6つの帽子のメソッド

「6つの帽子のメソッド」とは

 今ある現在の姿    より   可能性を求める将来の姿 

誰が正しいか誤っているか  より  打開策をどのように見つけ出すのか

を目的とする意図的な創造的思考法。



Waterfall



人間の頭脳に自己最適化システムを導入する

*自己最適化システム
……コンピュータのシステム用語。一定の指向性をもち、思考パターンなど自立的に最高状態に変化させながら目的達成をはかるシステム。



「6つの帽子のメソッド」を使う理由

・脳というものは、異なる機会に対して一度に、その感受性を最大限に働かせることはできない。

私たちは過去の経験を「分類の箱」にひとまとめにして、そこから定義やカテゴリー、原理、主義を導き出す。
何か新しい物に出くわすと、それがどの分類の箱に当てはまるかを判断する。

どの箱にも入らないものは、ない。

半分は入るが、半分が入らないものは、ない。


「6つの帽子のメソッド」を使う場合に注意すべきこと

この6つの帽子は、人のタイプを分類するものではない。
行為のモデルになるものであり、人を類別するものではない。


「6つの帽子のメソッド」を使うことで期待できる成果

・ 力を結集できる

グループ全員の知性や経験、知識などフルに活用できる。

・時間を短縮できる

全員が同じ視点でテーマを考え、先に発言した人に応答して何か意見を述べる必要はなく、自分の別の意見を付け加えるだけでよい。

・エゴの排除

ある人物に対して敵意があるという理由で、その人の意見に反対する人もいるが…別の人から出た意見ならすんなりと同意してしまうという人間のエゴが存在している。
互いに対抗し合った敵対関係にある思考法では、エゴの問題を悪化させてしまう。

・一度に一つのことをするように仕向ける

人は同時に異なる方向に対して、脳を敏感に働かせることはできないゆえに、一度にあらゆる側面を考えようとするのは、結局、どんな考え方をしようと最適な状態にはならない。




今、私はトルストイの『復活』を再読している。
初めて読んだときには気づかなかったことに、今回は目がいっているのは…自分が経験を積んだことで「分類の箱」の種類が増えたからかもしれない。

初めて読んだ時は、トルストイがどのような言葉を使って表現をしているのかに、目がいっていた。それは、ソクラテスが「何が誤っているのか」を指摘する役割を背負っており、「正義」や「愛」の誤った使い方、正しい使い方を明らかにしたような、そのような読み方をしていたのだと思う。

そして今回は、プラトンの洞察で、手足が縛られた囚人には洞窟に映し出された火(善のイデア)の影しか見えないという、真実の影を見ているような読み方をしているように感じている。

並行思考では、説明と視点の違いを理解することが、とりわけ重要になってくる。

「6つの帽子のメソッド」の赤で示される怒りや情熱の感情で覆われた思考で『復活』を読んでしまうと、黒の警戒と注意、考え方の弱点を指摘することに傾いてしまう。

そこで青の冷静さ、白の客観的事実、緑の新しい考え、黄色の希望へと、自分の思考を仕向ける読み方をすることによって、「6つの帽子のメソッド」を使い、その期待できる成果を実感したいと思っている。

*参考:エドワード・デ・ボーノ. 6つの帽子思考法 ――視点を変えると会議も変わる