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昔の伝統・現在の伝統 母校の想いはきっと変わらず

最近母校の“あるイベントが”がちょっとした話題になっている。
この時期になるとその名物を母と見に行くようにしている。それは“かかし”。
そう、田んぼにあるあの“かかし”である。

ハロウィンのイベントも兼ねてか、ある年から急に現れたいろんなキャラクターのかかし。
どうやら展示されている舞台は小学校の学童農園のようだ。

母校の記念誌を見ると、2018年の欄に“多数の案山子が並び、道行く人の目を引く”と書いてあったので、おそらくその頃からはじめているのだろう。

ハロウィンにちなんだものもあるが、毎年時事ネタを忍ばせている。
安倍総理がアベノマスクをしていたり、アマビエ様がいたり。

今年は
・大谷翔平選手(エンゼルスのユニフォーム着用)
・ワンピースフィルムのウタ(1年遅い?)
・阪神の岡田監督(祝!アレ!というのを掲げていた。)
などのラインナップ。
岡田監督の再現率が高かったから、おそらく先生の中に阪神ファンがいるのだろう。
子どものかかしのレベルを超えているものもちらほらあって、先生は毎年これに命を賭けているレベルで楽しんでいるんだろうというのが伺える。
“新しい伝統”なんだろうな〜なんて思いながら田んぼをあとにした。

私が在学中にもちょっとした伝統があった。
例えば鼓笛隊。運動会になると4年生はリコーダー、5年生はピアニカ、6年生はドラムやアコーディオンなどの楽器を使い、3学年の鼓笛隊をやっていた。

6年生の楽器たちは1つ上の先輩から引き継ぐ。という伝統があった。
1つ上の先輩が卒業する前、新しく6年生になる後輩に楽器を引き継ぐ。卒業式にその引き継いだ楽器で演奏して送るという伝統だ。

私は4つ上のいとこが指揮者をやっていたのを見て、「かっこいいー!私も6年生になったら指揮者やるー!」と憧れて、その小さな夢を実現させた。

あと1つ覚えている伝統は、梅ジュースだ。
学校の敷地になっている梅の実を取ってくる。
梅と砂糖を瓶詰めする。というシンプルなイベント。
しかし、その瓶詰めされた分は飲むことができない。何年か放置しないと完成しないからだ。

その代わり先輩が作った梅ジュースを先生が引っ張り出してそれを飲む。
ある意味これもまた毎年続く伝統だった。
私たちが作った梅ジュースは飲まれたのだろうか。
ワクワクするのもこのイベントの特徴である。

もしかしたら私が在学中にあった伝統は今はないのかもしれない。
でもかかしの遊び心から伺えるように、子どもがワクワクするように、先生も大いに楽しむように。といった想いは変わらないと思う。

母も祖父も通った母校の話を母としながら、家に帰る。ちょうど下校時間だった。
道の途中で小学生の落とし物を見つけ、私は拾って前を歩いていた小学生を追いかけた。
「これ落ちてたけど、君らのじゃない?」
「ボクのです!ありがとうございます。」

150年続いた小学校はこれからもまだまだ続く気がした。

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