平床寝台のすすめ
平床寝台(へいしょうしんだい)というのは、平らな板の上で寝るという睡眠方法です。
念のために断っておくと、私は「○○式健康法」とかなんとかいう特定の健康法を実践しているわけではありません。
「硬めの平面で寝る」ことの効用は、欧米でも知られています。背骨や骨盤のゆがみを矯正する効果がある、と言われています。ただし、仰向けに寝ることが前提です。
ベッドで寝ていたときは、私は横向きでないと寝られませんでしたが、今は仰向けで寝られます。慣れたせいもあり、また、現時点では冬物寝具として使っている寝袋の敷き部分が下にあるので、寝がえりも普通に打てています(たぶん)。
背骨や骨盤が歪んでいる人は、最初は体の節々に痛みを感じるそうです。でも、私はもともと固めのマットが好きだったせいか、床で寝だした当初から問題ありませんでした。
平床寝台を始めたきっかけ
私が始めて床に寝てみたきっかけは、実は断捨離ともミニマリズムとも関係がありません。
数年前、海外での学会からの帰り、長距離飛行で疲れていたのと、空港から自宅最寄りの駅までの電車の中で、変な姿勢でうたた寝したのがたたって、駅に降り立った瞬間、ぎっくり腰になりました。
うちまで何とか帰りつきましたが、自宅にタッチダウンしたところから、もう何もできず。
一晩安静にしたあと、這うようにしてパソコンまでたどり着き、応急処置に効くというストレッチを調べて実践し、その翌日には出勤しました。
でも、やっぱり痛い。。。
ふだんは大股でガシガシ歩いているのに、いつになくスローな私を見て、隣の研究室にいるイラン人の教授(60代)が「どしたん?」と聞いてきました。
腰いわしました、と答えると、その教授彼が、「そういう時は、床の上にヨガマットかなんかを敷いて、仰向けに寝るべし」と教えてくれました。
さっそく試したところ(ストレッチも並行して行いましたが)、2、3日で治りました。イラン人の教授、さすがは歳の功です。こういうことは年長者に聞いてみるに限ります。
当時、私の自宅にはクィーンサイズのベッドがまだ寝室にあったので、リビングで床寝しました。腰痛が治ったあとは、ベッドに戻ってしまいましたが。
平床寝台をする際に考慮すべき点
ベッド断捨離後、私は床に寝ていますが、ぐっすり寝られます。
冬場は寒いので、断熱効果を上げるために、現在はベニヤ合板とキャンピングマットを下に敷いています。タオルケットでもいいかもしれません。すでに書きましたが、板一枚あるだけで、随分違います。
でも、使用する板を買う際は、それなりに投資が必要です。安物の板はきつい薬品を使っていたり、逆に、まれに虫がつくこともあるらしいです。また、薄いものは断熱効果が低いです。
平床寝台には桐の板がいいという説もありますが(なんでも、暖かいらしいです)、値段がはるので、費用対効果を考えるとそこまでする必要はないような気がします。
ただ、板とキャンピングマットを敷くことで寒さはクリアできるとしても、ホコリの問題は付きまといます。
(マットレスはもっと問題あり ⇒ マットレスを床にじか引きするのが良くない理由)
ホコリがたまるのは、床上20-30㎝あたりと言われています。したがって、大体のベッドはこのくらいの高さになるように作られています。
いろいろ考慮すると、個人的には、ベッド・フレームの上にベニヤ板を敷いて、その上に寝て平床寝台とする、というのがベストな気がします。
フローリングの床にじかに寝るより暖かいでしょうし、ホコリも避けられます。また、高さがあるので、寝床から起きやすいです。
結局ベッドなんでしょうか。
まぁ、以前大きなベッドを持っていたことを考えれば、シングルサイズの安いパイプベッドだったら、ダウンサイズしたともいえるし、買いなおしてもいいかなぁと思います。
寒さだけについて言えば、ベッドなしでも今のところ大丈夫なので、急いで新しいベッドを買いに走る必要はありません。
今年のクリスマスプレゼントのウィッシュ・リストには、「パイプベッドのシングル、色は白を希望」と書いて、サンタクロースに提出したいと思います。