記事に「#ネタバレ」タグがついています
記事の中で映画、ゲーム、漫画などのネタバレが含まれているかもしれません。気になるかたは注意してお読みください。
見出し画像

ライオンの隠れ家 第9話感想 プライドのリーダーはみっくんだった

ヒューマンサイドが良いだけに、ミステリーサイドが少々モヤる。
レースの白シャツ部屋着が気になるヌルギさん…じゃなくてユルギさんの計画のぬるさとゆるさ、ドキドキするんだってばさ笑


1.sideミステリー

橘 祥吾

5話後記事では、まだ祥吾を信じてたのに。祥吾、真っ黒だった笑
真っ黒はDV夫という意味においてで、リニア開発をめぐる、亀ヶ谷議員とたちばな都市建設の汚職的な部分については、9話になっても依然モヤモヤしている。

とはいえ、そこに祥吾が積極的に関わっているのは確定なのか?亀ヶ谷とたちばなが不正を行っていて、その秘密を知った亀ヶ谷の秘書が消された…。そして、それを祥吾が主導していたとしたら、逮捕は時間の問題…。なんだけれども、祥吾は利用されただけ…という線もまだ捨てきれていない。

たちばな都市建設の後継として養子に入りながら、結局は長男の復活によって、いらない存在になってしまった祥吾。たちばな都市建設内での一発逆転を狙っているのかもしれないが、クーデターならもうちょっと社内に味方がいないと厳しいのでは?

あの樺島だっけ?どうみてもカタギじゃなさそうな社員、なんなのさ!!
あんなろくでもない武闘派とつるんでいるところをみると、社内に味方はいなさそう。クーデター、成功しそうにない。つか、あいつと亀ヶ谷に騙されとるんじゃないんかい?
ツメが甘いぞ、祥吾。

原家族に恵まれなかったとき、早い段階で新しい自分の家族を作ろうとするのはよくあること。祥吾も理想の家族を作りたかったのだろうけれど、理想を追うあまり、その通りになれなかった自分が許せなかったのか?
だからといって、愛生や愁人にそれをぶつけるのは間違っている。

暴力癖を治すことは、困難極まる。
祥吾の今後を考えると、どう立ち直っていけるのだろう…と悲しくなる。

橘 愛生

”愛生が愁人を幸せにできると思っているんですか…”
祥吾の言葉だけれど、それについては自分も心配ではある。

愛生には、リセット癖がある。
穏やかで何も起こらない凪のような生活…愛生は耐えられなくなるのではないか。
愛生の必殺対処法は、向き合わず、逃げる。
全てをゼロにして新しい自分になる

気持ちはわかるけれど、過去はゼロにすることはできない。残酷にも優しくも。
18歳の頃、全てを捨てたつもりかもしれないけれど、結局は血のつながらない母や弟たちとの繋がりが、自分と大切な息子を救った。このことに、愛生は気づいてくれるだろうか。

祥吾が逮捕されれば、彼からは解放されると思う。けれど、大変さはそこからも続く。自分の過去を、苦しくとも抱えて生きられるのか。その覚悟が、愛生にあるのか。
だって、もうライオンともども、顔も名前も全国区になっちゃったやん?生きづらいよ〜泣

偽装死を考えるほど切羽詰まった状況って、ただ暴力から逃げるという家庭内の問題だけではないだろう、と思っていた。
きっと、その汚職(とそれに伴う殺人)事件についての秘密を、親子ともども知ってしまい、秘書同様消されようとしている。だから、先手を打って偽装死を選んだ…。
と、予想していたのだけれど、祥吾への「最後に残った愛だった」って…。
…ホントですか?

これからの人生の方が長い子どもにとって、嘘の自分で生きていくのってとても大変なことだと思うよ。それと引き換えに、祥吾への残された愛が勝っちゃったの?
ぬるい、ぬるいぞ愛生。そんなことでは、暴力夫から逃げられず、ほだされてずるずると続いちゃうパターンに陥るぞ!現に、”最後に残った愛”が祥吾に響かなかったから、あんなことになったんじゃないのかい。

本来、祥吾には会いに行っちゃだめ。そういう時は、代理人立てて全部やってもらわないと。もし、行政は頼りにならなかったのだとしたら、そここそ、ユルギさんに頼るべきじゃなかったのか?(あの人、武闘派じゃなくて知性派でしょ)

と、今回、ミステリーサイドはツッコミが止まらんかった笑

でも実は、一市民が晒されている大きな危機とは、殺人や収賄ではなく、こんな感じがリアルなのだと思う。
接近禁止が機能しないことなんて、よくあることで。
本気で暴力から逃げようとするならば、全く違う誰かになるしかない。これは、大袈裟なことではない。

行政だけではなく、ユルギさん的な第三者機関がうまく機能してくれると、救われる子どもがもっと増えるのかもしれない。
けれど、偽造の身分証は使われなかった。ユルギさんの無力感にも、共感できる。
家族というプライドの問題に、他人が介入していくことは、行政でも民間でも一筋縄ではいかない…。

工藤さんと高田刑事は良かった。
ぜひ、付き合ってほしい(バディとしてスピンオフを!)


2.sideヒューマン

小森 洸人

洸人が泣けて良かった。
ずっとずっと洸人のこころがパンパンに張り詰めていたのは、このシーンへの前振りだったと思うから。

人との距離を作ることで、テリトリーに入り込まないし、入り込ませない。
自分の気持ちには蓋をして、見ないように、触れないようがっちりプロテクトガード。
そうやって自分を守ってきた洸人が、初めて他人のために、テリトリーの外に出た。
根っからの善人であり、普通人の洸人。家宅侵入のぎこちないことったら。
も〜う、絶対、祥吾いると思ったもん!
と、全視聴者が画面につっこんだと思う笑

ズダボロで崩壊寸前のプライドを、ギリギリのところで守ろうとする祥吾に噛みつかれて踵を返す洸人。
(垂れてる耳としっぽが見えました)
そして向き合ってしまう、己の覚悟のなさと無力さ。
本当は、ライオンに出会う前から、そんな自分に気づいていたのではないか。気づかないフリをしていたのは、その気持ちに触れてしまったら、多分みっくんと一緒にいられなくなってしまうから。

張り巡らされていたはずの安全装置の最後のひとつがはずれ、ついに感情が溢れ出た洸人。
次回からは、さらに次のステージに行ってくれるのではないかと期待。
そして、洸人の感情の揺れは、みっくんのこころも揺らすことになる。

小森 美路人

みっくんの包容力は、5話のチューリップでも感じたわけだけれど、ここにきて再び彼の大きな愛に気づかされる。

みっくんは、プライドを守るリーダーだった。
ライオンは母系集団であることを考えると、みっくんは群れを守るお母さんなのかもしれない。そういえば、お母さん(坂井真紀)のマインドをよく受け継いでるのは彼だ。
小森家は、みっくんを中心に繋がってきたんだろうな、と思わされる。

描きます、と
堤防に向かっていくみっくんの立て髪は、奮い立っていた。

*   *   *

11話まであるらしい、ライオンの隠れ家。
出てくる全員に幸せになってほしいところ。
全てが解決した後に再生されたプライドは、どんな群れになっているのだろう。

これまでの感想はこちら

ライオンの隠れ家のノベライズが出てます

こちらはサントラ


うううっ(泣 ライオンが小森家におる…


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集