嘆いてみるのは、どうでしょう?
コロナウィルスの感染拡大が広がり、嘆くよりも前に、なんとか対応しなければと必死になって、何か自分にできることを探したり、発信したり、受信したり。手洗い、うがいしながら、マスクを探したり作ったりして、その上、自粛のステイホーム。
私自身、会いたい人にも会えず、行きたい場所にも行けず、「ピンチはチャンス」だとか、「ここから何かが学べるはずだ」とか、「いまこそ、意識の改革だ」とかいう言葉を聞きながら、オロオロしたり、不安になったりする人がたくさんいるのを横目に見て、いろんなことを受け止めて、落ち着いて、それでも知恵を絞って、前に進もうとしてきたのですが、どうも何かがしっくりこない感じがずっとしていました。
でも、ある人が言っていた「今こそ、嘆きの場が必要だと思う。主観を大事にして。」という言葉を、後から何度も思い返しているうちに、「私って、本当は、まず、嘆きたかったんじゃないかな?」と思えてきました。
「みんなで頑張らないといけないときに、嘆いてはいけない。嘆くヒマがあったら、どうしたら乗り切れるのかを考えないといけない。私は、こんなことでは嘆かない器の大きい人間だ。」 そんなことを無意識のうちに、どこかにずっともっていたんじゃないかな…と思えてきました。
そう思うと、嘆きたいことがいっぱいあることに気が付きました。
今回は、とりあえず、10個あげてみたいと思います。
・箕面こどもの森学園が、入学式の日からオンラインになり、子どもたちが学校に来れていない!(⇒今までのようにみんなに学校に来てもらって、一緒に学びたい!)
・気分転換で心身を整えていたバドミントンの練習ができない!チームメイトにも会えない…
・海外旅行も国内旅行もキャンセルして、STAYHOMEするのがつらい!
・大学がオンライン学習になるのが、耐えられない!専門的な学びを保障してほしい!
・9月入学なんて言い出す前に、できることを考えて欲しい!!
・夫のマラウィ(アフリカ)でのミッションができなくなり、緊急帰国したのが残念!(というより、その現状を引き起こしている世界の現状が心配)
・息子のいる北海道の感染者が増えてきているのが心配!!
・人がどんどん不寛容になっていっているように感じるのがつらい…
・こんな時に、憲法改正を言い出すなんて、どうかしている!!
・しんどい状況の人たちが、よりしんどくなってしまっていることが気がかり…
今回のことで、嘆きたいことをいろいろ考えている内に、脳性麻痺で小児科医の熊谷晋一郎さんの言葉を思い出しました。
「自立とは依存先を増やすこと。希望とは絶望を分かち合うこと。」
コロナウィルスの感染拡大で、先を見通せない不安の中に生きている今。この言葉は、人が生きる上での本質をついている…と、改めて思わされました。
この状況は長引くでしょうが、それでも、私たちが立っていられるためには、依存先を増やすことが大切です。
私が人生で一番絶望を感じたのは、娘が大病で倒れて緊急手術をしてから退院するまでの約1か月ぐらいの期間でした。そのとき、何度もこの言葉を自分に言い聞かせ、何度も泣いて、周りの人に頼ることで、たくさんの人が支えてくれて、そのおかげで、少しずつ前に進めるようになっていきました。
私の場合は、まだ自分からヘルプを出せる状態でしたが、本当にしんどい状況にある人は、自分からは依存先を増やせないので、余裕のある人が自ら依存先となっていくことも大切だと思います。
誰かの依存先となろうと思う人こそ、自分の気持ちを後回しにしていくことがあるかもしれません。
前を向いて歩みながらも、ちょっと立ち止まり、コロナの感染拡大で嘆きたいことを嘆いてみませんか?
しんどい状況でも絶望を分かち合うことで、希望を見出していけますように。