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デザイナー9年め、転職4回。「ここだ」と思える場所にいたるまで。これまでの転職活動を振り返ってみた。


みなさんこんにちは、初めまして、kogamiです。

デジタル領域をメインとする、クライアントワークの会社に勤めています。
そこで、デザイナー、そしてマネージャーをしています。


年末年始、自分のキャリアについて見つめる時間を持つ方も多くいらっしゃるのではないかと思います。
いいタイミングなので、わたしのこれまでの転職活動について書いてみようと思います。

わたしは割と転職回数が多い方かなと思うのですが、今の会社に入った一番直近の転職活動が、一番うまくいった感覚があります。
実はこのnote、しばらく前に書き始めていたのですが、「この転職が成功だった」と言い切っていいくらいまでは温めておこうと思っていました。そして、入社して3年以上経った今なら、もう自信を持って言えるな、と思ったので出そうと思います。

この時期、春くらいの転職に向けて動き出す方も多いのかなと思っていて、そんなどなたかの転職活動の、少しでも参考になることが書けたらいいなーと思っています!



業務内容しか気にしていなかった1〜3年め


わたしは、大学を出た後に専門学校でグラフィックデザインを学び、そこからwebデザイナーとしてキャリアをスタート、その後UIデザイナーとして働いてきました。

社会人1〜3年目は、とにかく早く一人前のデザイナーになりたかった。
なので、「スキルアップできるかどうか」をメインに考えて会社や環境を選択してきました。(というかほとんどそれしか考えてなかった)

「いまの環境ではこれ以上経験が広がらない・スキルアップできない」と感じるとすぐに転職をする形で、3年間で2回所属する会社が変わりました。

経験不足ゆえの壁には何度もぶち当たりながらも、幸い、どの会社にいる時にも環境や人にとても恵まれ、基本的には楽しく仕事をしていました。
少しずつですが着実に、ステップアップしていけている実感もありました。

そんな中、もともと忙しかった参画プロジェクトがさらに忙しくなるタイミングがあり、1人でかなり抱え込んでしまった時期がありました。

業務量や時間的にもですが、
今当時を振り返ると、過度に自分で自分にプレッシャーをかけてしまっていたことや、デザイナーが多くない環境でずっとやってきていたのもあり、人への頼り方がわからなかったことが大きかったなと思います。

それでも仕事自体は楽しくてやりがいもあったので、ずっと前のめりに取り組んでいたのですが、ついに体をこわしてしまいました。
詳しくは割愛しますが、いろいろあって、休職することになりました。

休職、そして3度めの転職


休職期間に入ってしばらく経つと、徐々に自分が回復しつつあることにホッとすると同時に、だんだん、「わたしは今後もデザイナーとしてやっていけるのだろうか」という不安も抱くようになります。

デザイナーとしてまだまだ足りない自分だということは自覚していて、
もっともっと吸収しないといけないこともあるし
もっともっと経験を積んでいく必要があるなと思っていました。

でもまた、同じようなことになってしまわないか?自分にはこれからも走り続けられる力があるのだろうか?向き合い続けられるのだろうか?
と、自問自答する期間を過ごしました。

そこで、今度はデザイナー以外の道も視野に入れつつ、転職活動をすることを決意します。

そうして実際にデザイナー以外の求人にもいくつか応募もしてみましたが、いまいちしっくりこず、結局自分が心からやりたい!と思えるのはデザイナーの仕事でした。

ああ、自分はこれからもデザインをやっていきたいんだな、とその転職活動を経て改めて自覚したわたしは、次に考えたのは、「ワークライフバランス」でした。

この時はまだ、休職することになったのは業務量や時間的に忙しすぎたからだ、そのせいで不調になったんだ、と思い込んでいました。
なので、よし、今度はワークライフバランスを重視する会社に行こう!と思うようになります。(今思うとめちゃくちゃ短絡的ですが…)

