命が喜ぶ瞬間
畑に出ていると感覚が研ぎ澄まされてくる。自分自身に入ってくる情報の多くは目からだった。スマホやテレビを見たり、車を運転したり、何かを見ることがほとんど。普段の生活では、目に見える範囲の情報で何かを掴み判断するが畑ではそれだけではない。
遠くで鳴く猿や鳥の声、揺れる山の木々の音、季節によって変わる風の香、空気の温度。目を閉じると入ってくる情報がかなり多い。
私たちがワイン造りを行う福山市山野町は自然豊かで様々な魅力がある。龍頭の滝は落差の大きい名瀑で冬は滝自体が凍り神秘的な姿を見せ、夏は涼しく気持ちの良い風が体を通り抜ける感覚を味わうことが出来る。
まるで日本昔話に出てきそうな神社も多く、自然との共存によって里山の社会が営まれていたことが分かる。静かな境内にある鳥居をくぐり目を閉じると昔むかしの風の音を想像することが出来た。
近年の私たちを取り巻く環境は日常が当たり前では無い時代に変わりつつある。誰もが健康に生きたいと思う中で、ワイナリーが取り組む農業体験と自然体験を通じて共感力を養うことで生き方が見直され、命が喜ぶ瞬間を創造していき、地域を元気にしたいと考えています。
そろそろワインを飲みながら話をしたいですね。
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