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漁師さんと消費者の声を徹底的に聞く。海産物の流通プラットフォーム「Blue Lobster」

デンマークを拠点とする「Blue Lobster」は漁業における流通を変革する、低環境負荷で公正な海産物を売買するためのプラットフォームを提供している。

Blue Lobster のHPより引用

仕組みはシンプルで、漁師さんが獲った魚をアプリ上にアップして、購入者はアプリ上で欲しい魚を探すことができる。もし欲しい魚がない場合は漁師さんにリクエストを送り、次に獲った時に知らせてくれる仕組みもある。

買い手は主に、食堂、レストラン、個人顧客など、地元のお店が多い。直接やりとりを行うことで、通常1週間程度かかっている流通が72時間以内に短縮されるという(参考)。

この企業に興味を持ったきっかけは、2023年のTechChillというイベントに登壇した時のスピーチである。

動画はこちら 5:14:00 Blue Lobster 

TechChill 2023

このスピーチの中で特に興味深かったのが、料金システムの設計だ。

漁獲から消費者の手に届くまでには、重量の測定や選別、箱詰め、切り身への加工など多くの工程がある。
その中で、同社のプラットフォームでは重量計測○円、箱詰め○円、切り身への加工○円、といったように、そのそれぞれの工程に価格を設定している。

この仕組みがあることで、「重量測定、選別、箱詰めまでできるよ」という余裕のある漁師さんは、自分でやった作業分の費用○円を追加収入として手に入れることができる

各工程で発生するプラスの収益(TechChillのプレゼンテーションより引用)

しかし、この仕組みを導入する中で、逆に漁師さんから「こんなにも手間のかかる作業できないよ。」と言われてしまったそうだ。
確かに何トンもある魚を選別して箱詰めする作業は骨が折れる。

そこで今度は消費者の元へ足を運んだ。「選別されていない魚が普通より安く買えるとしたら使いたい?」と聞いてみたところ、多くのレストランや食堂で「是非使いたい!」という声があがったそうだ。

ここから、消費者が使いたい用途によって「選別が荒いもの」「選別されていないもの」を選択できる新たな仕組みを生み出した。

選別度合いに応じた割引設定(TechChillのプレゼンテーションより引用)

「Blue Lobster」は公正な料金体系に加えて、環境低負荷の漁業のみを扱い、流通の短縮、トレーサビリティーの確保などさまざまな課題に取り組んでいる。

Top画像:UnsplashJakub Kapusnakが撮影した写真


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