そして転職エージェントさんにお世話になりながら転職活動をし、内定をいただいたうちの1社に入社します。

もやもやの原因を一つひとつ言語化


ちょうどコロナ禍に入った頃で、完全フルリモートでの入社になりました。

個人的には初めてのリモートワークでしたが、活発にコミュニケーションをとる文化はそこまでない会社だったので、1人でただ粛々と仕事をしていました。
ほとんどの人の顔もわからない状態のままやりとりして、与えられたタスクをこなしていく...
なにがわからないのかもわからない状態でどうにかこうにか手探りでやっていく。

特に、楽しい!と思うこともなく
淡々と、粛々と仕事をする日々でした。

世の中がまだまだ大変で混乱している状況だったので
この時期に転職できたことだけでもすごい、
雇ってくれる会社があってよかったね、
と言われることも多かったですし、
実際自分でもそう言い聞かせていたところもありました。

その前の会社を割と短期間で退職したのもあって
こんなわたしを歓迎してくれた会社だから頑張らなきゃ、と。
(実際、とても感謝しています!)


だけど、なんだか、もやもやする。

今すぐやめたいとかではない、でも、毎日とても、もやもやする。

ただただなんとなく落ち込むような日々も続きましたが、
このままじゃダメだ!と、
もやもやの1つひとつを、言語化していくことを始めました。

なんでもやもやしているんだろう?
自分は何にひっかかっているんだろう?
どういう時にもやもやするんだろう?
逆に、どうだったらすっきりするんだろう?

ひたすらノートに書き出しながら、自分なりの解を書いていく。
それを通して、これまでのわたしの転職活動のやり方がよくなかったことを、初めて自覚しました。

「何ができるか(できるようになれるか)」「どういう経験が積めるのか」という業務内容ばかりに注目して転職し続けてきたわたし。
そこに今回は「ワークライフバランス」が加わった。

でも、そもそも本当に見るべきなのはそこじゃなかったんだ、ということに気がつきました。

業務内容ばかり重視していたら、それが想定と違ったときにモチベーションが落ちてしまう。(けど実際は入社前に聞いてたのと違うことや途中で変わることなんてどこの会社でも割とよくある)
ワークライフバランスが良くても、"ワーク"が楽しくなきゃそれにひっぱられて"ライフ"も良くなりえない。

わたしは、自分が本当に見るべきだったことを見つけるため、これまでで最も時間をかけた、自己分析を始めることにしました。

たくさん本を読み、自分と向き合う


わたしはこれまで、「自己分析」をあまりしたことがありませんでした。

大学生の頃には一度就職活動も経験していましたが、
並行してやっていた卒業研究や実習の方が忙しかったので、自己分析と言っても形ばかりのもので、正直そこまで深く向き合えていなかったと思います。
(あと当時はあんまりやることに意味を見いだせていなかった)

キャリアの最初の頃は主に人の紹介で就職や転職をしていましたし、
割と感覚的に生きてきたところもあり、
時間をかけて自分と向き合い、自分の軸を明確に言語化する、ということをやったのは初めてでした。

自己分析の最初のとっかかりになったなと思うのは、こちらの本です。

「苦しかったときの話をしようか / 森岡毅」

USJ復活の立役者、森岡さんが、もともとはご自身の娘さんのために書いたもの。
めちゃくちゃ刺さる内容が多かったです。

他にもたくさんの本を読んだり、いろんなイベントに参加したりして、自己分析のヒントを集めていきました。
数年前のため少し古くなってるものも多いので、あと2冊だけご紹介します。

「チーズはどこへ消えた? / スペンサー・ジョンソン」

「いまの職場、ラスト3か月 / 渋谷文武」

並走してくれたキャリアデザイナーさんの存在


実は、一度しっかり自己分析してみよう、と思えるようになったきっかけの一つが、ReDesignerさんとSHEさん主催のオンラインイベントでした。

そこでReDesignerのキャリアデザイナー、宮本さん(今は事業責任者をされています)が登壇されていて、そのお話がとても印象に残ったのです。

- 自己分析とは、過去の自分と向き合うこと
- 過去の自分の意思決定のタイミングを振り返り、その時の決め手がなんだったのかを把握することが鍵
- 自分が大事にしたいことと、会社が大事にしていることがずれていると、力を発揮できない

