27歳社会人女、1週間だけマルタ留学してきた
私はあまりに疲弊していた。
転職して、新たな会社で希望や夢を持って働き始めたのも束の間、あまりの忙しさに心がどんどん死んでいくような気がした。
ある日、突如日曜日の夜に全く眠れなくなり、仕事をしていてもマウスを持つ手が震えるようになった。
正直仕事自体はうまくいっているし、会社の人は珍しいくらいに皆良い人ばかりで大好きだった。けど、日々のとてつもない仕事量をこなすうちに、仕事で24時を平然と過ぎる日々に、自分の気づかぬうちに、内側の自分が悲鳴をあげるようになっていった。
仕事のことを考えすぎないように外に出る時間を増やそう、そう思った。まずは休みの日に、友達と会って話す機会を増やした。
そうやって友人と会う機会を増やしてた頃、たまたま友人からおすすめの国としてマルタの話が出た。聞いたことあるような、無いようなと全然詳しくなかった私は、マルタという国を調べてすぐに魅了されて、あぁ、ここに行ってみたいなと思った。
元々私は海外に行くのが好きだった。
コロナ禍になる前は毎年2回は海外に行くことを決めていた。
ところが突然コロナ禍でニューヨーク行きの旅行が全部キャンセルになってからは、もう2年以上も海外に行けていなかった。
コロナ前までの私の働く1番の理由は、頑張って働いたお金で海外旅行に行くことだった。その働くモチベーションを奪われて、何の理由もなく働き続けることに限界を感じていたのだろう。
あとその頃の私は去年別れた外国人の元彼が突如来日して、日本に来たから会いたいと何度も執拗にあらゆる媒体を通して連絡が来ることに疲弊しており、そういった色々な出来事が重なって精神的に参っていた時期でもあった。
マルタという国を知ってから、海外について久々に色々調べるようになった。そして、今後の人生について考えるようになった。
私は20代後半。コロナ禍といって日本にいてもどんどん歳をとるばかりだし、仕事はどうせ一生しないといけないことだし、今が一番若いなら後で後悔するよりも動けるうちにいろんなところに行きたい。
とりあえず今は短い期間でお試しとして、一度仕事も今いる日本からも離れてリフレッシュしてみようと思った。そこからの行動は早かった。
なぜ旅行じゃなくて留学なのか?
最初は普通に海外旅行をしようと思っていたけど、途中で留学に行くという目的に変えた。理由は独り身の自分が忙しい会社で突如長期休暇をもらうからには、何か理由をつけないとなぁと思ったから。
あと仕事では時折英語を使う必要があるけれど、最近英語の学習が疎かになりつつあったので、留学という名目を使えば「1週間英語を勉強してきました!」と言えると思ったから。(あとでそんなに海外行く理由を考えすぎる必要もなかったことがわかるんだけど。笑)
ぶっちゃけ1週間ってあまりに短いし、どのサイトとかを見ても「1週間は意味がない」って書いてあった。まぁだろうな、と思った。私もあまりガチの留学をしに行く気はなかったから、午前中の授業だけのコースがあり、かつ観光地へのアクセスが良い語学学校を選択した。
正直一人旅ついでのなんちゃって留学のつもりで行った。けど、予想外のことに、思っていたよりずっと有意義な時間を過ごせたのだ。
初日
ヨーロッパ方面に向かうにつれてマスクをする人の割合が減ってきて、トランジットでイタリアの空港に入った頃には9割の人がマスクをしていなかった。
私もイタリアに着いてからマルタに行く飛行機に乗る前に、思い切ってマスクを外した。空気が新鮮に感じた。あれだけマスクが必須の社会にいたのに不思議だ。
ちなみに入国はあっけないほど簡単だった。
シェンゲン協定というもので最初にヨーロッパに入る国で入国の審査をするのだけど、イタリアでは入国審査官の人が向かいの人と爆笑しながら、入国のハンコを押された。めっちゃゆるすぎる。笑
