「しょうがない」の国に血流はない
※日本国全体のことではありません。念のため。
わたしは今「しょうがない」の国に住んでいる。
わたしが移り住んだ数ヶ月前に数人の住人が新たに加わっており、たとえ単なる人口の補充であったとしても、「血流」はあった。
世間的には、「人の新陳代謝」「世代交代」と言うほうが正しいだろう。
しかし、この3年、まるっきり、その血流は、ない。
わたしは国の偉い人にこそ言わないが、いつも「もっと若い人を住まわせないのか」と言っている。
その度に、みな「しょうがない」と言う。ここはそういう国であり、似たような国は人口の流動が激しく、結局はこの国と似たような状態になるという。
この国は高齢化が進んでいる。
進みまくっている。
なにせ、この国の住人で一番若いのはわたしなのだ。
わたしは世間的には、もうよぼよぼのおばあさんである。
そんな人間がことあるごとに「若い若い」と言われる。これもしょうがないことなのだろうか。
だからだな。
みんな「しょうがない」としか言わなくなるんだ。
これは思考停止なんだろうな。
思考停止は、血流のなさ。
思考停止は、血栓ができている状態なんだろう。
いずれ、脳梗塞だか心筋梗塞だかを起こすんだろうな、この国は。
その前に、「しょうがなくない」国に移住したいと考えている。
でも、そんなところ、あるんだろうか。
そんなふうに考えてしまう。
なにせ、以前住んでいた国は「人によっては何もしなくていい」国だったんだから。
それはある種、楽園のように思われるかもしれない。
が、あくまで「人によっては」である。
わたしはその階級層の人間ではなかったので、「何もしなくていい」人に使い潰されたのだった。
何もしなくていい階級の人に言われたのだ。
「体調を崩したんなら、しょうがないね。もうこの国では役に立たないね」と。
「しょうがなくない」国はどこにあるんだろう。
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