名古屋育ちのサラリーマンが農家になるまで~安定収入×やりたいことで自分らしいライフスタイルをつくる方法
はじめまして!小西トマト農園です。
私達は2022年に愛知県設楽町(したらちょう)で農家になった夫婦です。農家になりたい方、田舎暮らしをしたい方、新規就農者の方に役立つ情報をお届けできたらと発信しています。
今回は、我が園主がトマト農家になるまでのエピソードと農家仲間の募集についてをインタビュー風にまとめました。
ぜひ、おつきあいくださいませ。
サラリーマンが愛知の山の上の農家になるまで
ライフスタイルを自分で選べる人生にしたい
大学卒業後、車関係の会社でシステムエンジニアとして働いていたという園主(小西勇基)。2022年から愛知県設楽町にて、トマト農家として新規就農した。
「パソコンを使う仕事がしたくて、システムエンジニアとして就職し、車関係の会社に配属されました。好きな車と、ものづくりに携われることが面白かったです。」
けれど、お客様の声を直接聞くことは難しい。もっと生活とお客様に寄り添ったものづくりがしたいと思っていた。
「スノーボードも好きなので、夏は農家、冬はスノーボードを楽しむという生活にも憧れていました。そう生きるには、やっぱりサラリーマンでは難しい。なんとか安定的な収入を得ながら、それが実現できないかと模索していました。」
社会人を10年経験したら農業に転身しようと考え、5年目ごろから就農に向けた情報収集をしていたという。
目指す農家の先輩はひょんなところに
情報収集は、農業フェアなどに行っていたが全然欲しい情報が得られなかった。当時は、カリスマ農家や大規模農家ばかりが取り上げられていて、自分の思う、人の暮らしに寄り添う農業のモデルには出会えないと感じていたからだ。
「自分は欲がない。ただふつうに好きなことをして、淡々と生きたいと思っていた。」
その「ふつう」の先輩を探し出すのは至難の技だった。
ある日、大学時代の友人が、父親の農園を手伝ってみないかと話をくれた。場所は設楽町。それまで聞いたこともない土地だった。まずは見学に行ってみてびっくり。
「ここは愛知県なの?ほとんど長野じゃない?と思いました。」
よく聞いてみれば、中学生の頃訪れた「野外活動センター」のある豊田市稲武も近いことがわかった。遠足気分や懐かしさも蘇り、ワクワクした。真夏でも名古屋に比べるととても涼しかった。
農作業は未経験。小学校のときに朝顔を育てた記憶がやっと。どの農作業も新鮮だった。
師匠のビニールハウスは、機械化が進んでおり、きれいだった。泥まみれで作業するイメージからは、かけ離れていた。
気がつくと、平日に仕事を終えた週末、お手伝いに通うようになった。
求めていた環境がここにあった
通い始めて1ヶ月経つと、師匠の奥様が声をかけてくれ、お昼ごはんを一緒にする機会が多くなった。
そこで色んな話を聞いた。はじめは、とりあえずお手伝いを続けてみようとだけしか思っていなかったが、お話を聞くうち自分の理想の暮らしがここならできるのではないかとぼんやり思うようになった。
師匠は、どんな質問にも快く答えてくれた。データも駆使し、論理的に仕事を進めていた。とても先進的だと感じた。
師匠自身が元サラリーマンでUターン経験者ということもあり、経験談もユーモアに富んで興味深かった。現在に至るまでたくさんの試行錯誤をされており、失敗談を聞くのも、とても勉強になった。
ここでなら、見通しの立つ安定的な収入を得ながら、自分の求める暮らしができるかもしれない。農園を手伝って3年が経った頃、農家になってみようと決心した。
むしろ良かった!コロナ禍での就農
2020年に会社を退社し、2年の研修のあと、トマト農家として独立した。設楽町出身の女性と結婚し、2021年には娘にも恵まれた。
コロナ禍での就農となったが、不安は特になかったという。
「むしろ、タイミングがよかったなあと感じるくらいです。山で暮らすのには、ソーシャルディスタンスも関係ないですし。ありがたいことに卸先がスーパーだったこと、巣ごもり需要など追い風となり、トマトの需要は高まったのではと思っています。
何はともあれ、目の前にあることをやっていくしかないなという気持ちで淡々と農作業をしていました。
妻は色々と不安がってはいましたが、近くに住む義両親や地域の方の支えもあり、なんとか乗り切ることができました。」
田舎で暮らすということ
地域の方にとても良くしてもらえるのは、やはり師匠の後押しがあったおかげ。
