大家族の中でコンパッションの基礎を育んだ少年時代ーAmir Imani氏インタビュー(2023年6月)
MBSR講師であり、講師養成講座のトレーナーでもある、Amir Imani先生に、インタビューをさせていただきました。
Amir先生は、イランで生まれ育ち、大家族で生活する中で他者へのコンパッションを自然と学びます。そして、政情不安のイランから、難民としてトルコを経由してカナダへ渡り、カウンセリングを学び、大学院を卒業します。その後、ヴィッパーサナ瞑想に出会い、それを生涯探求していきたいと決意し、マインドフルネスストレス低減法(MBSR)に出会います。
開発者であるJon Kabat-Zinn博士に学び、その存在に触れ、マインドフルネス講師としての道を歩んできました。
そして、マインドフルネスに大切なプレゼンス(今・ここにある)の力とは何か。それには意図やつながりが大事であると言います。
そして、世界中でマインドフルネスを伝える多忙な生活のなかで、個人や家族との生活をどう統合していくのか。
インタビューの内容は以下になります。
今回は、「第1章 少年時代のことー大家族の中でコンパッションの基礎を育む」をお届けいたします。
インタビューアー:宮本賢也
ーーーどのような子供時代を過ごされましたか?
Amir
私は大家族で生まれ育ちました。6人の姉と3人の兄がいて、私は7番目の子供でした。
母とは特別な関係を築いていました。彼女がどれほど一生懸命に家族の世話をしていたか、私は目の当たりにしてきました。母は一人で11人分の食事を作っていました。
大家族の一員だったため、母が助けを必要とする状況に常に直面していました。そうして、自然と他人を助けることを学んでいきました。それは食器洗いをすることであったり、母が薬を飲むのを手伝うことであったりでした。
これらは私がコンパッションとケアを学ぶ機会であり、それはある意味で、私が幸運だったと言えるかもしれません。私は、そんな大家族の一員として育ったことに感謝しています。それが、私が幼い頃から他者にコンパッションの態度で接する生活を学んだ環境でした。それが私の少年時代について思い起こす最初のことです。
そして、私は学校で優等生だったと嬉しく思っています。勉強や宿題をこなすのが得意でした。誰かに宿題をやらせるために追い回されたことは一度もないと思います。自己主導でやる気に満ちていました。
おそらく、大家族で育ったことが、困難を乗り越えて前進する自然な力を私に与えたのかもしれません。これが私の生き抜く戦略だったのかもしれません。幼少期の最も重要な教訓の一つは、恐れずに挑戦に立ち向かう勇気と意欲を持ち、自分自身と自分の力を信じることでした。
私はこれらの教訓を大切にし、日々の生活に適用しています。
(続く)第2章 難民としてトルコへ、苦しんでいる人を助けたいという少年の祈りから、マインドフルネスへ
*****