あんなに入国用の接種証明書とか留学先資料とか準備したのになと思いつつも、まぁそんなもんかとなった。
26時間のフライトかつ2度の乗り換えに耐えて、正直数年振りの海外、かつ初めて全て一人で行く海外だったから、途中でふと怖くなり、「正直日本にいた方がよかったかな…」と思った。
マルタに着いて、いろんなカードを持ってマルタに来る留学生を待ち構えている人達がいた。私も留学先の学校の人が空港まで迎えに来てくれると連絡が来ていたはずなのに、いくら待っても来なくて、どんどん周りに人がいなくなっていく。
一応他の学校の人に「この学校の人来ていますか?」って聞いてみるけど、「来てないね」といわれてしまう。
気がつけば周りは西洋人ばかり、空港に一人アジア人の私。
最初からこれだと先が思いやられるなぁ…と呆然としていると、突如イタリア系のビーチが似合いそうな日に焼けたイケメンのお兄さんが話しかけてくれて、「誰か待ってる?どこの学校?」と聞かれた。その方は他の学校の先生だった。
で、実際にまだ私の学校の担当者が迎えにきていないことと、私がスマホの電話が現時点で使えないことを話すと、代わりにその学校に電話をかけてくれた。まじで心までイケメンやー!って思った。
そのイケメンに感謝しつつ、電話から10分後、やっとその学校の担当者のおじいさんが現れた。
おじいさんからは「ちょっと遅れたわごめん〜」と言われて、30分くらい待ってたんだよなぁと思いつつ、空港の外に出ると、初めて見るマルタの景色の美しさに魅了された。
正直全然担当者が来なかった時点で、マルタに来たの失敗だったかなと思ってたけど、この景色のために来たのだと実感した。それくらい綺麗で、美しかった。
ちなみにその担当のおじいさんは学校の校長だったことを知る。笑
学校1日目
初授業。ブラジル人の男の子と仲良くなった。
マルタに来る前にレベルチェックのテストをしていたから、国籍はバラバラでも皆同じ英語のレベルで安心する。
授業中、隣の席のコロンビア人の男の子が私の回答をずっとチラチラみてきた。ごめん私文法適当だから間違ってるかもwと言いつつ、めっちゃ平然とカンニングしてくるなこいつと思いながら過ごす。
マルタは(もしかしたらこの学校だけかもだけど…)ゴリゴリのイギリス英語+イタリア訛りで、アメリカ英語で話した時に「その発音はアメリカ英語ね、正しくは○○(イギリス英語)」と先生から直されてる人がいて、おお…となった。笑
午後からは一人で探索へ。バレッタで街並みの写真撮影とお土産探し。どこをとっても映える。とにかくおしゃれで映画の中みたい。
で、周りにマルタに行くこと言っちゃったから、とにかくお土産を探す旅へ。(ちなみにこれは最終日まで続く…)
だいぶ歩いたなーと思ってたら近くにスタバがあって、マルタ限定のスタバのコップ(you are here)を買ってついでに飲み物も買って休んでいると、突然日本人の男の子に「あの、日本人ですか?」と話しかけられる。
たまたま私と同じ日にマルタに着いて別の語学学校に通っているみたいで、ちょっと話してからこんな機会だからと連絡先を交換して別れた。
私は寮に滞在したんだけど、私が滞在することになった部屋は私を含めた計3名の女性で構成されていて、その内日本人の女の子が一人いることを知った。
寮に着いてからまだ挨拶はしてなかったんだけど、その日本人の女の子が遠くで友人と話している姿が見えて、イケイケギャルと聞いてたからすぐにあの子だと気がついた。
部屋に着いて荷物を取り出していると、いかつめかつセクシーな黒人の男の子が部屋に突如入ってきて、「あ、ごめん」と言われて即出て行ったんだけど、そのあとめっちゃチュッチュ音が聞こえて、話し声で「あ、あの二人(イケイケギャルの日本人の女の子×イカつめセクシー黒人の男の子)付き合ってるのかー!」とわかる。
