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Part 2 | 公立小学校に通いながら、日英バイリンガルを目指すために、親として意識したこと 後編①
前編から間が空いてしまいましたが、今回は「後編」として、子どもたちを公立小学校に通わせながら、日英バイリンガルを目指すために、英語の取り組みに関して、親として意識してきたことを振り返ります。
英語の取り組み以前の、親のマインドセット的なことを振り返った「前編」はこちらです。
1.日本語の成長を英語に活かす
2.本人のモチベーションは期待しない
後編では、公立小学校に通いながら日英バイリンガルを目指すために親として意識したことの3つ目、
3.英語そのものを集中的に伸ばす
について説明します。
Minnie家では、英語育児において、はじめから明確なプランがあったわけではありません。
個性の異なるLeahとLucasと、あれこれ試したり悩んだりしながら、共働きで時間も限られるなか、その時々でできることを積み重ねてきました。
(小学生の親として8年目になります)
そうした中から、今考えると、意識してよかった、成果につながった、と思うことを4つお伝えします。
3.英語そのものを集中的に伸ばす
前編でも述べましたが、日本語の生活の中でも、子どもが英語を自分の言葉として習得していくことは可能です。
海外に住んだり、英語で教育を受けたりする機会がなくても、日本で公立小学校に通いながらでも、これは可能です。
このために親が意識すべきは、取り組み内容の選択と集中です。
英語にふれる時間が限られる日本語の環境では、英語のベース作りに専念します。
その先のことは、子どもの成長 + インプットの蓄積とともに、自然に伸びていく状態をつくります。
3-1 音の習得は早めに完成させる
3-2 文法の基礎も早めに仕上げる
3-3 会話はほどほどに
3-4 余裕があればライティング
小学生のうちは、子どもの成長とともに、インプットするコンテンツのレベルアップがはかれるよう、早い段階で「音の習得」と「文法の基礎」に取り組み、アウトプットはがんばり過ぎない(時間をかけ過ぎない)ようにします。
3-1 音の習得は早めに完成させる
まず第一に、音の習得です。
言語学習に終わりはありませんが、言語の音の数は決まっているので、音の学習は終えることができます。
音の習得はすべての前提条件で、ひとたび習得すれば、その後のインプットが加速します。
なので、できるだけ早い段階で済ませてしまいます。
音を習得するには、まず英語をかけ流すなどの「音環境」によって音の蓄積をつくります。聞き取る力を育てつつ、声に出して再現する練習をして、完成させます。
乳幼児期にインプットを継続してきた子どもなら、小学生からは、さらに意識的に「発する」に取り組むことで、それまでランダムに耳にして無意識に吸収してきた音を一気に整理して定着させます。
(補足:「発する」とは、声に出すことをさしています。「話す」とは区別しています。)
まだインプット量が少ない場合や、英語を始めたばかりの場合には、小学生になったら「聞く」と「発する」をセットで練習して、発しながら音の感覚を養います。
ここで、意識したいポイントが2つあります。
1. いきなり「読む」ことを求めない
音の学習に、フォニックス教材は便利です。音の単位を一つずつ取り上げて「発する」練習ができるからです。
しかし、本来フォニックスとは、音の習得が終わっている前提で、その次の段階の、文字を読めるようになるための取り組みです。
したがって、音の習得という目的でフォニックス教材を使う際は、文字の羅列に気を取られ過ぎないように注意しなければいけません。
(補足:英語は一つの音に対して、複数のspellingがありますが、ここから入ると混乱します。例えば、air と同じ音が care / bear / there に入っていますが、つづりはバラバラです。フォニックスでは、文字パターンに注目しますが、音の学習では、音の「聞く・発する」を身につけるのが先です。)
2. 「分かる」こともすぐには求めない
「聞く・発する」の練習をするとき、発していることばの意味が分からなくても、気にし過ぎない姿勢も大切です。
目的は音の習得なので、特に小学生は、音遊びだという割り切りも必要だと思います。
非英語環境では、意味の理解には(動画視聴や読書を通じて)じっくり時間をかける方が定着します。
音の習得を優先して進めるのがよいと考えています。
「聞く」と「発する」については、こちらの記事でも説明していますので、よろしければ参考にしてください。
(目次から飛んでください)
ステップ①「聞く」
ステップ②「発する」
(おまけ)音を習得できているか、親が判断できないとき
音を習得できたかどうかは、子どもがお手本の英語の音を写し取るようにマネできているかどうかがポイントです。これは、英語ネイティブや英語発音に通じている人が聞けば、瞬時に分かることです。
しかし、家族に分かる人がいない場合には、子ども向けのフォニックスアプリなどの録音や音声認識を活用することで、十分に対応できると思います。
ついでながら、今は、オンラインでネイティブ講師のレッスンを受ける子どもが多いと思います。
そのようなレッスンで、音の感覚が育っていないことが先生に伝わると(例えば、あからさまなカタカナ発音をしていると)、英語を声に出すだけでよしとされて、発音はスルーされてしまいます。
