【詩】数学公式を詩にする 「足し算」

きみが、風のせいできれいだった、特に訳もない、散歩、春が待ち切れないねって、誰か言った。いま、足りないのはきみで、欲しい気持ちのぜんぶを、花は儚くしている、ひとつになってしまうって、桜が散るのとおなじことだよ。どっちでもいいよ、きみでいいし、ぼくでもいいよ、飲み込むのは。きみの視線が春を、またひとつ、ここで絡め取るんだね、きみはおなじ人間だから、できる、人間だから、だよね。今から足し算しよう、優しい沈黙で桜が見てるから、ふたりの和を、ここに埋めていこう、ぼくたち、おなじ生き物ならいいね。

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