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足立実の『ひと言』第2回 「足を職場に 団結の方法」 1983年7月10日
組合内外の仲間との矛盾の解決には、「団結の願いから出発し、卒直に物を言い、謙虚に反省し、更に団結を強める」という方法を、まじめに実行する必要があると思う。
なぜ団結の願いが出発か?私たち労働者が地位と生活を守る武器は、多数が団結し強力な力になる事以外にない。だから動機は団結のためであって、仲間をやっつけることではないはずである。
なぜ卒直に物を言うのか?黙っていたり、陰口を叩けば問題をこじらすだけで、誠実な態度とはいえない。公明正大に物を言うことが、問題解決の糸口である。
なぜ謙虚な反省か? 自分の欠点を話せば、相手も自らの欠点を話しやすくなり、お互いの長所が見えてくる。 問題解決の良い条件ができる。以上の方法を守れば、更に団結を強め、労働者の敵を打ち敗かして、労働者の地位と生活を守ることができ、この方法に反すれば団結を損ない、労働者の利益を害する。
(画像は日本国憲法第28条の条文)
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日本国憲法の第二十八条にはこうある。
「勤労者の団結する権利及び団体交渉その他の団体行動をする権利は、これを保障する」
これは労働者の団結権、団体交渉権、団体行動権を認めた憲法の規定である。
団結権とは、労働組合を結成する権利である。労使関係において立場の弱い労働者が、団結することで自分たちに有利な労働条件を確保することを目指すためにこの権利は定められている。
しかし、これもただ憲法に書いてあるだけでは画餅(がへい)に過ぎない。
筆者が言うように「私たち労働者が地位と生活を守る武器は、多数が団結し強力な力になる事以外にない」のだから、主体的にこの「団結権」を行使せねばならない。
しかし、現状においては労働組合の組織率は低迷の一途を辿っている。
労働者自らが「団結権」を放棄しているのだ。
労働者の権利は「団結」よってのみ守られる。それを肝に銘じなければなるまい。