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バスからだんじりを見学

あれ?バス停が閉鎖されている…。
あっ、今日はだんじりか。
この季節になると職場はだんじりが盛んな地域にあると実感する。

3分ほど歩いた臨時停留所まで急ぐ。
途中までバスが通るルートがいつもと違っていた。
2〜3つほど停留所がスキップされる。ということは、あの停留所から乗る人は今日はバスに乗れないのか。

順調に進んでいたバスが停車した。
聞こえてくる甲高い鳴り物の音。
外を見るとだんじりが交差点を曲がるところだった。え?バスじゃなくてだんじり優先なの?

コナンで言っていたことを思い出す。
「パレードのルートは公務に支障がないように設定されている」
公務≪だんじりの構図ができているようだ。

私は地元の人ではないので、参加したこともないし、見たこともない。祭りに参加している人達はいかつそうだし、けが人もいると聞いたことがあるから見に行きたいとも思わない…。

少しするとバスがまた停車した。
さっきとは違うだんじりが通過するようだ。
係の人がバスに近づき、
「今からこう横切るので、だんじり通るまで待ってください。」
と運転手さんに説明していた。
完全にバス≪だんじりらしい。

まさかバス乗っている間に2つもだんじりを見ることになるとは。思わずケータイのカメラを向けていた。
一度止まるだんじり。掛け声と共に全員が一気に引いた。大きなだんじりがスピードを上げて狭い路地に入っていく。
まず私はそのスピードに驚いた。あれ、完全にマンパワーだよね?

次に目に入ったのは屋根の上で踊っている(?)人。引かない分楽に見えるかもしれないが、屋根から落ちないように踊るにはかなりの体幹が必要だ。
高所恐怖症ではない私でも、あそこに立ったら足がすくんでしまう。

「すごいなぁ〜」と小学生並みの感想を思い浮かべているとバスが進んだ。道の両脇には人・人・人だった。普段は車は通っても人はほとんどいないのに。

最後に視界に入ったのは、その観客だった。
その中に、車椅子に乗ったおじいちゃん・おばあちゃんもいた。かつては積極的にだんじりに参加していた人なんだろうか。
だんじりを引く人と同じ格好をする観客もいた。子どもたちは「いつかあれを引きたい。」とか、「上に乗りたい」と憧れる真っ最中なのだろうか。

通勤でのバスの真横で、だんじりという伝統に触れている。バスとだんじりが交錯することで、物語を見ているようなタイムスリップしているような…。

バスはほぼいつも通りに到着した。

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