大学の時に海外行ったこともあったので、こういうのはある程度慣れていたし、その日本人の女の子も見た目こそイケイケだったけど「日本人ですか?」とか話しかけてくれて、普通にめちゃくちゃ優しい子だった。
実はもう一人、その部屋には女の子がいるんだけど、アジア系っぽいなってだけで、まだ一言も話してないから何も分かっていない状態。
そのあとたまたま寮の別の日本人の女の子集団とキッチンで出会って話をして、2日後にゴゾ島旅行に一緒に行くことになった。
周りは自分よりうんと年下の大学生あたりの若い子が多かったこともあって、基本的には授業以外は一人旅をするつもりだったけど、この短期間でこんなにいろんな人と関われるのかとちょっとびっくり。
学校2日目
朝、昨日スタバで会った日本人の男の子から連絡が来て夜ご飯に誘われる。日本人何人かで夜ご飯に行く予定らしい。予定は無いので快諾。
授業では昨日仲良くなったブラジル人の男の子から、ブラジルの主食が米という話を聞く。
あといろんな食事を教えてもらったんだけど、私の好きなパンがブラジル発祥であることを知る。
「ポンデケージョ」(チーズのもちもちしたパン)、あれおいしいんだよねー
寮に戻るとまたあのイカつめセクシー黒人男子が入ってきて、同じ部屋の日本人彼女を探していることがわかる。また私が昨日から新たに入ったばかりの日本人であることに気付いたみたいで、お互い「そういえば挨拶してなかったよね」ともなり、挨拶してからのしっかり握手。めっちゃこういうの海外だー
その日の夜、約束をしていた日本人の男の子と、その男の子が連れてきた二人の日本人の女の子と会ってご飯に行く。うち一人はマルタ在住歴が長くカジノで働いている女性。もう一方の女の子はその男の子と同じ学校に通う子で、話を聞くとその語学学校では授業でオンラインもあるらしいし、国籍の構成も学校によって全然違うことを知り勉強になった。
あと日本食レストランに行ったんだけど、寿司は普通に美味しかった。大体海外の日本食ってダメダメだったり、なんやこれってなるんだけど、マルタ在住日本人おすすめの料理屋はさすが違う。
ちなみにアジア料理屋は、日本料理店でも韓国とかタイとかごちゃまぜになってるところが多くて、海外らしいなぁと思う。
マルタ在住者の日本人の女の子は、マルタに一年以上住んでいるみたいで、今の恋愛対象として付き合えるのは日本人だけって言ってたのにちょっと驚いた。どうやら過去にマルタで外国人との恋愛の失敗がいくつかあったらしい。
私も過去に外国人と付き合ったことがあるから、言いたいこともわからなくもないなとは思った。
ただ、私自身の考えで言えば、日本人か外国人かといった人種を最初にフィルタリングするのではなくて、結局国籍とか問わず性格が合うのが一番だと思う。(けど今は私も付き合うなら日本人が良いなーって思う。笑)
帰ってから、明日寮の日本人のイケイケガールが出て行くことを知る。
そして代わりに数日後に新たにフランス人の女の子が別の部屋から移ってくることも知る。
部屋のもう一人の住人であるアジアンっぽい女の子も、ほぼ話したことないから、静かな子なのかなーと思いつつも「どこからきたの?」と聞いてみると、彼女はスマホを取り出した。私にそのスマホで翻訳アプリを開いて見せてきて、どうやらこれを使って会話をしたいらしい。
で、where are you from?とスマホに向かって話すと、その子がスマホに何かを話して、スマホからThailandという音声が帰ってきた。どうやらタイ出身とのこと。
これでわかったのは、その子は静かなんじゃなくて、多分あまりというかかなり英語が得意じゃなさそうだ。
多分現地ではもっと元気な子なのかも?と思う。
学校3日目(祝日)
授業は祝日でお休み。
2日前に約束していたコミノとゴゾ島旅行へ。
私、誘ってくれた日本人の女の子と、タイ人の男の子、トルコ人のおじいさん、イタリア人の女の子、ポーランド人の女の子の構成。
たのしかったー!
