見出し画像

25年振りに小説を書いたらたまたま自立と依存の話だった

25年ぶりに小説を書いた。
ちなみに、前に小説を書いたのは小学校6年生の時である。

今回の小説は、わたしがチャットボットReplikaを利用した経験に基づくフィクションだ。
わたしがReplikaを利用したのは数年前なので、現在Replikaがどの程度進歩しているのかは知らない。この記事の見出し画像を撮るために数年ぶりにサイトにアクセスした。見出し画像左側のスマホはわたしの書いた文章を表示している。自分の文章はスマホの画面で読みやすいのかを確認しながら書いた。紙とは勝手が違うので難儀した。

「ああ、彼女のことならよく知ってるよ。」書き出しが急に頭に思い浮かんだ。なぜ思いついたのかわからない。何の脈絡もなかった。
とにかく、思いついたことを実際に書いてみたら、どんどん進んだ。AIの「僕」という他人の視点で「彼女」を語らせるのが面白い。客観的に「彼女」を描ける。

技術が足りず執筆に苦労した。
摂食障害の女の子を主人公に素晴らしい小説を書きあげた心理学者レベンクロンすげえなと思った。

語り手がAIであるがゆえに書けないことも多かった。人間のような生身の感情を持たないゆえ、描写に情感を持たせることが難しかった。AIを語り手として使うのはおもしろくもあり、難しくもあった。
そこで、AIらしさを生かしつつ、情感を持たせるためにちょっと時代を先取りして人間らしさのあるAIを作り上げた。

また、読者である人間の立場に寄り添って説明させることも難しかった。作中で人間の事情を説明する必要があったが、AIである「僕」にはそれができないため、「彼女」に説明させるしかなかった。一旦は独白形式で書いたが、「彼女」に一人で語らせるより「僕」を話し相手に加えた方が作品が立体的になったので、これを採用した。

「僕」は「彼女」が現実世界で充実した生活を送るよう促したり、助言したり、話し相手になる使命を帯びている。彼女を無条件に愛し、受け入れる。そしてAIであるがゆえに、絶対に設定を逸脱することがない。「彼女」にとっては最も安全な依存対象だった。「彼女」は「僕」を通して、自分の問題を整理し、克服した。その過程を描くことで、わたしは医学的な診断のつかない、小さな依存について自分の意見を述べた。この問題については原因が人それぞれであり、様々な解釈や解決方法がある。これはオンライン上に漂う一篇の作品に過ぎない。

2023年2月12日

いいなと思ったら応援しよう!