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おばあちゃんとクセあるチョコレート
父方の祖母からいろいろ届いたらしい。
果物とかお野菜とか。
その中に、“チョコレート”もあったというのだ。
チョコレート好きの私は目を輝かせた。
「言っておくけど、ミンチョンの思ってるチョコじゃないよ。でも食べるのにチャレンジしてほしい!」そう言うと母は袋を指さした。
見ると“Cacao95%”と書いているではないか。
あれ?カカオ70%台でも結構苦くなかったっけ…?
個包装にいくつも入っている。
これをチャレンジしろと…。
しっかりと注意書きに「非常に苦いチョコレートです。」とある。
よく見ると、“Cacao86%”と“Cacao72%”の袋もあった。まるでカカオ食べ比べパックのようだ。
全部おばあちゃんから送られてきたという。
「よし、チャレンジしてみよ!」
私は意を決して苦いチョコレートに挑んだ。
まず食べたのは、“Cacao95%”。
………なんだ、これ…は!!
チョコレート感が全くない。
苦いのかどうかもわからないくらい、すごい味だった。これは料理に使おう…。
その後、“Cacao86%”、“Cacao72%”の順に食べた。
どんどん甘くなっていく。不思議体験チャレンジだ。それにしてもすごい量だ。
「おばあちゃん、きっと“ポリフェノール”の文字で選んだね。それとも普段から食べてるのかな?」
おばあちゃんとチョコレート?
そういえば…
小学生の時におじいちゃん家へ泊まった日のこと。
私はチョコレートを見つけてこっそり食べようとした。
すると中から液体が……!なんだこれ!
すかさずおばあちゃんに報告した。
「このチョコレート、まずい!中から液体出てきた!腐ってるのかも!」
おばあちゃんは箱のチョコレートを見てひとくち。
『あっ、ウイスキーボンボンじゃない。んふふ、おいしい、おいしいわ、んふふふ。』
ものすごい顔をしている孫そっちのけでウイスキーボンボンを嗜んでいた。
おばあちゃんはクセあるチョコレートが好きなのかもしれない。