流れゆく時間の中で。アートと巡る「白井屋ホテル」
のんびりと五感を開放できるような旅がしたかった。
バタバタと過ぎていく日常の電車から降りて、ゆっくりと五感を使って味わえるような体験がしたくて。
特急に乗って東京から一本、桐生でのんびりと自然の中を巡ったその日の夕方、ずっと気になっていたホテルへ宿泊することができました。
巡りめぐる吹き抜け空間
時間も結構遅くなってしまった午後。
ホテルのエントランスを入った目の前には、杉本博司のアート作品が出迎えてくれました。
隣を向くと、大きな吹き抜けの大空間が。
レアンドロ・エルリッヒの光の配管と植物、螺旋階段が大きな吹き抜け空間に組み込まれていて、不思議な雰囲気を出していました。
チェックインをした後、時間帯も遅かったため吹き抜け空間のライティングが夜仕様になっていました。
青く光る配管がかっこいい。。。
色んな空間の生まれている不思議な吹き抜け空間をぐるぐると巡ってみました。
ここの吹き抜け、色合いもとても好みなのですが、
螺旋階段、廊下、梁、パイプ、植物、アート、、、
吹き抜けの空間を構成する様々なものによって、大小様々な空間が生まれて、動いて、ただ歩くだけでも楽しかったです。
階段を少し降りると梁やパイプの見え方が変わって新しい空間を発見したり、隅にある小さなベンチに座ると落ち着いたり、螺旋階段を巡ると今までと違う景色が見えたり。
巡ることで色々な発見がある、美しい空間でした。
部屋ごとに異なるコンセプトが楽しい
白井屋ホテルには、部屋ごとに色んなアーティストや建築家の手がけたお部屋があります。
今回泊まったお部屋は、ブライアン・アルフレッドの作品が展示されているお部屋。
お部屋は、細部までこだわりが詰め込まれており、たくさんのワクワクするポイントがありました。
インテリアは、モノトーンを基調とした空間。
既存のコンクリートの感じを生かして床のカーペットやカーテンも部屋仕様に作られているそう。このカーテンがすごく繊細でかわいかった〜
壁に飾られているアートは、ブライアン・アルフレッドが描いたもので、3作品飾られていました。
家具は全体的にインダストリアルな感じで、無骨さと繊細さが入り混じった感じがとても好きでした。
バスルームのタイルも可愛くて。
アメニティは、「OSAJI」の商品でまとめられているのも嬉しい。
お部屋には、前橋の人々にとって馴染み深い「上毛かるた」が。
他にも建築家のデザインした部屋やアーティストのデザインした部屋などバリエーション豊富だったので、次は他の部屋にも泊まってみたいな。
ホテルに散りばめられたアートを巡るツアー
ホテルには、至るところにアート作品が散りばめられています。
白井屋ホテルでは、ツアーを申し込むと、その時間にホテルにあちこちに飾られているアート作品のツアーをしてもらえます。
作品が空間の色んなところにありすぎて全部は紹介しきれないのですが、一部好きだった作品を載せていきます。
まずは、レセプションの背景に飾られている杉本博司さんの「ガリラヤ湖、ゴラン」。この佇まいが本当にかっこいい、、、
それから、レアンドロ・エレルッヒの「ライティング・パイプ」。
かつて通っていた配管などをイメージして、樹脂製のパイプに照明を仕込んでいるそうです。時間帯によって照明の色が変化するので、色んな雰囲気の空間を体験できます。
また、この吹き抜け空間には上から下に大きな滝のようにテキスタイルがかかっています。
安東陽子さんの「Lightfalls」。
金属の繊維のようなものを編み込んでいるらしくて、光に当たるとキラキラしていました。大きな吹き抜け空間にナチュラルに溶け込みつつも存在感もあり、個人的にもとても好きな作品でした。
吹き抜け空間には、他にも色んなアート作品も壁に掛けられていました。
吹き抜け奥のラウンジでは、有名なデザイナーの照明や家具がたくさん置かれています。朝食やディナーをいただくときは、好きな家具を見つけてそこで食事ができるのが嬉しい!
宿泊についていた朝食はこのラウンジでいただきましたが、豊かな空間と素敵な家具に囲まれて料理も美味しくて、とても素敵な時間になりました。
ツアーでは、いくつか泊まらなかった他のお部屋も見せてもらうことができました。
お部屋のデザインやコンセプトの説明もしてもらえるのが嬉しい。
特徴的なパイプのデザインが椅子やプロダクトにも使われているのがかわいい。
屋外にも、たくさんのアート作品があります。
宮島達男さんの「LIFE」シリーズと「Time Neon」。
ホテルの中に置かれたアート作品なので、夜や朝など時間帯によって色々な作品の見え方をしていたのが面白かったです。
ぐるぐるとホテルを巡りながら色んなアート作品を鑑賞できました。
街に溶け込んだ広場のようなホテル
アートホテルというと、ついつい奇抜な雰囲気のホテルになったりしているものも多く見かけますが、この場所は不思議と落ち着いていました。
色々な個性のアート作品がたくさん散りばめられていたり、ぐるぐると巡り続けたくなる不思議な感覚になる吹き抜け、色んな要素が集まって、外へ広がっていくような広場のようなホテルだなあと思いました。
大通りとは反対側のグリーンタワー側には、ブルーボトルコーヒーと白井屋ベーカリーがあります。
どちらも街にオープンなお店で、近所の方かな?と思われる人たちがたくさん訪れていました。
個人的に、この山のような芝生の緑に白い小さな建物や階段がポツポツとある感じがすごく好きでした。
内部の吹き抜けやお部屋などの贅沢でリッチな空間と街に溶け込んでいくナチュラルな空間。
相反するようで、お互いに重なり合っていて、それがまた不思議な魅力を作り出している気がします。
まだまだ色んな魅力が隠れていそうで、またゆっくりとできる時間を見つけて訪れたいです。
ホテルのスケッチももっと色々描いていきたいな〜
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