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心を放つ
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放心求 心放要
不動智神妙録 沢庵
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放心を求めよと言うのは孟子の言葉で
放たれた心を、自分の身に取り戻せ
という意味
一方で
心を自分の中に縛り付けていては
まるで、飼われたネコのように
自分本来の自由な心の動きを失ってしまう
だから、モノに心が止らないよう
(執着しないよう)
何事かに溺れてしまわないよう
上手くコントロールできるようになった上で
心はどこへなりとも放り出したらよい
という人もいる(邵康節:しょうこうせつ)
また、中峯和尚のことばに
「具不退転」という言葉があり
退転(移り変わって前より悪くなること)せず
変わらぬ心を具えよという
修行の初心者のうちは
まず、今自分の心がどのように動いているのかを認識するためにも
自分の心が何によって影響され
何に感情的になり
何を求めているか
自分の心を見つめる(向き合う)ためにも
自分の心を求めることが必要だ
善と悪
楽と苦
喜と悲
正と誤
など、自分は何によって、これらを感じているか
何を善と感じ、何を悪と感じているのか
この分別を理解すれば
「何が正しいのか・・・?」と迷う事はなくなる
「何が善か・・・?」と悩むことはなくなる
分別の心の動きによって振り回されなくなれば
自由に行動しても、心とらわれることはなくなる
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この世にたった一つの正解なんてない
もし、そんなものを求めようなら
その正解以外の99は全て「不正解」になる
この世にたった一つの成功なんてない
もし、そんなものを求めようなら
その正解以外の99は全て「失敗」になる
「1」しか受け入れられない生き方をすると
人生の「99」が苦しみになる
自分の目の前にある物全てに「真理(正解)」へ至るヒントがある
無駄な人・モノ・事なんてない
必要のない人・もの・事なんてない
「1」と「99」を分けてはならない