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【寄稿】社会人スタートしてからやるべきこと~仕事がつまらないと感じた時は~(NIKKEI STYLE)

(本内容は日本経済新聞社運営のNIKKEI STYLE(旧日経カレッジカフェの「人事部の視点」)に寄稿したものです)

こんにちは。株式会社モザイクワーク取締役COOの髙橋実です。
組織変革が必要だけれど変革を進める人事責任者がいない企業で、「週1日出勤でフルパフォーマンスを出す人事部長(マイクロ人事部長)」として、複数の会社で人事の仕事に携わり「本気の複業」を行っています。

10月1日、晴れて内定式を迎えた人もいたと思います(台風で内定式のスケジュールがずれた人もいると思いますが)。どんな気持ちで内定式を迎えましたか?

さて、この時期、すでに内定が決まっている学生の方から、「残りの学生生活で何をすればいいですか」という質問をよくもらいます。こちらは、人事部長のひとりごと「学生のうちにどうしても学んでおきたいこと」、人事部の視点「入社までに準備しておくこと」、中澤二朗さんの「「初心」ノートに…差がつく3つの心がけ」、玉井亜以子さんの「居眠りは債務不履行!? 体内時計の調整を」などを参考にしてみてください。

学生のうちにやっておくことは大事なことなのですが、むしろ大変なのは入社して社会人生活をスタートしてから。やるべきことが変わり一気に環境が変化します。今回は、そんな「社会人がスタートしてからやるべきこと」に焦点を当ててお話をしたいと思います。

多くの仕事は「石の上にも三年」

最近、優秀な社会人1~2年目の方から「仕事がつまらなくて転職したい」という相談をよく受けます。特に、学生時代に頑張ってきた優秀な人からの相談が多いような気がします。

「今やっている仕事は、誰でもできる仕事なので、つまらない。」
「このままやっていても、将来のキャリアのためにならないと思う」。

そんな人に「今やりたいことはあるの?」と聞くと「ない」と答えます。だから将来のキャリアに不安があるので。転職して環境を変えたい、と悩んでいる人が多いと感じます。

じつは、企業の採用担当は、転職してくる応募者の履歴書を見て、「現職で三年頑張ってきたか」を見ています。それは、与えられた仕事が、苦しくても、辛くても、その中で「やり切るために努力をしてきたのか」というプロセスを見ているのです。つまらない仕事だから、やりたくない仕事だからではなく、どんな仕事でも、与えられた仕事を精一杯やっているのかを見ているのです。

「石の上にも三年」という言葉があります。環境が変わったら成果を上げるまでには時間がかかります。1年目は「仕事を覚える」。2年目は「慣れてやり方が分かる」。3年目に「ようやく成果が出る」。どんなに優秀な人でも、仕事で成果を上げられるためには、3年はかかるというのがセオリーです。

じゃあ「頑張ってきたけれどなかなか成果が出なかったら」どうするのか?
安心してください。企業の人事は多くの仕事の成果はなかなか出ない難しいことを知っています。成果という結果ではなく「成功、失敗に関わらずその結果が出るまでやり切ってきたかのプロセス」「そのプロセスでどのように頑張ってきたか」というのを見るのです。

だから、3年経たずに「転職したい」と言っている人は「結果が出る前に投げ出してしまった人」と映ってしまうことが多いのです。もちろん、自分自身では頑張ってきたということかもしれません。でも、評価されるのは「結果が出るまでやり切れるかどうか」ということなのです。これを意識せずに「つまらないから」という理由で転職する人は、結果的に自分自身の人材価値を下げてしまっていることに繋がってしまうのです。

与えられた仕事を「あなたにしかできない仕事」にしてみよう

それでも「今やっている仕事が面白いと思えない」と感じてしまうことも多くあるでしょう。つまらないことを続けるのは、とても辛いことですよね。そのような時に、一体どうしたらいいのでしょうか?

 一つ目は、今やっている「つまらない」と思っている仕事を「あなたにしかできない仕事」にすることです。

「仕事がつまらない」という方の多くは「自分がやっている仕事は誰でもできる仕事です」と言います。でも、まず大事なのは「誰でもできる仕事は完璧にこなす」ことなのではないでしょうか?そうすればその仕事は「あなたにしかできない仕事」になる。不思議なもので、そこまでできると新しい仕事がお願いされる。仕事が、仕事を呼んでくることになります。

二つ目は、「期限を決める」ことです。人間の多くの不安は「先が見えないこと」から来るのです。だから例えば「1年間は頑張ろう」とか、自分自身で期限を決めて、そこまではやり切ること。ゴールが決まっているわけですから、そこまでは開き直ってやればいいだけ。とてもシンプルになります。先が見えない仕事は辛いけれど、期限を決めていれば、頑張れることも多いはずです。

この二つを実行すれば「誰でもできると思われていたつまらない仕事を、1年間徹底的にやってみました。今まで誰も手をつけなかった点を改善することができました。」と言えるようになる。「結果が出るまでやり切った」ということになりますよね。

ただ、そうはいっても、一つだけ覚えておいてください。
「自分の心と身体に無理がでるほど、頑張らなくていい」ということを。
今の自分では、絶対にできないことはあります。それは、自分がもっと成長してからやればいいし、もしうまくいかなくても、キャリアではやり直しはききます。周囲の環境が非常に悪くて、自分では動かせないこともあるかもしれません。頑張れる自分でいるためには、心と身体が元気でいなければいけません。心と身体を壊してまでやる仕事はありません。もし頑張ったけれど無理だと思ったら、辞める勇気も必要な時はあります。

今内定をもらっている人の本当の社会人スタートは来年4月、入社して以降です。環境も変わるし、仕事で思い通りにいかないことも多いと思います。でも、仕事で辛くなった時、このコラムの内容を思い返して、「つまらない」というその時の感情だけで動くのでなく、自分のキャリアをしっかりと冷静に考えてもらえるヒントになればいいなと思います。

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髙橋実@マイクロ人事部長
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