「一斉休校」から考える 民主的に生きるとは?
コロナウィルス対策による「全国の小中高などの学校への休校要請」。
これを受けて、コクレオの森が運営する箕面こどもの森学園でも、緊急のスタッフ会議が行われました。
緊急スタッフ会議が始まった時点で、近隣の市などが、政府の要請通り2日から春休みまでの休校を決めていました。
フリースクール業界の対応もまちまちで、変わらず開校し、むしろ休校になった学校の子たちを一時的に来てもらう措置をするところもあれば、政府の要請よりも早い段階で休校となり、オンラインサポートなどの準備をしているところもありました。
そんな中で、私たちは、何をどう考えていくのか?
日頃、私たちは、子どもたちに、自分自身に問い続けて、自分の中にある答えを見つける学び(あり方)の大切さを伝えていますが、それをまさに行ったミーティングとなりました。
当初は、行政の対応や、保護者の不安、子どもたちの安全面への配慮などから、13日まで休校にする方向に話が進みました。
けれども、「本当にそうだろうか?」という意見も出て、子どもたちに日頃言っているように「批判的に考える」「視点を移動させる」ような意見が出てきました。
考えてみると、既に私たちは、交通事故で年間約3000人の方が亡くなっていて、インフルエンザでも年間約3000人の方が亡くなっているという現実に生きています。日ごろの注意や予防はしてきたけど、コロナウィルスほどに不安に感じず、日々を過ごしてきていました。
そんな中で、私たちは、何によって不安を抱かされ、「一斉休校」というものについて対応を迫られているのか? 考えさせられることになりました。
動物の脳は、自分の身を守るために、不安をキャッチすることに敏感に作られていると言われています。不安を煽られると、そこに思考と感情を引っ張られることが多く、何が本当は大切なのか?を見失うことがあります。冷静に考え対応しなければ、不安が不安を呼び、「自分は、本当はこう思うんだけど」ということを言いにくい風潮ができあがってしまいます。
そういう時代を、かつての日本は経験をしています。
自分の意見を言えば、非国民と言われ、つかまることさえあった時代。始まりはよくわからないまま、不安を煽られ、偏った「正しさ・正義」が台頭し、「本当はこう思うんだけど…」ということが言いにくくなっていったのではないかと思います。
コクレオの森では、「民主的に生きる 市民を育む」ことを理念に掲げています。
子どもたちに「民主的に生きる市民」になってもらうためには、その環境となる私たち自身が「民主的に生きる市民」とは、どういうことなのかを問い続け、自分たちのあり方として実践し続ける必要があります。
このような議論をした結果、箕面こどもの森学園では、今回の一斉休校の要請に対して、当面は以下の対応をとることとしました。この対応がベストかどうかはわかりませんが、その時点で、私たちが取りうる最善の方法だったと思っています。
不安な空気が押し寄せてくる中で、こうした対応を、みんなで議論を尽くして決めていけることに安堵するとともに、「民主的に生きる 市民を育む」道を、コクレオの森として、これからも模索し続けていきたいと思いました。 (藤田 美保)
以下、箕面こどもの森学園の当面の対応です。
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3月3日(火)~19日(木)を「特別配慮期間」とし、次のような特別な措置をとる。
この期間中の学習は、家庭または学校において行う。ただし、子どもまたはスタッフにコロナ感染者が出た場合は、特別配慮期間をやめて、5日間の休校とする。
【登校して学習する場合】
1.開校時間 10時~15時
ただし、これより早い時間の登校を希望する人は学校に相談する
2.各家庭で本人と家族の体温を測り、37.5℃以上の発熱がある場合は、登校しない
3.送迎は玄関先までにする(大人の感染率が高いため)
4.学習は学習計画を立て、ことばかず・プロジェクトとする
【家庭で学習する場合】
1、学習は学習計画を立て、ことばかず・プロジェクト等とする
2、必要な人は、10時~15時の間に電話、FAX、メール、zoomでサポートを受けることができる