英語絵本で小学校読み聞かせボランティア
今回は、英語育児の話題から少し離れて、私が保護者として参加している、小学校の読み聞かせボランティアの活動についてです。
4年前、読み聞かせ活動の世話人の方に、「英語で読んでもよいでしょうか」と相談したところ、「大歓迎ですよ」と言っていただき、以来、英語の絵本を選んで参加しています。
小学校の読み聞かせボランティア
LeahとLucasが通う小学校では、だいたい週に1回活動があり、毎月参加者が募られます。
参加者は生徒の保護者が中心。回によっては、地域のベテラン読み聞かせボランティアさんの姿もあります。
始業前10分間の「朝読書」の時間に、割り当てられたクラスの教室を訪ねます。
LeahとLucasが低学年のころは、子どもがいるクラスで読み聞かせを希望することもありました。
が、最近は母親が学校に訪れても、あまり有り難くない様子。
2人のいない学年に入らせてもらっています。
小学校の読み聞かせで何を読むか、英語絵本の場合
コロナで休止となっていた活動が、最近ようやく再開となり、2年半ぶりに読み聞かせに参加しました。
今回選んだのは、こちらの2冊。
低学年のクラスには、The Tiger Who Came to Tea、
The Tiger Who Came to Tea (1968), written and illustrated by Judith Kerr
ジュディス・カー作・絵
邦訳『おちゃのじかんにきたとら』
高学年のクラスには、The Gruffaloを選びました。
The Gruffalo (1999), written by Julia Donaldson, illustrated by Axel Scheffler
ジュリア・ドナルドソン 作 / アクセル・シェフラー 絵
邦訳:『グラファロ もりでいちばんつよいのは?』
英語絵本の選書で気をつけていること
英語絵本の読み聞かせでは、選書が命。
英語育児の中で、自分の子どもたちと楽しんだ絵本が適しているとは限りません。
これまでの思考錯誤から、今は以下の基準を設けて選んでいます。
1)英語が難しすぎないこと
センテンスがなるべくシンプルなものを選ぶ
2)内容が幼稚すぎないこと
乳幼児を対象とした絵本は避ける。学年に合った内容の本を選ぶ。
3) 長すぎないこと
日本語をはさみながら読むことになるので、1.5倍の時間を見積もる
4) 予測しやすい、想像しやすいこと
話の続きが予測しやすいと、理解の助けになる
何らかの繰り返しがあると、なお良い
5) 印象に残るキーワードやキーフレーズがあること
読み聞かせのあとも、英語のことばやフレーズが、たとえ一部でも耳に残れば嬉しいものです
英語絵本の読み聞かせで気をつけていること
小学校では、外国語活動や外国語授業が行われているとはいえ、子どもたち一人ひとりの英語に対する親しみの度合いには、大きな差があります。
英語が好きな子、得意な子、英語にほとんど触れたことのない子、英語が嫌いな子。
いろいろな子たちが一緒に1つのおはなしを楽しむには、どうすればよいか。
日本語の本ではなく、あえて英語の本を選んでいるからには、工夫を重ねていく責任があると感じます。
読み聞かせが英語だったから、おはなしが分からなかった、だからつまらなかった、ということだけは、何としても避けたいものです。
なるべくそうならないように気をつけていることを書き出します。
日本語以上に、はっきり、ゆっくりと読む
英語の文を「主」としながら、日本語の添えことばをはさむ(3:1くらいの割合で日本語)
絵を指さすなどして、理解の助けとする
英語を聞き飛ばして、日本語部分だけをつないで聞いても、ストーリーが伝わるように、日本語の添えことばを工夫する
反対に、英語の文でストーリーを追っている子には、日本語がジャマにならないように、配慮する
これがなかなかに難しいので、毎回が反省と試行錯誤の連続です。
英語絵本の読み聞かせで、日本語をどう添えるか
The Gruffalo
たとえば、The Gruffalo(邦題『グラッファロ、もりでいちばんつよいのは』)の冒頭部分は、次のように読みました。
ほぼ日本語に訳しているように聞こえるかもしれません。
ただそれは、これがまだ冒頭部分だからです。
このあと、キツネのあとに、フクロウも、ヘビも、あらわれて、文が繰り返されます。
2回目、3回目、と進むにつれて、日本語を「薄く」(少なく)していく訳です。
このあと、かしこいネズミは、次々と、天敵たちをやり過ごします。
ちなみに、このGruffaloのお話は、「虎の威を借る狐」のパロディになっています。
高学年にもなると、中学受験の勉強をしている子も多いので、故事成語が元になっています、と説明することも多いです。
(虎ではなく)「Gruffalo」の威を借りる、(狐ではなく)「ネズミ」の話、というわけです。
The Tiger Who Came to Tea
The Tiger Who Came to Tea (邦題『おちゃのじかんにきたとら』)でとらが登場する部分は、こんな感じで読みました。
(ここで間をおくと、低学年のクラスなら
「ダメェ!」
「ドアしめちゃえ!」
などの声があがることも)
このあと、とらが、次々と食べ物を平らげてしまうところでは、繰り返しが続きます。
話の筋がなんとか分かる程度にまで日本語を省略して、テンポよく読み進めます。
小学校読み聞かせについては、次の投稿もぜひあわせてご覧ください。
お読みくださりありがとうございました。
※他ブログから移行した記事です(元の投稿日:2022.10.03)
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