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少し前のことになりますが、松阪市の地元新聞である夕刊三重で飯高の風力発電計画に関する一般投書が掲載され、ああいろんな意見があるんだなということを知る一つになりました。

初めの投書は、風力発電計画に賛成するという女性からでした。一部引用します。

「・・・現在、飯高地域は空き家、またはお年寄りばかりです。このままでは息絶えてしまいます。今、日本一大きな風力発電の話が上がっております。むらおこしには最高の風力発電の話なのに、なぜか『反対しろ』と紙が回ってきたり、『90%以上の住民が反対だ』とうわさが流れております。賛成もいるということを分かっていただきたいです。ぜひ地域発展のために風力発電計画を実行していただきたいと思っております。・・・」

この投書に対しては、驚きやはてなマークたっぷりで受け止められる反応が多く見られました。インパクトがあり、話題活性に一役かってくれました。この方が何を思って「むらおこし」や「地域発展」と考えておられるかはわからぬまま、風力発電が実行されたら空き家問題や過疎高齢化問題が解消されるという道筋もないまま、とにかく強力に賛成という意見が初めて明らかになったことで、なんとなく賛成のような方の気持ちが見えるようになった感じもあります。とにかく誰かが来て、なにか大きな事業をすることへの期待のようなものがあるのかもしれません。もう少しじっくり話を聞いてみたい気がしました。

誰かがお金をかけて事業をすることが地域発展という考えはどこからきたのでしょう。そういう考えで国造りを進めてきた時代もありましたが、過去の栄光を引きずったままで未来は見えません。どんなに低周波や音や影に悩まされようと、事業のあることが発展、ならば何故都市部へ行くでもなく飯高町で暮らしておられるのだろうとの素朴な疑問も残りました。とはいえ声を挙げてくれたことはともかくもありがたいなとも思いました。びっくりするご意見であっても、色々な人の意見を知る機会になります。風力発電があってもなくても、息絶えない地域であればこの方も安心されるのでしょうか。

もう一つの新聞投書は行政への疑問の声です。

「・・・飯高地域の風力発電を巡る市の答弁には、怒りを通り越して情けなさを感じています。地元反対署名や住民自治協議会から要望書が出され、・・・あとは市長の腹一つです。『中立』だとか『ボールは事業者にある』と逃げているのを見ると、市が主体的に環境保護に向かう決意を持っているとも思えません。中立なんてありえません。少なくとも市長は市民の先頭に立って声を上げるべきだと思います。もし答弁のように行政が私企業の自由な経済活動を制限できる立場にないというのなら、一体誰が乱開発を阻止できるのでしょう。行政の役割とは何でしょう。・・・」

こちらはなかなか言いにくいですが、わりと皆さんが思っていることをズバッと切り込んでくれた投書でした。力強くていいですね。市議会議員さんが「市には事業者に対して撤回の判断を働きかける資格がある」「市が守るべきは住民の安心で安全な暮らし」と告げてくれているのにその資格も役割も放棄しようとしてきた市ですが、住民の切実な声に対してはどう思われるのでしょうか。回答が聞けないのが残念です。

1つ目の投書に対して、いやいやそんなことはないだろう、ちゃんと考えないと危ないよという投書を出そうとする人たちもいます。出してみたいのはヤマヤマですね。何かは出せる気はするけれど、いざ書き始めるとなかなか難しくて、根拠が薄いことを書いて事業者や行政に付け込まれるのも怖いですし、まだ3つ目はありません。どなたか挑戦してみますか?

夕刊三重

サービスページからも投書できるようです。500字程度だとか。

普段はローカルニュース満載の平和な新聞なのですけどね。風力発電計画は積極的に報道してくれています。松阪市やこの周辺地域を離れた方でも1週間に一度送ってもらって地元の話題とつながっておられる人たちもいるようです。ふるさとが大きな災難に巻き込まれていることに心痛めている人たちにも、いいニュースが届く日を信じていてもらいたいです。

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