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シリーズ:葛原妙子鑑賞#4「とり落さば」

とり落さば火焔とならむてのひらのひとつ柘榴の重みにし耐ふ

葛原妙子『燈黄』

落としてしまえば火炎となる柘榴。
戦争の象徴である爆弾だろうか。それとも情や念の類であろうか。

柘榴の一つがヒステリーを起こすかのようで、慎重に扱わなければならないと感じさせる。「ひとつ」という言葉がその重みを感じさせる。「ふたつ」ではダメなのだ。

ご存知の通り柘榴は赤い。火焔に比喩するのは直感的にも情景を思い起こさせる。

https://ja.wikipedia.org/wiki/ザクロ

#短歌 #葛原妙子 #短歌鑑賞

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