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東京オリンピック。その後。

久しぶりのnoteです。
1年遅れとなった2020東京オリンピックが、閉幕しました。

誰もが想定していなかったコロナ禍の中で行われた東京オリンピック。
開催是非を巡って、賛否両論がありました。未曽有の状況下での実施、最も残念だったのは、日本のリーダーシップの脆弱さ。残念ながらそのアキレス腱を露呈してしまったことではないでしょうか。

でも、それを救ってくれたのは、アスリートの人たちの輝きだったと思います。純粋に自分たちのやるべきことに集中し、そこに全霊を注ぎ込んでいる姿、そしてすべてのアスリートが感謝の気持ちを口にする。アスリートの皆さんの心に一点の曇りもないことが、人の心を動かしたのではないでしょうか。

最も貴重な外国人との交流機会が失われた

でも、僕には、もっと残念だったことがあります。
それは、コロナ禍で海外からの観光客が来れず、日本人の外国人との交流機会が失われてしまったことです。

コロナ禍がなければ、多くの外国人が訪れるはずだった東京。そして日本。多くの外国人が日本の良さを感じ、改めて日本の素晴らしさを世界にアピールできる絶好の機会だったはず。日本人にとっては、外国人との交流の絶好の機会をとなるはずでした。

以前ベトナムに採用活動で訪問した時。現地のベトナム人の大学生に「日本の大学に興味あるか?」と聞いたら、笑って「ないよ。だって、日本の大学はみんな遊んでるんだろ?勉強ができる大学院なら興味があるけれど」と言われました。現地で大学生のビジネスコンテストに参加させていただきましたが、全員が英語でプレゼンしている。現地で僕をアテンドしてくれたのは小学4年生の子。今ベトナムでは幼稚園から英語を学んでいて、その子は学んできたことを話すチャンスと自らアテンドを買って出たそうです。ASEANでは日本は先進国だと思っていましたが、もはや数年後には明らかに追い抜かれるのは必至です(いや、すでにASEANでは日本は英語後進国です)。

今の日本人には、その危機感すら感じない。

そんな日本の土壌を作ってきてしまったのは、間違いなく大人の責任です。大人の一人として、責任を感じます。

井の中の蛙の日本を変えられる唯一ともいえる機会の東京オリンピック。多くの外国人と交流することで、日本人が英語や外国語に触れることで、若者が触発されてくれればいい。そう思って数年前から教鞭をとっている学生たちには「東京オリンピックは多くの外国人に触れる最後のチャンスと言ってもいい。ボランティアでもなんでもいいから絶対にコミュニケーションを取ること」と伝え続けていました。

でも、その願いは叶わず、オリンピックは終わりました。

僕は、未来の日本を見て見ぬふりはできない

日本はこれから、世界でも未曽有の労働人口不足に直面します。

日本では約6,800万人の労働力がありますが、これから先の30年で、その1/3の労働人口が減ってしまうと言われています。でも、この状況を想像できるでしょうか?

今の日本の人口は、毎年鳥取県1つがなくなるくらいの急速な人口減が進んでいます。労働力を確保するか、一人当たりの生産性を上げていかないと、今と同じような暮らしは手に入らなくなるわけです。

僕は現在53歳。
20年後には労働人口から外れてしまいます。でも、こんな日本を作ってしまった大人の一人として、やるべきことはないのだろうか。
こんな未来の状況を見て見ぬふりは僕にはできません。

だから、企業人事としての役目を果たしつつ自分にできること、日本の明るい未来を創ること。こういうことには必ず手をかける。そう決めてやってきました。ファーストペンギンとして「マイクロ人事部長」というパラレルワーク(複業)を行ってきたのも、これからの未来の若者の時代には必要だと思って、人体実験だとやっていたわけです。

前倒しされてしまった「格差と分断」

2015年に発刊された、リクルートワークス研究所の「2025年 働くを再発明する時代がやってくる」。僕が想像した労働人口減の未来は、この報告書の中に記載されています。

人口減少にともない、人材は不足する。
人口減少にともない、雇用機会は喪失する。
実際はこれらが同時に起こる。ある仕事、ある企業、ある職種では、雇用が失われ、
ある仕事、ある企業、ある職種では、人材が不足する。
ある人は失職リスクにさらされ、ある人は人材争奪戦の渦中にいる。
このような、相反する現象が同時発生する。そんな2025年がやってくる。

本来、2025年に迎えるはずだったこの「格差」の状況が、コロナ禍により5年も早く到来してしまいました。

そしてコロナ禍は、この格差だけではなく、「分断」すら起こしてしまいました。

①コミュニケーションの「分断」

人と人との接触機会ができなくなり、全ての人が「コミュニケーションの分断」をまさに今経験しています。これほどまでに人と人との繋がりが大切だったのかとすべての人が感じているはずです。もちろん僕もそうです。

②強者と弱者の「格差と分断」

コロナ禍は、経済弱者を狙い撃ちにしています。コロナ禍でもほとんど生活が変わらない富裕層と、日々の生活すら厳しくなっている人たち。この「経済の格差と分断」を作り上げてしまいました。

③人の思考の「分断」

コロナ禍で、SNS等を通した他人の思考に対するネガティブワードも多くなってきていることを感じます。これまでになかった「価値の分断」「人の思考の分断」が進んでいるのを強く感じます。

これからの未来を考え、行動したい

今、このコロナ禍において、さまざまな人に、さまざまなネガティブワードが飛び交っています。僕自身も、これまでの政府のリーダーシップには不満だし、ありとあらゆるところで日本のリーダーシップに幻滅しています。

でも、それ以上に、さまざまなネガティブワードが並んでしまうネットやメディアにも、うんざりしています。

日本のリーダーシップの欠如、そしてこれほどまでに日本は危機対応に弱いのかと愕然としているのは、僕も全く同じです。

でも、今やらなければならないことは人の批判ではなく、これからの我々の日本の未来を考え、それぞれの人が少しでも明るい未来を創れるように、それぞれが努力することではないかと思っています。これこそが、コロナ禍で開催されたアスリートに学ぶべきことなのではないかと思うのです。

僕自身も、やりたいことは山ほどあるのですが、できないジレンマを抱えていることもあります。でも、今やるべきは「未来を創るために今できることを精一杯やること」だし、今の環境下でできないことでも「然るべき時が来た時に動けるように準備しておくこと」なのではないかと思っています。

今日より明日が、素晴らしい日になるように。


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髙橋実@マイクロ人事部長
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