移住した時点で40歳を過ぎていたので、消防団には入れなかったが、できる限りの恩返しことはしようと、組の行事にも参加している。師匠の勧めで、神主の資格もゆくゆくは取得する予定だ。
乗り気でなかった家族も今では一番の応援団
元々、園主の両親や兄妹は農家になるのに乗り気ではなかったという。名古屋のど真ん中に生まれて、ずっと熱田神宮の目の前で育ってきた園主。両親は関西の田舎で育ち、名古屋に出てきた人たちだ。農家の大変さもとてもよく分かっている。最初はとても心配された。
それでも、農園へお手伝いに行っている様子を伝えたり、トマトをお土産に持ち帰ったりする中で、少しずつ理解を得られた。
今では、一番のルネッサンストマトのファンでいてくれる様子。ご近所にトマトを売り歩いてくれたり営業活動などにも積極的に参加してくれる。
夢のライフスタイルが実現
「農家になってよかったことは、想像通り、自分で時間を決められるということです。」
1日のスケジュールはもちろん自分で決められるし、冬場はほとんどフリータイムになるので、家族や親族との時間や、趣味についての時間を自分でやりくりできる。それは、サラリーマン時代にはなかなか難しいこと。
子どもの成長を間近で感じられるというのもとても嬉しい。サラリーマン時代、2時間かかっていた通勤時間は、3分になった。子どもや家族に何かあれば、すぐに帰ってこられる距離だ。
夏場の暑さと忙しさは大変だけれど、日が暮れれば仕事は終わり。毎日娘の成長を感じられる。
「私は名古屋生まれなのですが、人混みは苦手です。ここでは、のびのびと過ごせるし、子どもがどれだけ騒がしくしても気にならない。本当に田舎暮らしは快適です。」
意外にも役立ったサラリーマン経験
農家とサラリーマンは全く違うところもあるけれど、活かせることも多い。仕事の進め方や、取引先とのやり取り、いかに無駄なく作業をするかという点は、サラリーマン時代の経験が糧になっている。また、システムエンジニアとして得たデータ分析などの知識は、機械化された水耕栽培をするのにとても役立っている。
ふつうの人が、ふつうに選べる農業へ
「自分が農家になりたいといった当時、家族に反対や心配をされました。農園に視察に来る農業系の学生さんも、実家が農家である人ほど、やめておきなさいと言われるそうです。」
「わたしたちは、『かっこいい農業』は目指していません。ただ、選択肢として、他の仕事と一緒に並べるような職業になりたいと思っています。
これから就職や転職を考える人が、当たり前に選べる業種として、農業があればいいなと思っています。そして、それを家族が応援してくれるようになったら本望。そのために、わたしたちが小さなロールモデルになれればと思います。」
地元の資源を活かして、好きなことで生きるというライフスタイル
「『好きなことで生きる』というライフスタイルが注目されていますが、わたしは本当に好きなことは仕事にしなくてもいいんじゃないかと思っているタイプです。
トマトも農業も、もちろん好きですが、寝食忘れてやりたいかと言われるとそうでもない。ある程度、時間も心も体も余裕を持って、楽しく感じられる仕事や趣味を両立しながら、家族や仲間と暮らしていきたい。
そのために、ある程度安定した基盤があるのは、とてもよかったと感じています。」
「スタッフとして仕事を手伝ってくれる方も設楽が大好きだったり、趣味が多くて、遊びも暮らしも両立している面白い人が集まってくれているんですよ。」
自分らしいライフスタイルを求める仲間を集めたい
「現在、私達のトマト生産グループの農家は4軒です。うち2軒が70代以上。安定的な供給を続けていくには苦しい状態です。なので、一緒にトマト生産をしてくれる仲間を集めたいと思っています。」
育てている品種は「ルネッサンス」といい、全国でも生産者が少なく、手間もかかるため「幻のトマト」と言われている。取引先のスーパーからは、人気のトマトなので、もっと生産量を増やしてほしいと言われている。
地域の高齢化は進んでおり、後継ぎのいない農家も多く、居抜きのビニールハウスを譲ってもらえる可能性も高い。園主自身、それを活用できたおかげで、初期投資もかなり少なくて済んだという。
「先人が残してくれた技術や資源を引き継いで磨いていくこと。そしてそれを自分のやりたいことを組み合わせることで、自分らしい暮らしを構築していくことができると思います。そうやって新しい時代のライフスタイルを、仲間と一緒に体現していけたらと思います。」
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