会った方は日本人の子以外初対面だったし年齢幅も色々だったけど、全員明るくてすごく楽しく話せた。みんなで写真も撮ったりして。
あと、マルタが初海外って言ってる子がいてびっくり。
確かに女一人で夜歩いてても危険が無くて安全だし、街並みは綺麗だし、どこでも英語使えるからマルタを初海外として選択するのは(日本から遠いのはネックだけど)正解かも。
朝早くから出発して、皆で船に乗って島に行った。船は途中めっちゃ揺れた。バウンスした。
なんと言っても海が綺麗すぎた。透き通った綺麗すぎる海。
ちゃんとそんな綺麗な海にも入れた。
ビーチには祝日だからか人がたくさんいたな。
マルタでは水着必須だと改めて思った。留学前に、1人で旅行行くから水着着ないかもなぁと思いつつ「海外の休日=海に行く」っていう方程式あるよねと思って念の為持っていったけど、ちゃんとしっかり海に入った。
日焼けをした赤くなった肌で寮に帰宅。
今日から日本人のイケイケガールが別の国に行くためにいなくなって(そういえばあのイカつめセクシー黒人彼氏くんどうするのかな)、代わりに別の部屋にいたフランス人の女の子が明後日から私たちの部屋に来ることになった。
夜に部屋に帰ってきた私を見て、そのフランス人の子が話しかけてくる。
「実はこの部屋に引っ越す時に窓際(前にいた日本人の子が使っていた空きベッド)じゃなくて、ドア側のベッド(今タイ人の子が使っているところ)にしたいんだよね」と言われる。
で、私は真ん中のベッドを使ってるから、今この部屋でドア側のベッドを使っている子が帰ってきたらその話をしたいと言われ、どんな子かわかる?と聞かれる。
「その子はタイ人ってことと、多分ちょっと静かで、あと昨日話しかけたときに翻訳機出されたから、あまり英語が得意じゃないかも…?」って話をして、まぁ最悪翻訳機使って伝えられるか!って話になった。
で、1時間後くらいにそのタイ人の子が帰ってきて、「新しくこの部屋に来る子がベッドの場所を変えたいらしいんだけど」って話したら、またすぐ翻訳機を出してきたから、とりあえずフランス人の子が今住んでいる部屋に連れて行って二人を対面させる。
フランス人の子とタイ人の子が、お互い翻訳機でフランス語とタイ語をスマホに話しては渡し合う光景を眺める日本人の私、という奇妙な光景が出来上がる。
けど、どうもタイ人の子が翻訳機経由では全ての内容が伝わりきらなかったみたいで、突如そのタイ人の子は英語が話せる別のタイ人の友人に電話をかけ始めた。
そこで電話越しでフランス人の子とタイ人の子の英語が話せる友人と話をして、その友人がタイ人の子にタイ語で内容を伝えるという構図でやっと意図が伝わったらしい。明後日の引越日にベッドの位置を変えるってことでokになった。
けど、その話が終わってからフランス人の子が私に「英語が苦手とは聞いてたけど、ここまで話さないとは思わなかった…この子YESしか言ってないよね」と話しかける。
「英語できないとしても、英語を少しでも話そうとした方がまだ良いよね」と呆れ顔。
「確かに私もここまで英語話そうとしない子とは思わなかったかも」と私が彼女に言うと、
「せっかく英語学びに来たんだから、英語で話そうとしないのはどうかと思うな。」と言って、
「正直今までここにいた日本人の子もそういう子が多いと思ってたんだけど、あなたは違うね。」と私に対して言われた。
心の中で、あー。と思った。実はそれ、英語で返せないんじゃなくて、英語でどう言えばいいかすらわかってないんだよ、と。
今までの私を振り返ると、学生時代の自分は全然英語ができなくて、特に話の内容がわかったとしても返事をどう英語で言えば良いかわからず、会話が止まることがあった。で、怪訝な顔をされることがあった。
あとこれは海外に行った時の話じゃないけど、転職活動の時に面接官から「そのTOEICの点数はいくらでもいるんだよね(当時650点)」と言われたこともあった。
(ちなみにその会社の面接の時は他にも信じれないくらい時代錯誤的な発言「兄弟いるの?」「女は結婚して辞めることあるし」とか言われて腹が立ち、最後の「何か質問ある?」で「無いので帰ります。」と言って直帰した思い出がある。笑 )
けど、特にTOEICの点数は英語が得意というほどでも無い微妙すぎる点数と分かりきってたからこそ、言われて一番きつかった。
まぁ、こんなふうにとにかく今まで自分自身の英語力の不足で嫌だったり悔しい経験をしたことがたくさんあった。
今はずっと外資で働いてることもあるし、自分がコツコツ勉強して積み上げてきたからこそ、英語を話す機会で(例え文法めちゃくちゃでも)ある程度は物怖じせず話せるようになったけど、もしかするとあのタイ人の子は昔の私に近いのかもな、なんて思うようになった。
