス」からみるフラットなアーク

「フラットなアーク」として真っ先に思い浮かんだのが、今年大ヒットした「梨泰院クラス」だ。

このアークでは主人公は変化しない。
その観点において、物語の最初から最後まで自分の信念を貫く主人公パク・セロイは間違いなく「フラットなアーク」の代表格だ。

この「フラットなアーク」では、「ポジティブなアーク」で示した【1. 嘘】の代わりに「真実」が要素として必須となる。

主人公は自分の中に真実を既に持っており、それを守るために戦い、葛藤する。これが「フラットなアーク」の特徴であり核となる。
そして真実を手にしている主人公が、世界や周囲の人々を変えていく。
つまり変化は主人公ではなく周囲に起きるのだ。

また、「フラットなアーク」での【5. 普通の世界】は、主人公の真実が現れている世界だ。その世界を、「嘘の世界」の何者かに破壊された主人公が、【5. 普通の世界】を取り戻すために戦う。


実際に「梨泰院クラス」でも同じことが起きている。
パク・セロイの「真実」「人と信頼が何よりも大切」「自分の信念を曲げない」ということ。

確固たる信念を持つ、パク・セロイに惹かれるチョ・イソやオ・スアはもちろん、パク・セロイと共に居酒屋「パンダム」を大きくしていく仲間たちも、パク・セロイの揺るぎない信念に影響を受け、それぞれが成長していく。

一方で、パク・セロイの仇役「チャン・デヒ」はどうか。
権威主義者であることを自負しているチャン・デヒは「信念とか気合という言葉は、弱者の強がりにすぎない」とパク・セロイの「真実」を切り捨てる。

言い換えれば、これこそがチャン・デヒが信じている【1. 嘘】であり、彼はこれを最後まで貫いたことで、パク・セロイに敗北することになる。(後で紹介する【1. 嘘】に執着し転落する「ネガティブなアーク」の典型的パターン)

そして、パク・セロイにとってはチャン・デヒこそが彼の信じる「真実」の真逆にある「嘘の世界」の象徴。

パク・セロイは、父親との穏やかで嘘のない世界(【5. 普通の世界】)をチャン・デヒに壊された。彼はチャン・デヒによる「嘘の世界」を破壊するために(復讐するために)、戦いに挑むのだ。


ところで、【4. 人物の特徴が現れる瞬間】はどのアークでも同様な働きをする。

ちなみに「梨泰院クラス」の場合、【4. 人物の特徴が現れる瞬間】が非常に明確だ。

それは高校生のパク・セロイが、転校初日に同級生をいじめるチャン・グンウォンを殴ったことで、「謝る」か「退学する」かを迫られる場面。彼は謝ることを拒否し退学になる。おまけに罪のない父まで長年勤めた「長家」を退職に追い込まれる。

この場面で、パク・セロイがどんな信念を持ち、どのような人間であるかがしっかりと視聴者に伝わる。

本書には「フラットなアークは英雄的な人物を描くときに多くみられる」とあるが、正に、周囲を変革していくパク・セロイは英雄的存在だ。
「周囲を巻き込みながら自分の真実の世界を築き上げる(あるいは守る)」というストーリーに視聴者は心を動かされるのだ。


余談だが、「ポジティブなアーク」で紹介した「ミセン-未生」主人公チャン・グレにも「フラットなアーク」的な一面がある。

囲碁の世界で培った彼の基礎的人格の中には確固たる部分があり、企業社会の中で自分の【1. 嘘】の中に埋没している周囲の仲間たちの意識や考え方を変化させ、成長させることに貢献している。つまり、「ポジティブなアーク」であった彼は、成長の過程で「フラットなアーク」としての力を発揮する力を得たということなのだと思う。


4.「アルハンブラ宮殿の思い出」からみるネガティブなアーク

「ネガティブなアーク」はシナリオを書く難易度が一番高いアークだと思う。
分析する方も然りだ。

「ネガティブなアーク」とは、物語の始まりよりも更に悪い状況に落ちていくパターン。先に挙げた2つのアークに比べてバリュエーションが多いのが特徴だ。

まずは「ネガティブなアーク」の3つのバリュエーションについて本文より引用する。

1. 失望のアーク
【1. 嘘】を信じる→【1. 嘘】を克服する→悲劇的な「真実」を知る
(「真実」を理解するが、主人公が思うほど「真実」は素晴らしいものではない)

