歌は巡る想いを乗せて
2月8日に【流し場 NAGASHI-BAR】をやった。
塩屋にあるhesoという週末間借りできるスペースで。今月いっぱいはおしおさんというアーティストさんの喫茶お塩が営業してます。
その中でNAGASHI-BARをやらせてもらった。
流しといっても、私の技術では何でも弾いて歌える訳でもなく、いきなりリクエストされても応えることができない。そう思って、本当はNAGASHI-BARを思いついてはいたけど自分で却下していた。だけど偶然に出会った方にたまたまhesoで何かしたいと話した時に、その人はギター持っている私を見て「それが価値ですよ。もしやるならぜひ観に行きたい」と言ってくれた。それから1ヶ月も経たずにNAGASHI-BARが実現した。
今の私で出来うる限りのリクエストに応えられるように、突然リクエストされても譜面見ながらでもしっかり歌える曲をメニューとしてリストアップした。個人的にはローザルクセンブルグ、向井秀徳、中島らもが入ってるのが私らしさだと感じる。
歌った曲を思い出す限り書くと
・MOON RIVER
・男はつらいよ
・悲しくてやりきれない
・愛の讃歌
・知床旅情
・浅草キッド
・時をかける少女
・夢の中
・天城越え
・花
・いいんだぜ
・おめでとう
・ありがとう
・満月の夕
・オー・シャンゼリゼ
を歌った。
音楽仲間の友人たちも駆けつけてくれて一緒にセッションしたりもした。
そして今回すごく嬉しかった事があった。
それは私にこのNAGASHI-BARを勧めてくれた方の誕生日を歌で祝えたこと。つい先日が誕生日だったと知り、密かに練習していた。その方は実は現在しんどい状況下にいるのだけど、それでも明るくあたたかく生きている。その人にどんとの「おめでとう」を歌って贈った。
私がこうやってギターを弾いて歌おうと思うきっかけになった歌であり、最初に聴いた時に何故か「生きててよかった!」「生まれてきてよかった!」という気持ちが湧き上がって自分でもよくわからないまま泣いた歌。私はその体験が何だったのか、あの感覚をもう一度味わいたいし、アレが何かを知りたくて歌いはじめた。
当日家で「おめでとう」を練習していた時に、「おめでとうを聴いて泣いていた私が、この歌で祝福できる域に到達した」という感覚が湧き上がって泣いた。今までも誰かを祝う為に「おめでとう」は歌ってきたけど、それとは違う感覚の域。どんとがこの歌を作った時の感覚に近づけた気がした。
本番は泣かずに歌えた。ナベさんがお祝いのプリンをプレゼントしたいいタイミングで歌った。歌が持つメッセージが相手にしっかり届いたことが目に見えてわかった。それが本当に嬉しかった。
自分にあるものを顧みず、人を羨んで欲しがってばかりで、我慢したり嫉妬したり散々拗らせてきた私が、心から人を祝福して歌えるようになれた。それがどんなに嬉しいことか。歌を祝福して贈っているようで、実は私に与えられた大きな祝福だった。
その場に集まったひとりひとりに目と心を向けて、話しながら歌う。本当はずっとしたかったそんなあたたかな場を作れたことが嬉しい。次回開催日は未定ですが、また必ずやります。さらに歌を深めていこう。