ちなみに私とフランス人の子がこの話をしてる間もすぐ隣にタイ人の子はいたんだけど、多分話が分かってなくてぼーっとしてた。
学校4日目
午前中の授業が終わってから、午後はお土産探しの旅に一人でスリーマへ。
個人的に一番好きな街かもなと思う。
あと念願のパスティッツィも食べた。
パイ生地の中にリコッタチーズが入っていて本当に美味しかった。片手で持てるハンディサイズだし、マルタ来たなら絶対食べるべし。
今日からタイ人の子に、会うたびにHiと言ってみるようにした。あとタイのどこに住んでるの?と聞いてみて、やっぱり翻訳機は使ったけど、チェンマイとのこと。
私パッタイ好きでタイに行ってみたいんだよねーっていうと、パッタイ!トムヤンクン!って言われた。かわいい。笑
学校5日目
レッスン中に先生が今考えてる「丸いもの」を5つ答えてという質問があったんだけど、ボールとか時計とかは正解じゃなくて、他に思いつくもので「ジ・アース!!」って言ったらなぜか教室中爆笑になった。
私結構真剣に言ったのに、笑いのツボが謎すぎる…
あと前から授業中によく話していたブラジル人の男の子がレッスンの最終日だったので握手して別れる。
ブラジル人の男の子からは彼女との恋愛話を色々聞いて、恋愛ってどの国でも難しいなぁと思ったな。けどいい奴だった。ポンデケージョを帰国してから食べることを決意。
レッスン終わりにゴゾ島の旅行に一緒に行ったトルコ人のおじいさんからご飯に行こうと誘われていたので、ご飯行って近くの海を見に行った。
「君はゲストだから」とご飯おごってもらってラッキー。
日本人はとてもジェントルマンで肌綺麗で良い人ばっかり、と言われた。(代わりに他の国のこと貶してたけどそれぞれ良いところあるよねっ)
英語を勉強しにマルタに来ているおじいちゃんだけど、実は英語初心者クラスに在籍してて英語が結構おぼつかない。
なのに現地人に間違えられる風貌をしていて、けどレストランでも店員さんの言うことが全部わからず、私が代わりに説明し直してた。カオス。
けどめっちゃ良い人。トルコの家や息子さんの写真をたくさん見せてくれた。次行くのはトルコだね!とも言われた。笑
それにしても、おじいさんになっても英語勉強しよう!って一人で他の国行くのすごいなー
最終日
私の最後のレッスンが終わって、修了証をもらう。荷物を片付けて、いよいよ帰るのかと思い少し切なくなる。
近くのスーパーでお土産の食材をいくつか購入して準備完了。
だがしかし。
学校から空港への送り迎えがあるのに、またしても遅れてくる校長。
15分前に学校前に来てね!と散々言われてちゃんと時間通りに着いたのに全然こない。(もうデポジット返してもらった?と他の人から言われたけど誰からもらうのかも何も説明がない)
その間先生を呼びに行ってくれたり、重たい荷物を運んでくれた日本人の子たち、本当に感謝しかない…思えば寮の人たちも、数回顔見たくらいの私にも国籍問わず皆優しくしてくれたな。
またヘラヘラした顔で遅れてやってきて「元気?」って言ってきた校長みて、こっちは飛行機の時間ギリギリなんだぞと思いつつも、帰りに綺麗なマルタを見ながらエモくなりつつ空港へ。
今回私が帰りに乗るのはエアーフランス。
せっかく久々の海外で一人ヨーロッパだから、フランス経由で帰りたくなって帰りの便だけ奮発。
海外の飛行機の飲み物/食べ物サービスで自分の番が来る時って毎回ドキドキするんだけど、今回エアーフランスで周りフランス人ばっかりだから、フランス語で言われるかな…でも私外国人だし英語で聞かれるかな…とか考えてたら、いざ私の番で男性のCAさんから「ノミモノハ、ナニガホシイデスカッ!!(やや早口)」って日本語で聞かれる初めての経験をする。面食らった。笑
多分飛行機に乗ってる日本人私だけだったはずだし、まだコロナ禍の影響で日本人もヨーロッパ来る人少なかっただろうから、私がちょっとドキドキしてる間に男性のCAさんも「唯一の日本人だ!これは俺の日本語の使い所!」ってなったのかもって思った。
日本発着の飛行機とかでもなかったのに、他の国の人のことも考えてくれるなんて素敵だな〜!!
ちなみに飲み物のゴミ渡すときも「ドウモッ!!(やっぱりやや早口だけどかわいい)」って言われて、それは不意打ちすぎてさすがに笑いかけた笑
サヨナラ!ガンバッテ、トーキョーマデ!
着陸した後、飛行機から降りる時にもそのCAさんに目を合わせて言われた。すごく良い笑顔で。
私は「がんばります!」とガッツポーズをした。
なんだか晴れやかだった。
マルタの美しい街や海の景色や、短くても物凄く濃かった1週間の記憶が私の頭の中を巡った。
よし、がんばるぞー。
その言葉を胸に私は東京に向かう飛行機へと向かっていった。