2. 転落のアーク
【1. 嘘】を信じる→【1. 嘘】に執着する→新しい「真実」を拒否する→ますます【1. 嘘】を信じ込む/さらにひどい「嘘」を信じる
(「真実」を選ぶ機会をことごとく拒否し、自らの罪へと落ちていく。たいてい、他の人も巻き込む)

3. 腐敗のアーク

「真実」を知る→「真実」を拒否する→【1. 嘘】を受け入れる
(「真実」を尊ぶ人物が「嘘」に引き込まれるアーク)


「アルハンブラ宮殿の思い出」「転落のアーク」に該当すると思っている。(ピッタリとは当てはまらないが)

急成長した投資会社の創立者であり、また代表でもある主人公ユ・ジヌは、妻と略奪婚した親友チェ・ヒョンソクと競合するARゲームの権利購入のために奔走する。彼の中に潜むヒョンソクへの復讐心は冷静な判断の妨げとなり、結果として不幸を招く。そして、ユ・ジヌはこのゲームに関わったことで転落の人生を歩むことになる。


ユ・ジヌの【5. 普通の世界】は、以下の通り。

▪︎自身が創立した会社は順調で新しい製品の発表で注目を集めている
▪︎地位、資産があり、野心的で自信家。恵まれたルックス
▪︎私生活は幸せとは言えないが仕事の成功がそれを補っている(と本人は思いたい)



彼の【1. 嘘】は、「人生で一番大切なものは会社と仕事である」と思っていること。その裏側にある「真実」「人を信じる(頼る)こと」「会社を手放してでも、生き抜くこと」。なぜならそれが唯一、ユ・ジヌを苦しみから解放する方法だから。

そして、彼が欲する表面的なゴール【2. WANT】「セジュの開発したゲームで会社に利益をもたらすこと」「ヒョンソクを見返すこと」。一方で、彼にとって本当に必要なもの【2. NEED】「真実」と同じく「人を信じる(頼る)こと」「会社を手放してでも、生き抜くこと」

【3. ゴースト】は、もちろん「ヒョンソクとの確執」
つまり、「妻を取られたこと」「共に設立した会社でありながら、袂を分けたこと」だ。

ユ・ジヌが坂道を転げ落ちるがごとく転落していく理由は、【1. 嘘】「自分の人生で一番大切なものは会社と仕事」に執着したことが原因。

現実世界とARゲームの世界が交錯し、繰り返し現れる死んだはずのヒョンソクの姿に怯えるユ・ジヌ。しかし彼は、最後まで自主的にゲームのサーバーを止めることをしなかった。なぜなら、ゲームの開発を止めることは会社の死を意味し、それは【1. 嘘】を信じるユ・ジヌにとっては致命的だったから。

彼は、【1. 嘘】を信じることをやめず、その【1. 嘘】にすがった。そして、ヒョンソクと戦うべく、また、ゲーム開発者を見つけ出しゲーム内で起きる摩訶不思議な現象の理由を探るべく、自分が力をつけて(ゲーム内でのレベルを上げて)、ゲームの世界で戦う道を選ぶ。
結局は、この「会社への執着」が彼を追い込み、彼の人生を転落させた。


さて、「アルハンブラ宮殿の思い出」の場合、【4. 人物の特徴が現れる瞬間】がいまひとつパッとしない(というか、わかりにくい)。

強いて言えば、スペインのホステルで、セジュの姉であり、後に自分を支えてくれるヒジュを怒鳴りつける場面だろうか。(仕事が最優先でそれを邪魔するものには容赦ないところとか)

実際に、ユ・ジヌという人物のアークは、わかりにくいところがある。
それは、【4. 人物の特徴が現れる瞬間】のインパクトの弱さみたいなものが影響しているのではないかと、個人的には考えている。



5. 最後に

3つのドラマについて、アーク別に物語の第一幕である「舞台設定」の解釈(分析)をしてみた。

結果、キャラクターアークがはっきりしている作品は、視聴者が感情移入しやすい物語になるのだということが理解できたような気がする。
また、ひとつの物語に異なるアークの登場人物がいることで、人間模様に深みが出ることも感覚的に掴めたのは収穫。

次は、一つのドラマを通しで(三幕すべて)分析してみようと思う。

(この分析は私の勝手解釈であることをご了承ください。)


トップ画像:キャラクターアークから作る物語創作再入門
      K・M・ワイランド著/シカ・マッケンジー訳
      フィルムアート社

*三作品の感想書いてます。




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