でも、音の習得に取り組んでいれば、先生にそれが伝わり、「惜しい」発し方をしている個所では、自然と言い直しを促してもらえます。
レッスンとは別に、ふだんから「発する」に取り組んでいれば、このような形でついでに発音指導が受けられるので、一石二鳥ではないでしょうか。
発音の学びについては、こちらの過去記事でも考えを述べています。
この記事では学校の先生について書いていますが、この「ガイド役」というスタンスを、親が持つようにすれば、子どもは十分に音を習得していくことが可能だと考えます。
(目次から飛んでください)
発音を教える先生がいない?「指導」は不要、「ガイド役」に徹する
3-2 文法の基礎も早めに仕上げる
音の数と同様に、文法のコアとなる部分もそれほど多くありません。
「語法」や「表現」は切りもなくありますが、骨組みとしての「文法」は限られています。
この基礎部分を、できるだけ早い段階で仕上げてしまいます。
英語の音声や文章にふれるとき、一見(大人からすると)難しそうな内容でも、子どもはざっくりと意味をつかんでしまうというのは、この文法力からくると思っています。
分からない部分があっても、分かる部分をつなぎ合わせて分かろうとすることができるのも、刷り込まれた文法力があってこそだと思います。
文法というと、教科書で仕組みを勉強するイメージがあるかもしれませんが、子どもに有効なのは、口頭での練習です。
日本語環境にいる子どもが、高い英語力を目指すなら、系統立った学びもいくらかは必要です。
英語の本や動画でランダムに出会うのを待つばかりでなく、なるべく早い段階で、重要な文法フレーズに集中的に触れることで、英語に接する時間の不足を補います。
意識するポイントが2つあります。
1.「概念(理屈)を理解する」ではなく「形式を体で覚える」
音の習得と同様に、文法に関しても、それまでランダムに耳にして無意識に吸収してきた「ことばの連なり」を、一気に整理して定着させます。
どうしてそういう並びになるか説明できないけれど、そうでないと違和感がある、という母語に近い状態を作ります。
過去の投稿で、「おうち英語の本質は、英語文法を自然に身につけること」という主張をしていますので、よろしければ参考にしてください。
(目次から飛んでください)
おうち英語の本質は、英語文法を自然に身につけること(文法の獲得)
2.「聞いたら分かる」「考えれば言える」ではなく「口をついて出てくる」レベルまで引き上げる
体で覚えるには、パターン化したフレーズを、少しずつバリエーションを変えながら、繰り返し唱える練習をすることになります。
子ども向けの英語テキストでは、歌やチャンツの形で文法を学べるようになっているものがたくさんあります。
例えば、定番のLet’s Goシリーズ(Oxford University Press)です(類似のものもたくさんあります)。この文法カリキュラムは秀逸です。本当によくできていると思いますが、問題はペースです。
テキスト1冊を半年から1年かけて取り組むようでは、定着しづらいのです。
定着させるには、テキストの文法セクションを取り出して、それを数ヵ月で1冊のペースで集中的に仕上げていくのが良いです。
コースブックは、さまざまな内容(会話、語彙、文法、フォニックス、リーディング、ライティング、その他アクティビティ)を網羅しています。
英語教室の先生が利用するにはオールインワンで便利なのかもしれませんが、英語育児の観点からすると、それぞれのセクションの組み合わせと進みのペースに難ありです。
「口をついて出てくる」レベルまで文法の基礎を仕上げるには、やはりインプット量がどうしても必要です。
既にインプットの蓄積が十分にあれば、Let’s Goの内容など、取り組む前から、だいたい理解できてしまいます。が、そのなんとなく分かる内容を、パターン化し、ある程度のルールも認識して、聞いて分かる状態から、自分の言葉として使える状態に引き上げることに意味があります。
一方、インプット量がまだ足りていない場合、インプットしながら並行して文法に取り組む場合は、絵などの助けを借りて、理解しながら吸収する、という進め方になります。
音の習得と同様に、英語講師との文法を扱うレッスンを受けるなら、あらかじめ自主練をしておくとよいでしょう。その成果をレッスンで見てもらうというサイクルにすれば、練習量が確保されて、ペースも上がっていきます。
Let's Goの全冊をやっても、英検でいうと3級から準2級くらいの内容です。
基礎レベルではありますが、このくらいの内容を「口をついて出てくる」レベルまで早い段階で引き上げておくことこそが、のちのち、複雑な文章をすらすら読むことや、自然にアウトプットすることに直結するのです。
次の記事に続く
また長くなりましたので、ここで区切りたいと思います。
次の記事で、残りの2つ、「会話」と「ライティング」について書きます。
今回の2つは「力の入れどころ」の話になりましたので、うんざりされた方もいらっしゃるかもしれません。
3-1 音の習得は早めに完成させる
3-2 文法の基礎も早めに仕上げる
次は「力の抜きどころ」について話します。親として気が楽になる?話になる予定です。
3-3 会話はほどほどに
3-4 余裕があればライティング
お読みくださりありがとうございました。
少しでも参考になりましたら「スキ」をお願いします。
(2024.10.31 追記)
次の記事はこちらです
前編はこちら