など…
きっと就職活動や転職活動をする上では当たり前の視点なのかもしれませんが、それまでのわたしには足りていない部分でした。

今回の転職活動では、わたしにそんな視点をくれた宮本さんに、並走していただくことができました。
期限を決めない転職活動は初めてだったので、いつまでにどの状態を目指すのか、どう準備し、どう探していくのか、というところから親身に相談に乗ってくださり、真っ暗だった道に一つひとつ街灯をつけていってくださいました。


自分の求める条件をリストアップし、丁寧に向き合う


自分が何にもやもやするのかや、逆にどういうときに嬉しいと感じるのか、過去のどんな場面でどんな意思決定をしたのか、などを自己分析していった結果、自分が会社に求める条件が明確になっていきました。

例えば…

- デザイナーが複数人いる体制か(チームで働けるか)
- ユーザー目線でサービスに携われるか
- 仕事のテンポ感、スピード感などが合っていると感じるか
- できること、できないことを素直に言えそうか
- 自分が貢献できると思えそうか
- 会社やチームに改善点を提案したときに、向き合ってもらえそうか
などなど…


ちょっと簡略化していますがこんな感じでリストアップしていました。
それをスプレッドシートでリストにし、優先順位をつけて、「必須条件」と「できれば条件」を整理しました。(今改めて数えたら全部で36項目ありました)

当時使っていたシート。項目を分類して管理。

このシートを使いながら、求人をご紹介いただいた企業さんのことをそれぞれ確認し、同時に当時の現職についてもチェックしました。
これも大事なことだったなと思っていて、転職活動をした結果、「今の環境にいる方がいい」となる可能性もあると思います。
今の環境にもやもやしていることがあると、新しい環境のほうがよく見えがちなものなので、こうしたリストを使って、現職のことも冷静に見るようにしたのはよかったです。

お見送りが続き、方向転換

このリストを引っ提げて、いざ実際いくつかの企業さんを受けました。が、いくつか面接には進めたものの、最初のほうはどの企業さんからもほぼお見送りという結果でした。

今までで一番自分と向き合えていた感覚もありましたし、ポートフォリオも時間をかけて一新し当時の自分なりには精一杯のものを作っていました。
でも、お見送りが続いたことや「ここしかない!」という感覚をあまり持てないままでおり、わたしはまだ何かを見落としているかもしれない、と感じます。
もちろん自信もなくしましたが、しっかり向き合っていた自覚があったからこそ、そう視点を切り替えられたのだと思います。

わたしは何を見落としていたのか。

実は、この転職活動の開始当初は、事業会社を希望していました。

ざっくり言うと、じっくりとデザインに向き合える環境、たくさんのデザイナーがいて相談できる環境、プライベートも大切にできる環境を求めており、事業会社のほうがそれらが満たされているイメージがしやすかったからです。

あと、クライアントワークの会社よりも外から見て何をやるかがわかりやすい分、入社後のギャップが少ないだろう、というような感覚も大きかったと思います。

でもそれって、クライアントワークだからって、自分の求める条件を満たしている企業がないわけじゃないんですよね。
そして、わたし自身についても言うと、「この事業に貢献したい」とか、「このサービスだからやりたい!」と思えるほどの熱量を持てていなかった、とも気がつきました。どちらかというと「役に立つならなんでもやりたい」「いろいろやりたい」タイプでした。
つまり、事業会社よりもクライアントワークのほうが合っている可能性がありました。(今思えばなぜもっと早く気づかなかったんだ、と思いますが)

そのことに気がついて、もう少し視野を広げて、クライアントワークの企業さんも見てみたい、と伝え、何社かご紹介いただきました。

常にリストの項目も更新していきました。
一度「こうだ!」と思っても「ん?なんか違うかも?」となったらまた向き合えばいいんだと思います。そうやって精度が少しずつ上がっていくんだろうなと思うのです。

