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ポッドキャストを始めるなら、どのサービス?:ポッドキャスト入門

デジタルエンゲージの手法の1つとしても捉えられているポッドキャスト。連載企画「ポッドキャスト入門」では、その特徴やポッドキャストの始め方を解説します。

第2回は、ポッドキャストを始めるときにおすすめのサービスを紹介します。

<ポッドキャストは何かを知りたい人はこちらをお読みください>


ポッドキャスト配信プラットフォームとサービス

ポッドキャストを配信するポッドキャスターにとって、ポッドキャストに関するサービスは大きく分けて2種類あります。

1つめは、SpotifyやApple Podcast、Google Podcastといった、スマートフォンやパソコンでポッドキャストを聴くためのプレーヤーサービス。気になるポッドキャスト番組を登録しておくだけで、新しいエピソードの配信が始まると自動的に自分のリストなどに追加され、好きなときに聴くことができます。

これらのサービスは基本的にポッドキャストを聴くためのサービスで、ポッドキャストを配信するためには、音声ファイルをアップロードするホスティングサービスを利用する必要があります。手順としてはホスティングサービスで録音または録音済みの音声ファイルをアップロードし、さらに自分のポッドキャスト番組をApple PodcastやGoogle Podcastなどのサービスに登録することで、自身のポッドキャストが配信できます。

オンラインショップに例えるなら、インターネットで物を買うためのサービスがプレーヤーサービス、物を売るためのサービスがホスティングサービス、というような関係性で、基本的にはプレーヤーサービスとホスティングサービスが別々になっています。

ホスティングサービスはほとんどのサービスが無料で利用できるため、音声ファイルを用意すればすぐにポッドキャストを始めることができます。またApple PodcastやSpotify、Google Podcastといったプレーヤーサービスも、一度登録を済ませれば、あとは番組を公開するだけで自動的にそれぞれのサービスに配信できます。

今回はポッドキャスターにとって重要なホスティングサービスについて、紹介していきます。

おすすめは「Spotify for Podcasters」

ポッドキャストのホスティングサービスはいくつかありますが、おすすめはSpotifyが運営する「Spotify for Podcasters」(旧Anchor)。音楽配信サービスとしても利用者の多いSpotify上で直接配信でき、番組の時間制限もありません。またApple PodcastやGoogle Podcastなど、Spotify以外のサービスにも配信できるため、多くのポッドキャスターが使っています。

ポッドキャストの音声ファイルは、収録済みのものをアップロードできるだけでなく、Spotify for Podcastersを使って直接録音することもできます。また「ジングル」と呼ばれる本編前後のBGMなども、無料で使える素材が多数用意されており、簡単に自身の音声ファイルに挿入できます。

さらにSpotify for Podcastersが特徴的なのは、Spotifyで配信している音楽アーティストの楽曲を使ってポッドキャストを収録できる機能「Music+Talk」を提供していること。この機能を使った場合、聴くことができるのはSpotifyのみに限られてしまいますが、好きなアーティストの楽曲を使ったポッドキャストを作って配信できるのは他にはない大きな魅力でしょう。

その他の配信ホスティングサービス

ポッドキャストのホスティングサービスはSpotifyにも、生放送ができるサービスや、収益が得られるサービスなど、多彩なサービスがあります。

ここでは、Spotify以外の代表的なホスティングサービスを紹介します。

Radiotalk

事前に音声を収録する「トーク収録」のほか、生放送でユーザーと盛り上がれる「ライブ配信」を、スマートフォンから簡単に楽しめるサービス。専用通貨「コイン」を使い、リスナーからコインをもらったり、一定の条件を満たすことで有料のメンバーシップ機能が利用できるようになったりと、ポッドキャストを通じて収益化を図れます。

こうした収益化やユーザーとのコミュニケーションは、基本的にRadiotalk内で完結していますが、設定すればSpotifyやAppleなど他社のサービスにも配信自体はできます。

なお配信には「1配信あたり30分」と時間制限があるため、長めの番組を収録したい場合は注意しましょう。

<Radiotalkで配信した番組をPodcastやSpotifyに配信する際に必要な事前準備>

Stand.fm

Radiotalk同様、収録した音源の配信と生放送に対応しているだけでなく、リスナーから「ポイント」を受け取れる仕組みや月額制のメンバーシップ、再生時間に基づいて収益が得られるパートナープログラム、番組単位で有料販売が可能な仕組みなど、収益化のための機能が充実しています。

こちらも基本的にはstand.fmで完結した仕組みになっていますが、他のサービスに配信することもできます。収録放送は最大2時間までと上限が設定されています。

<Stand,fmでポッドキャストを配信する方法>

Radiotalk、Stand.fmともにポッドキャストのホスティングとして利用できるものの、生放送や収益化が目的の場合は、それぞれのアプリで利用することが前提となります。こうした機能を優先するのか、幅広く多くの人に聞いてもらうポッドキャストとして利用したいのかが、ホスティングサービスを選ぶときのポイントでしょう。

Substack

ニュースレターなどのコンテンツを配信できるサービス。テキスト形式のニュースレターに加え、ポッドキャストや動画付きのビデオポッドキャストなど、さまざまなコンテンツを配信できるだけでなく、有料会員向けの配信機能も用意されています。

非常に多機能ではある一方、海外サービスのためメニューはすべて英語で表記されており、上記で紹介したサービスに比べると使いにくい部分もありますが、ニュースレターやポッドキャストの名前、説明文は日本語でも設定できます。ニュースレターとポッドキャストを組み合わせてみたい、という人におすすめです。

<公式サイトはこちら>
https://substack.com/

ポッドキャスト配信の実践に向けて、次回は機材を紹介

ここまでポッドキャストに関連するサービスと、Spotify for Podcastersの特徴、その他おすすめの配信ホスティングサービスを紹介しました。

サービスやアプリの操作性、機能の違い、時間制限、収益化が可能かなど、それぞれの特徴を比較しながら、ぜひ自分に合うサービスを探してみてください。

次回は、ポッドキャストを始めるときに必要な機材について紹介します。