【読書エッセイ】想像力の乏しい私の読書と映画鑑賞『ペンギン・ハイウェイ』
これは、今日1日を振り返る日記のようなものだ。
読んだのは『ペンギン・ハイウェイ』。すでに多くの感想や解説が出回っている作品なので、改めて深掘りする必要はないけれど、やっぱりオススメしたい。
今日は朝から「読書の日」と決め、積んでおいた『ペンギン・ハイウェイ』にやっと手をつけた。
森見登美彦先生の作品は、『夜は短し歩けよ乙女』、『四畳半神話大系』、『太陽の塔』、そして『新訳 走れメロス他四篇』に続いて、これが5作目だ。
どの作品も面白いけれど、想像を超えるような出来事が多くて、脳内はしょっちゅう「???」だらけ。それでも面白く感じるのは、やっぱりセリフのやり取りだ。もちろん設定も秀逸なんだけど、特にセリフのテンポが好きだ。
今回の『ペンギン・ハイウェイ』も非常に面白かった。
突如、町にペンギンが現れるというストーリーだが、その背後には小学生アオヤマくんの成長と甘酸っぱい恋愛が描かれている。しかし、SF要素が強く、特にペンギンの現れ方などは、頭の中でうまく再生できない部分もあったけれど、それでもめちゃくちゃ面白くて、夢中になってしまった。
アオヤマくんが「お姉さん」に恋をする様子を見ていると、自分も一緒にドキドキしてしまう。
特に好きなセリフのやり取りは、アオヤマくんが自慢げに覚えたての英語「ぐんない」をお姉さんに言った後、お姉さんが「まだ夜じゃないよ」と返すシーンだ。
それにしても、みんなはこの『ペンギン・ハイウェイ』の世界をどうやって頭の中に描いているのだろう…そんなことを考えながらぼんやりページをめくっていた。
以前も書いたが、読書しながら別な事を考えてしまうので、時間は掛かったがセリフのやり取りの面白さに引き込まれた。想像が追いつかない部分はあったけれど、物語に引き込まれて気づけば一気に最後まで読んでしまった。
どうしてもペンギンの出現シーンや〈海〉の映像が頭の中で浮かばない部分を確認したくて、アニメ映画があることを思い出し、amazon primeで観てみることにした。
映画も、とても良かった。ペンギンの姿がとても可愛らしく、どうやって彼らが現れるのかが「なるほど」と納得できた。
お姉さんとアオヤマくんのやり取りも、2人の表情がよりドキドキ感を引き立てていた。
好きだったセリフがカットされていたのは残念だったけれど、私が理解できなかった部分を映画がしっかり補完してくれた。映画単体として観ても、十分に面白かった。
「お姉さん」役の蒼井優さんの声がイメージ通りの「お姉さん」で特に良かった。そして主題歌が宇多田ヒカルさんの「Good Night」ってところが、グッと来た!
映画を観た後、本を再読すると、頭の中で映像が自然と浮かんできて、読み進めるのがとてもスムーズになった。
さて、そろそろ締めの時間だ。映画の中でアオヤマくんが自慢げに言ったあのセリフを借りて…
「ぐんない」
読んでくださった皆さんへ!
最後までお読みいただき、ありがとうございます。
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『苦手でも読書を楽しむ者』
ミノキシジルでした。