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【読書エッセイ】まるちゃんは裏切らない『たいのおかしら』

2024年12月30日(月)。年の瀬の今日、仕事はお休み。しかし、今日休むとしばらく休みがない。次の休みは一週間以上先の2025年1月8日……。
この貴重な休日、何をして過ごすかがとても大事である。

朝のうちに、ご飯の支度、買い物、洗濯、掃除をすべて済ませた。加湿器のフィルター掃除ランプが点いていたので、クエン酸清掃もした。(風邪は乾燥から!加湿の話はいずれしたいと思う。)
冬休み中の子供たちは、好き勝手にゲームをしたり動画を観たりしている。

やるべきことはすべて片付けた。あとは自由だが───今日は家でのんびり本を読みたい気分だ。買ったまま読まずに積んである本が数冊ある。ということで、見もしないテレビを掛け流しながら本を手に取る。

選んだのは、さくらももこ先生のエッセイ『たいのおかしら』である。エッセイ初期3部作の3作目で、前作『もものかんづめ』『さるのこしかけ』はすでに読了済み。さらに友人から借りた『ももこの話』も読んだことがある。どれも日常を面白おかしく切り取った作品で、今回も間違いなく楽しませてくれると確信していた。
様々なエッセイが23編。あらすじだけですでに楽しそうだったが、予想通り面白かった!

虫歯治療用の笑気ガスがもらたした、とんでもない幻想。朝から晩まで台所の床に寝そべり続けて、親を泣かせた中学生時代。はじめて明かされる、たよりなく取り柄もないが憎めない男・父ヒロシの半生‥‥‥。日常のなかで出会うトホホな出来事や懐かしい思い出がつまった、爆笑エッセイ。

さくらももこ『たいのおかしら』文庫本裏あらすじより

1番最初のエッセイ『歯医者に行く』では、いい大人のさくらももこさんが歯医者を怖がり、笑気ガスを吸って治療を受ける。そもそもそんなガスがあることすら初めて知った。ガスを吸って頭がボンヤリし、「もう、どうでもいいや」となる様子が、なんとも興味深い。そして治療中に脳内で繰り広げられる幻想──とにかく人として面白い。
他にも楽しいエッセイが満載で、どれも期待を裏切らなかった。

相変わらず読書は苦手なのだが、さくらももこ先生のエッセイはスラスラ読める。それは頭の中に『ちびまる子ちゃん』が浮かぶからだ。子供の頃の話も、大人になってからの話も、すべてが『ちびまる子ちゃん』として脳内再生される。登場人物たちもあのアニメのキャラクターや背景で自然に浮かび上がってくるから、苦にならない。
そしてふと思った。他の本もこんなふうにキャラクターが頭に浮かべば、もっとスラスラ読めるのだろうか……。
いや、そのキャラクターを作るところから始めなければならないのだから、やはり無理だな。


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『いずれさくらももこ先生のエッセイを全部読みたい者』
ミノキシジルでした。

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