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コンパッションとマインドフルネスーーマンスリーMiLI開催レポート

2013年9月の第1回以来、115カ月の間に116回実施してきたマンスリーMiLI。先月続き、2023年3月も開催レポート記事です。

実は、理事の木蔵シャフェ君子にとって、ファイナル・ステージ。
「コンパッションとマインドフルネス 〜喜びを持って自分らしく生きるための両翼の翼〜」と題し、ご自身の半生を振り返って、何をメッセージしたのか、ダイジェストでお届けいたします。


ダイジェスト

前半は木蔵の講演、後半は参加者との質疑応答や対話という二部構成で進行し、コンパッションとマインドフルネスで満ち溢れる時間でした。

ここからのダイジェストでは、前半の講演スライドのスクリーンショットとあわせて、一部要約しておりますが、書き起こしです。

サンタクルーズからこんばんは、木蔵シャフェ君子です。
今回は私にとっては最後の機会で、ふだん話してこなかったことも含めて、お伝えできればと思います。

最近、朝のルーティンは、モーニング・ページ(またはブレイン・ダンピング)で、こちらのノートに4ページ書き続けることをやっています。私がデフォルト・モードのときに、頭がぐるぐるなっていることを可視化できます。

さて、私の頭の中で、特定のキーワードで占められていることがわかりました。みなさんに、がっかりさせてしまうかもしれません。

マインドフルネスをはじめて15年ですが、まだまだ不安がありますし、愛や不満もあります。過去の私はどうだったのか、振り返るきっかけにもなりました。

2005年ごろの私は、こんな感じです。
独立して、コミュニケーションやリーダーシップの研修会社を経営し、不安を解消するために、ずっと将来の計画を考えていました。よきリーダーはそういうものだと思っていましたが、心身ともに燃え尽きる状況になってしまいました。ストレスによる関節の炎症・変形などがあり、杖で生活していました。にもかかわらず、顔の表情は「勝気で負けてません、私大丈夫ですから」になっていましたw

当時の頭の中はこんな感じで、不安がすごく大きいですね。
〇〇でなければならない、自分を成長させなければならない、人に接しなければならないと、当時ジャーナリングしていたら、このようなことばかり書いていたように思います。

アメリカの友人がそのような私の様子を見かねて、「君子、瞑想やマインドフルネスのメソッドがあるから、僕も行くからいっしょに行かない?」と誘われたのがきっかけです。

やりはじめたときは、ぜんぜんできませんでしたw
できない、気が散る、雑念ばかり!と焦りを感じて向かないと思いつつも続けていて9週間のワークショップを終えると、関節の炎症がすごく楽になっていました。

自分の頭ではできない、イライラとしていましたが、身体はなぜか治まっていた、杖をつかなくてもいい頻度が増えてきた。一体これは何なんだ?という、マインドフルネスへの関心が高まってきたのが、私のストーリーです。

私の持続可能なレベルで続けているのは、こちらです。
ジャーナリングは先ほどのモーニング・ページですね、読書は第三者の視点を得るために、必要なプロセスとして、大事にしています。

みなさんも、ご自分で持続できる方法を見つけていただければと思います。

いま、どうなっているでしょうか。
変わっていないといえば、変わっていないかもしれませんが、若干「不安」が減って、「なければならない」はずいぶん減ったようです。

内訳的には変わっていないですが、感覚や質感は変わってきました。マインドフルネスの実践によって、よりビビットに感じているのは大きな変化です。また、メタ認知の視点ができているのに気がつきました。

不安にいるクオリティの違い、解像度が上がる、他に参照できる余裕がある、軸を取り戻すような感覚も、実践による変化です。

先日、SIY修了生コミュニティSIY beyondにて『禅マインド・ビギナーズマインド』の読書会を開催してましたが、鈴木俊隆のこのような言葉があります。迷妄は、私のデフォルト・モードには、ずっと存在し、これからも存在すると思います。

私がマインドフルネスの実践で苦労したのは、「優しさを持って」というところでした。注意がそれるたびに、できない、失敗しているなど、自分に対して批判をしていました。長年やってきていて、いかに「優しさ」が重要かに、気づきました。

優しさがあることによって、バイアスを取り払って、中和されて、ありのままにみることができますが、私には、長年、コンパッションが足りていなかったのです。

コンパッションは、哺乳類にはおおむね確認されている形質であり、人は生まれつきもっているものです。しかし、すでにもっているから、それでOKではありません。

私が3歳のときの写真です。戦前の写真じゃありませんw
母に聞いたところ、子どものときは、喘息や病気で休んでいる友だちの給食やプリントをもっていったり、年下の子どもたちと遊んだり、人の役に立ちたいと思いやりのある子だったようです。

それから40数年、こちらの写真は2014年のwisdom2.0にて、ジョアン・ハリファックス老師と出会います。のちに監訳した『コンパッション』著者です。

人のために役にたつ仕事をしたいといいながら、人に対する優しさの理解が及んでいない、ぜんぜんわかっていなかった、だからうまくいかなかったんだ、と気づきました。時には、Noを言うコンパッションがあるんだということも、彼女から学びました。

SIYでも引用されている定義で、3つの重要な要素があります。
1)他者の経験をありのままに理解する(マインドフルネス)
2)最善を願う(生まれ持つ共感、利他的)
3)何が一番その人に本当に役立つか(叡智)

叡智なきコンパッションは、愚者のコンパッションとも言われています。
「子どもを理解しよう、幸せな人になってほしい」と親御さんでも非常にむずかしいところですよね。

著書では、コンパッションを成立させるのは、5つの資質でまとめられています。利他性、共感、誠実、経緯、関与は、非常にあやゆいもので、ぐらぐらしやすい、崖を転がり落ちやすいものですが、苦しくもがいて、這い上がることで、「コンパッションは育成を要する」ことができます。

こちらのスライドが最後ですが、このようなまとめです。

ウェルビーイングの根底には、コンパッションとマインドフルネスがあり、お互いがお互いを高めていきます。マインドフルネスには、バイアスがなく、おおらかなものの見方するためにコンパッションを必要とし。コンパッションには、叡智をもって自分や他者の苦しみを向き合うためにマインドフルネスを必要とします。

これが、これまでに15年、コンパッションとマインドフルネスに向き合ってきたことです。ここまで一気にお話させていただきました。
気づけばMiLI10年間、本当にありがとうございました。

(以下、質疑応答や対話)

最後は、代表理事の荻野淳也より「マグロの回遊魚が立ち止まることを覚えた2019年は、君子革命でしたね。サイボーグじゃない、生身の君子さんに会えた」という言葉で締めくくられました。

お知らせ:ハリファックス老師のJAPANツアー

あのハリファックス老師が、4年ぶりに来日されます!
MiLIのワークショップをはじめ、Wisdom2.0 Japan×Zen2.0、GRACE Japanと日本各地を巡るツアーが開催されます。

4/1-2 2Day開催、オンライン参加を募集中(by MiLI)

4/9 1Day開催、オンライン参加を募集中(by Wisdom2.0Japan×Zen2.0)

4/15-16 2Days開催、オンライン参加を募集中(GRACE Japan)


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