読書記録:アンクールな人生 弘中綾香
かわいいな、と思って近づいてみたら、とてもかっこいい女性だった。
弘中アナのエッセイ、1作目もそんな印象を受けた。芯が強くて、しなやかなハングリーさを持っている。2作目は、そんな弘中アナの根幹を築いた、これまでの人生について綴られている。“アンクール”とあるように、かっこつけも背伸びもしていない。そんな風に書けるのがまた、かっこいい。
私の頭の中では、ぼやっとして輪郭が捉えられないことを、こんなにストライクに言葉にしてしまう。考えも言葉も、借りものでない、自分のもの、という感じが、好きだなあ。
ちょっとしたことに群がって批判し、有る事無い事に無駄な意見を言い合う。情報化社会によって、そんなナンセンスな娯楽を好む人間の声が大きく聞こえてしまう、理不尽な世の中。その波風が顕著な芸能界で、弘中アナは、武器も鎧も捨てて、“生身の自分”で闘っている。
地に足をつけ、傲慢などはカケラもなく、しかし堂々と。
そうそう、できることではないと思う。
比べるものではないと分かっているけれど、同年代なのに、嗚呼すごいなと、思わずにはいられない。