どう選ぶ?フリースクール・オルタナティブスクール ~フリースクール編~
フリースクールやオルタナティブスクールは、NPOや一般社団法人など主に民間が運営する教育機関です。学習指導要領によらず、カリキュラムを自由に決められるという特徴があります。学習を重視するところもあれば、子どもの意思を尊重して自由時間や体験活動を多く取るところも。内容は、まるで色鉛筆のように多彩です。
たくさんありすぎて、一体全体、どこのスクールをどう選んだらいいのか悩みますよね。
まず最初に、フリースクールとオルタナティブスクールの違いを理解しましょう。日本でフリースクールと言った場合、「何らかの理由で学校になじみにくい子、不登校の子の居場所または学びの場」を指します。そのため、小学校1年生の最初から、こちらを選ぶというよりは、まず地元の公立学校に行ってみて、公立学校でなじめなかったり、行き渋った場合に、フリースクールに変更するというのが一般的です。
一方、オルタナティブスクールは、ある教育理念をもった「新しいタイプの学校」を指します。学校になじめなかったり、不登校になったときの選択肢の一つにはなりますが、ご両親とご本人がそのスクールの教育理念に賛同することが求められます。最近では、公立学校は学籍だけを置き、そちらには1日も行かないで、1年生の最初からオルタナティブスクールを選ぶ人が多くなっています。
フリースクールとオルタナティブスクールの見分け方ですが、オルタナティブスクールの場合、なんらかの教育方法をベースにしていたり、「新しいタイプの教育を実践する学校」として運営しているのに対し、フリースクールの場合は、「不登校支援」や「居場所」という特徴が強く表れています。
今回は、フリースクールを選ぶときのポイントについてお伝えします。
フリースクールを選ぶ場合のポイントは、主に2つあります。「学校復帰をどう考えるのか」という点と、「一般的な学校で行われる学習をどこまで受けたいのか」という点です。
フリースクールには、学校復帰を前提せず、子どもたちが望まない限りは学習支援もなく、ゲームや漫画など、自分のやりたいことを好きなだけやって過ごせる場所もあれば、一般の学校のような時間割があり、制服まであり、学校復帰のサポートを受けられるところもあり、本当にいろんなスクールがあります。
この2点のポイントについて、保護者の方の想いとお子さんの想いが食い違うことがよく起きます。保護者の方はお子さんの将来を心配し、「学習支援をしてくれて、学校復帰をサポートしてくれるところがいい」と思う一方で、お子さんは、「学校の勉強なんてしたくないし、学校へは戻りたくない」と思っているケースがあります。
そんなときは、お子さんの気持ちを優先する以外に方法がありません。なぜなら、保護者の方の想いを押し通しても、長い目で見たら、結局うまくいかないからです。
子育てに悩むときこそ、学び直しのチャンスです。
自分が今まで抱いてきた価値観、考え方は、本当に正しいのだろうか?世間の人と同じでなければいけないということが、そんなに大切なんだろうか?
大切なことは、目の前にいるお子さんを信じ、自分が「当たり前」として握りしめているものを手放していくことになります。
まずは、ホームページやパンフレットでそれぞれの特色を調べましょう。多くのスクールでは見学や体験、親子面談などを行っています。実際に足を運び、雰囲気を確かめたり、疑問点を尋ねたりすることが大事です。最も重要なのは、子どもが楽しく通えるかどうか。親の好きな色ではなく、お子さんが気に入った色を優先してください。
フリースクールに通うことになっても原則、地元の公立学校に学籍を置くことになり、卒業資格も得られます。ただ、学校からの内申書がなく、一般入試で公立高校を受験する場合は不利になることもあります。そのため、通信制高校や私立高校への進学、海外留学を視野に入れる生徒もいます。
「将来のため」を言われ続けながら、自分の興味・関心のないことを暗記し続けることを強いられる日本の学校教育に対して、おかしいと思ったり、行きたくないと思うことは、変わったことでもなんでもなく、ある意味、当たり前のことで、そういう感覚をもって、自分の気持ちを正直に表現できたお子さんのことをむしろ誇りに思ってください。
他人と違う選択であっても、自分のお子さんを信じ、自分の感覚を信じ、お子さんが心地よいと感じられる環境を選んでいくことが大切だと思います。
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