また、それまでに受けた企業さんからのフィードバックで、「推進力に不安がある」ということをちょこちょこ言われており、「なるほど、では今後はそこもアピールしていこう」という改善もできました。
(面接を経ての感想やフィードバックの内容なども全部スプレッドシートで管理しており、それを元にまたリストを更新したりもしていました)

転職活動中は、長引けば長引くほど、どうしても「はやく終わらせたい」となっていくと思いますが、「こう」と決めつけずに常に試行錯誤を続けることが大事なんだなと思いました。

(その間もずっと丁寧にフォローしてくださったReDesigner宮本さんの力は本当に大きかったです、感謝でしかないです)

しっくりくる場所はきっとある


4度めの転職活動の結果、今の会社のことを知って、そこからは、驚くほどにとてもすんなり決まりました。
今までのはなんだったんだろう、というくらいにスムーズでした。笑
「ああ、わたしが求めていたのはこういうところだったんだ」と、出会ってから気づかされたまでありました。

自己分析を本格的に始めたのが10月ごろ、企業との面接を受け始めたのが2月、決まったのは4月です。


会社って、それはもう、めちゃくちゃいっぱいあるんですよね。
もちろん、その中で自分が求めていて、かつ自分を求めてくれる会社に出会うのは、大変です。

かつ、タイミングというのもめちゃくちゃ大きいです。今じゃなかったら、何年後だったら違ってたかも、というような。
(これは今の会社に入って採用を「する側」になってからより感じます)

だけど、なんにせよ会社はいっぱいあるので、探せばきっとあります。
かくいう私も、出会うまでは、これ、もう無理じゃないか…?と思っていました。やっぱり妥協って必要なのか…?そもそもわたしには無理なのか…?とも思い始めていました。
けれど、出会えました。

最後は根性論みたいになってしまいますが、諦めない気持ちと、冷静に自分と企業のことを見る姿勢と、実際の行動があれば、きっと見つかるんだと思います。


わたしは今の会社に入って3年半が経ちますが、入社してから一度も、「この会社じゃなかったな」と思ったことはありません。
もちろんどこの会社にもいろんな課題はあると思いますし、今の会社にもあります。

でも、自分が本当に大事にしたい点は満たしているので、この会社のために、改善のために、自分自身で動くことができています。

なにも、ただ転職をすることが正しいとは思いませんが、もし今の環境にもやもやしていることがあるのなら、一度向き合ってみてもいいのではと思います。


まとめ


ここまで読んでいただいてありがとうございます!

以上が、デザイナー歴9年めのわたしが、4回の転職活動を経て、そしてその間にさまざまな環境での経験と、自己分析を経て、考えたことや感じたことでした。

長くなってしまいましたが、まとめるとこんな感じかなと…!

転職活動をする上で大切にしたいこと
①もやもやしたら、それを言語化する
②過去の意思決定も振り返りながらさらに深掘りして、自分の大事にしたいことをリストアップする
③自分の中だけで考えず、本を読んだり、人の話を聞いたりする
④新しい環境に目を向けることを決めてからも、今の環境のことも冷静に見る
⑤選考期間中にも、自分の軸や大事にしたいことには向き合い続け、更新していく。方向転換も恐れない
⑥選考で感じた自分の感想や、受けたフィードバックはその後の活動に活かす
⑦諦めない気持ちを持ち続ける

自分が何にもやもやして、何を嬉しいと思うのか、に向き合うことは、きっと転職活動に限らず、とても大切なことだと思います。

わたしもまたこの年末年始のタイミングで、改めて「いまの自分はどうかな?」を考えてみようと思います。

これを読んでくださっている皆さまはどんな方かわからないのですが、キャリアに向き合っている方は、ご自身にとってのいいキャリアを積み上げていけることを、そうでない方も、皆さんにとってのよい日々を、過ごされることを願います。


またお会いしましょう👋

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