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仕事を短時間で終わらせるのは悪なのか?

株式会社モザイクワーク 取締役COOの髙橋実です。
2019年、初めての投稿です。本年もどうぞよろしくお願いします。
昨年から始めた「本気の複業」も、2年目を迎えました。

「週1出勤で人事部長をやる」という働き方。「マイクロ人事部長」という、週1日ずつ複数の会社で人事責任者をやる。僕の仕事は、言ってみれば「組織クリエイティブディレクター」です。組織が変革しなければいけない時に、最適な形で組織をデザインする。その仕事は「フルタイムで出勤しないで、最大のパフォーマンスを出す」というもの。今の世の中の仕事のスタイルとは異なるけれど、でも、確実に世の中のニーズはある。それを確信した一年でした。

山ほど、得たものがあります。
昨年は”人体実験をやる”と公表している以上、これを皆さんにしっかりとお伝えしていかねばならないと思っています。今年は、僕自身がこの働き方を続けると同時に、しっかりとまとめて得たものをお伝えしていこうと思います。どうぞよろしくお願いします。

さて、今日、こんな記事を見つけました。

「仕事がダントツで速く、余った時間にゲームをしている社員がいるけれどクビにすべき」という質問。

その質問の答えの一つが、

「それはつまり、あなたは唯一仕事ができて、正直な従業員を解雇しようか悩んでいることになりますね。

おそらく他の従業員に助けは不要です。最も可能性が高いのは、他の従業員たちはその仕事の速い従業員よりも経験値が高く、仕事を短時間で終えたことを上司に知らせたら、余分な仕事を与えられるか、解雇される罰につながることを知っているだけなのです。そのため彼らは仕事が丸1日かかる「ふり」をしているのです

その仕事の速い従業員は1日の課題をしっかりと迅速に終わらせ、余分の時間が与えられています。それは彼が集中して速くこなすからです。いったいそれの何が悪いのですか?

余分な時間は、彼が効率良く働いたことで手にした正当な報酬です。それをあなたが取り上げるなら、それは経済的な報酬と交換しなければいけません。

彼が一定の仕事をして手にする報酬は決められていますが、さらに仕事を要求するなら相応の対価が必要です。

彼を解雇するとか、対価もなく追加の仕事を与えるなどの罰を与えるなら、それは彼に他の従業員と同じように1日中仕事している「ふり」をすることを教えることになります

じつはこれ、僕が「マイクロ人事部長」をやっていて、一番感じている「雇用」においての矛盾だと思っています。

僕が一昨年、新たなチャレンジの場所を求めて、転職活動をしていました。幸いにも4つの会社から「人事部長をやってくれないか」というお声がけをいただき、経営者の方とお話をさせていただきました。

じつは一昨年からモザイクワークのお仕事をやっていて、履歴書にもそう書いていたのですが、

経営者「当社にフルコミットしていただけますか?」
僕「もちろん。フルコミットしてがんばります」
経営者「では、モザイクワークは退職していただけますね」

こう言われました。

このやりとりに、とても違和感を覚えました。
「フルコミット=フルタイム勤務」ってことですか?

僕自身、ずっと「自身の生産性を上げる」というテーマで取り組んできて、ずっと「8時間の仕事が1時間でできるようになる」ということをテーマに仕事をしてきました。やるべきことをしっかりやって(いや、必要とされるパフォーマンス以上のものを出して)さらに自分の活動範囲を広げることができると確信できたので、メイン以外にも様々な仕事に取り組んできたのですが、その結果が出ているのに、このオファーは、受けるべきなのか。

考えた結果、すべてのオファーをお断りをしました。

そして、むしろ逆に「フルコミットの複業(パラレルワーク)を行う」(なので、「フルコミットする」「複業をする」という条件)で、仕事を選び、一年続けてきました。

一年やった結果(もちろん失敗もありましたが)、恐らく自分の人生の中で最も仕事をして、最も成果を挙げられた一年になりました。

でも、それを通して分かったこと。

「今の日本の働き方は、フルタイム勤務が前提になっている」というもの。
仕事のパフォーマンスより、「会社に毎日来ていること」が前提の考え方が大半であるということ(その会社にとって最大のパフォーマンスを出していたとしても)。

冒頭で紹介した記事。
仕事で最大級のパフォーマンスを出していても、その他の時間でさぼっていれば、クビにすることを考える経営がいる、ということ。

●その日の仕事が終わっても、会社にいなければいけない?(=8時間という就業時間のルールがあるから?でも、そのルールに、意味はあるのか?)
●出社して、顔を見れることに、意味がある?(=いるだけで安心?)
●仕事のパフォーマンスを出していても、出していなくて8時間真面目(なふりをして?)に出社している社員の方が、評価できる?

僕は、この考えが出てくる原因の一つは「メンバーシップ型雇用」であるとも思っています。

この「メンバーシップ型雇用」は、「やる仕事」ではなく「その人」に対しての雇用、つまり「就社すること(not 「この仕事の成果を出す」)」という考え方に立脚している雇用形態になっていることだと言うことです。

しかもそれは「フルタイムで毎日8時間(以上)働くこと」が一番の前提になっていて、それができない人は、例えフルタイムで働く人よりパフォーマンスを出していたとしても、評価がマイナスになってしまう。こうなってしまうのです(評価する側の「意識」「価値観」に立脚するので、得てしてこの問題は感情論に発展する)。

「フルタイムで毎日8時間以上働ける人(not パフォーマンス)」が前提になっていると、当然ワーキングマザー等の時短で働く人は、存在だけでマイナス評価になるし、条件に「オフィスで働くこと(そこにいること)」が加われば、リモートワークはマイナスにしかならない。時間で評価している以上、「残業をたくさんした人」が、パフォーマンスを出した人より評価されるのは当然で、これでは、働き方改革とか言っても、ちゃんちゃらおかしいですよね(笑)

もちろん、メンバーシップ型雇用が、全て悪いわけではありません。
「その人を雇用すること」が前提になるので、だからこそ企業内育成があるわけだし、これまでの日本を支えてきた永年雇用(雇用される安心)も提供できてきました。なので、決してすべてを否定するわけではありません。

ただ、時代はこれだけ変わって、働き方の価値観も多様化した今、昔ながらの仕組みにのみ固執するのはもう限界を迎えている。自分自身が1年やってきたからこそ、改めて感じます。

じゃあ、どう変えていけばいいのだろうか。
その答えは、まだまだ自分の中でも見いだせていないし、これからも解決策を探求し続けないといけない。これからの未来の日本の雇用の在り方を作らなければならない。そのために、今年も「本気の複業」「マイクロ人事部長」を続けていきたいと思っています。

さて、みなさんはどう考えますか?
是非忌憚ない意見をいただければと思います。

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髙橋実@マイクロ人事部長
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